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米軍がLCACの夜間訓練を通告

平和委員会が佐世保市に中止要請

 10月30日、米海軍は横瀬貯油所に配備されているLCACの夜間訓練の実施を九州防衛局を通じて西海市と港湾管理者の佐世保市に通告してきました。実施通告は初めてのことです。

 横瀬貯油所海域を埋め立ててLCAC整備場を建設する際に、「横瀬貯油所内におけるLCAC施設の整備等に関する協定書」が締結され(2000年1月26日)、第2条2項は「乙(福岡防衛施設局長:現在は福岡防衛局長)は、甲(西海町長:現在は西海市長)からの要求に基づき夜間、早朝の航行については行わないよう米軍と調整するものとする。」としています。

 これまで西海市は騒音の防止や漁船の安全などのため夜間訓練を認めてきませんでした。3年前に米軍からの「LCACの定期的な夜間訓練のために、訓練海域までの夜間航行を認めるよう」求めてきましたが、14年9月26日に西海市議会が「LCACの夜間航行禁止を求める意見書」を全会一致で可決するなど市や住民が反発し、実施されませんでした。

 今回、米軍が通告してきた計画は以下のとおり。
 ■ 平成29年11月7日(火)~9日(木)、日没前に横瀬貯油所を出港したLCACが外海において訓練を実施した後、日没の約30分~60分後(又は18:00~18:30)に横瀬貯油所へ帰港する。
 ■ 1日当たり、2~3機のLCACが参加する。
 ■ 佐世保港内における行路は通常(日中)変更は無い。

 米軍は、「部隊が24時間、常に即応できるよう練度を維持する必要があるが、横瀬の部隊は所要の時間分の訓練ができていないため、夜間における訓練も早急に実施する」と説明しています。

 この論理は協定書の内容を反故にするものであり、今回の訓練を突破口に、なし崩し的に夜間訓練を常態化させる意図が透けて見えます。まさに「LCAC整備場の受け入れ」の大前提が崩れるものです。西海市長、西海市議会は、10月31日、LCACの夜間航行は到底受け入れられるものではなく、実施しないよう強く求める要請書を提出。11月1日には駐機場の近隣の地区や漁協の代表などが集まる臨時の基地対策協議会が開かれ、報道では市の担当者は「協定をほごにするもので、断固として受け入れらない」と述べ、参加者からも「夜間航行しないことが横瀬に施設を受け入れた条件」「1回認めれば今後も続く恐れがある」などと反対の声が相次いだ。といいます。

 11月2日、佐世保平和委員会と原水協は佐世保市に対して「夜間航行訓練中止を米軍と九州防衛局に強く要請される」よう、申し入れを行いました。

 同日、佐世保市は九州防衛局を通じて米軍に、日時の事前通知や安全対策の明示、運用状況(終了時間等)の報告は要請したものの、北朝鮮情勢や自然災害の多発を理由に夜間訓練そのものは容認し、中止要請は行いませんでした。

(2017年11月3日)


LCACの夜間航行訓練中止の申し入れ

佐世保市長 朝長則男 様

2017年11月2日
原水爆禁止佐世保協議会 理事長 山下千秋
佐世保平和委員会 会長 弦巻信幸

 米海軍はLCAC運行訓練を11月7日から9日にかけて行う計画を明らかにしました。

 その内容は、日没前に横瀬貯油所を出発し、佐世保湾内の行路をとおり佐世保湾内の外海で巡航訓練等を行った後、日没の約30分から60分後に横瀬貯油所に帰港の予定となっています。

 今回の計画の重大な問題点は、日没後に佐世保湾内を航行することです。

 計画理由として、①米軍の部隊は24時間すべての時間において対応できるよう、常に練度を維持しなければならない。②横瀬のLCAC部隊は、国外において夜間訓練を実施しようと試みてきたが、所要の時間分の訓練をすることができていない。③そのため夜間における訓練も早急に実施する必要があることから、今回実施する、などと述べています。

 これらのことから今回の訓練を突破口に、今後もっと大規模な本格的な夜間訓練を行う意図が透けて見えます。安全の問題、騒音問題などから見ても絶対に夜間訓練を容認すべきではありません。

 佐世保においては、そのほかにも、来年3月までに、水陸機動団(日本版海兵隊)が創設され、水陸両用車両基地が置かれ、52両の陸上走行訓練、海上走行訓練も行われるようになります。17機のオスプレイ佐賀空港配備計画も断念はしておりません。米海兵隊のオスプレイ佐世保飛来も23回も行われています。日米双方のオスプレイが飛び交い、水陸両用車両も走行し、LCAC航行も行われるなど、さながら戦場の様相を示すことになります。かつて確認した「平和宣言」を真っ向から踏みにじることになります。西海市長、西海市議会は、10月31日、LCACの夜間航行を実施しないよう強く求める要請書を出されています。

 佐世保市としても、きっぱりと夜間航行訓練計画の中止を米軍に申し入れされるよう、強く要求します。

要請事項
1、LCACの夜間航行訓練中止を、米軍と九州防衛局に強く要請されること。