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辺野古新基地はつくらせない!

ながさき平和委員会 総会記念講演会

 6月29日、ながさき平和委員会は定期総会/記念講演会を開き、約35名の参加がありました。沖縄県平和委員会の大久保康裕さんが、「『建白書』実現をめぐるたたかいと展望」と題して講演。(以下、一部を紹介)

 沖縄のたたかいはなかなか光が見えてこない、むしろ遠ざかっていると思われるかもしれないが、決してそうではないことをお互い共感しあえればと思う。

(1) たたかいの到達

 沖縄の団結のスタートは2012年9月9日のオスプレイの配備に反対する沖縄県民大会。これはあくまでも「建白書」のたたかいのスタートであって、「沖縄のたたかい」のスタートは米軍占領統治下から始まって復帰闘争やさまざまな流れを汲みいまに至っている。その下地の上にいまのたたかいがある。
 県民大会決議が「建白書」であり、41市町村長、41市町村議会議長の全員が署名捺印した。だから「オール沖縄」だった。この団結は翁長さんが言ったように「腹6分・8分」。党派を超え「建白書」の要求の一点で団結する。このたたかいが日米両政府を追いつめ、沖縄県民と全国のたたかいの旗印となった。
 そのたたかいは非暴力を貫き、揺るがない抵抗の意思を示している。中には力づくでも止めようとする人々もいるが市民・有権者に支持されるたたかいでないといけない。その積み上げがいずれ政治戦で大きな結果を生み出す。やはり「民意の力」が大事。たとえ小さな種火でも残しておくと必ず大きく燃え広がる。
 結局、日米両政府に残されたのは憲法違反・法律違反・三権支配の禁じ手だけとなった。

(2) 辺野古めぐる現場のたたかい

 オール沖縄会議と県民会議が行っているゲート前を中心にした座り込みは1800日を超えた。いまは試練の時。正念場だから欠かせないのが世論から支持される運動。日ごろから仲間どうし団結しなければならないのに必ず飛び跳ねる人たち、扇動する人たちも出てくる。
 官邸側も現場のたたかい、政治戦、選挙戦に対して策を練っている。これまでは自公体制だったがいまは維新が加わった。

(3)この1年間のたたかいを振り返って
①知事選では8万票差をつけての勝利
 勝因は県民を奮い立たせた翁長知事の足跡と遺志。それは長年、歴史を歩んできた沖縄県民の不屈の意思の底力の現れ。また相手側の露骨な争点反らしが県民の怒りを買った。
②沖縄県民投票での勝利
 官邸・自民党側は民意を巧みに利用し、宜野湾等5市長が手先となって妨害を始めた。☞ しかしその乱暴で露骨なやり口が逆に市民の闘争心に火をつけ、全県実施にこぎ着けた。
 よく県民投票の会、とくにその代表がハンガーストライキをやって情勢を動かしたといわれるがそんなものではない。投票の権利を奪われた地域住民が立ち上がって連日のように議会に抗議をして勝ち取ったのだ。
③衆議院3区補選での“辛勝”。
 候補者選考ではいろいろと問題があった。屋良氏の辺野古新基地建設を解決する方策は、沖縄県平和委員会がとても推薦できるものではなかった。しかし辺野古新基地推進の相手候補を勝たせないために苦渋の決断をした。

(4)この間の運動の教訓
団結の到達の尊さ:挫折と前進を繰り返してきて民意が熟成された。
要求の具体化が秘訣:敵の求心力は権力(翁長さんはこれを政治の堕落と言った)。私たちの団結のコアは「建白書」。これを具体化することが世論をつくり広げる決め手になる。
真相を見極め反論する力が必要:普天間問題の原点は少女暴行事件。「危険性除去」は詭弁。
たたかいに基本はあっても公式や教科書はない:「沖縄に学べ」という単純なものではない。各地域のたたかいの歴史、おかれた環境をふまえ、要求を具体化し理論と団結を固めることが必要。

(5)今後のたたかいの課題
情報戦は看過できない:権力は総がかりで沖縄ヘイト・フェイク宣伝を強めている。また沖縄の地元メディアへの過大評価がある。全国紙と比べると県民の立場に立ち、基地建設反対の論陣を張ってきた。しかし私たちが求めていないものまで分け入り、運動に注文をつけている。
安保の消化不足:沖縄の基地さえなくせばいいのだという考えがある。また沖縄の基地を本土で引き取れという運動が出てきた。結局は安保を棚上げにして、本当の敵を見失い、全国との団結に亀裂をいれている。
動揺因子の潜伏:日常の運動から選挙戦まで常につきまとっている。功名を狙う人たちを抱えながらたたかいをせざるをえない。

(6)まとめに代えて
 私たちには「建白書」実現と安保廃棄の任務があり、バランスよくたたかうことが必要。運動の積み重ねを「不屈」という。これは必ず真価を発揮する時が来る。自民党の大会決定や選挙の総括文をよく読み、彼らの思考や次の手を研究する。沖縄戦の教訓と憲法全文が拠り所。これがたたかいの「武器」になる。
 全国はひとつ。各地で基地に反対し、安倍政権を支える議席を落とし、退陣に追い込むことが沖縄にとっても全国にとっても重要なこと。これが辺野古新基地建設の行方を決定する。参議院選で勝利し、安倍自公政権を必ず退陣させよう。

(2019年6月30日)