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活動記録
10月のセイタカアワダチソウ(通称はアワダッチ)奮戦記

 アワダッチは嫌いな植物を駆逐する物質を根から出しますが、この物質をアレロパシーと呼びます。サクラソウやチョウジソウなどの稀少種はどうもアワダッチに嫌われているようで、アワダッチが侵入した場所から姿を消してしまいます。
 アワダッチのアレロパシーは非常に強烈で、自らも自滅してしまうのでそのまま遷移にまかせれば何年後かにはススキの原になるので、そのまま放置するのがよいということはよく理解できますす。しかし、問題は稀少種です。消滅した稀少種が10年〜15年間後のススキの原に残ることができるのでしょうか。希少種は少なくなってしまった種であり、実験するのも可成りの危険を伴います。失敗したら元も子もありません。
 大変な作 業ですが、私たちの16年に及ぶ経験では「稀少種を守るためにアワダッチを抜くのが一番」との結論に達しています。多分「ばかばかしい行為だ」と思っている専門家も多いかもしれません。

☆1号活動地のアワダッチ奮戦記
*稀少種群落保護のためにヨシ原の中のアワダッチ抜き。
 10年12月撮影 
 背丈の倍にも伸びたヨシ原のなかのアワダッチ捜索は重労働の上、迷子になってしまうボランティア多発。

*女性たちもアワダッチと戦う。
 10月16日、20日 撮影  
 雨にも負けず風にも寒さにも負けずひたすらアワダッチを抜く。その忍耐強さにはただ脱帽。 

*アワダッチを抜き終わってやっと秋の日本の風景になりました
 10月20日撮影
 ここは15年間アワダッチに占有されていましたが、数年かかって徐々にススキの原に遷移をしたきた場所です。遷移にまかせて放置しておくのも一つの駆除の手法だと思います。しかし、隣接した場所に稀少種自生地の原野があり、ここへ種子が飛ぶことを恐れてとりあえず抜いてみました。すべては試験の段階なので、知見を深めながらよりよい手法でアワダッチとの戦いを進めていく方向です。 

*抜いたアワダッチの山ができました
 10月23日撮影
 抜いたアワダッチは一カ所に集めてから処分します。抜いたアワダッチはとても重くて運び出し作業はなかなかの重労働です。
(C) Saeko Ogawa 2005

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