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北朝鮮にらみ、危険な日米の軍事連携


佐世保に寄港したフランスの強襲揚陸艦ミストラル

 北朝鮮の動きを利用して「武器等防護(米艦防護)」が発動され、実施されました(5月1〜3日)。貨物弾薬補給艦リチャード・E・バードは北朝鮮に軍事的圧力をかけている米空母カール・ビンソンやイージス艦などへの燃料補給のために横須賀沖を出港。横須賀の護衛艦「いずも」と呉の護衛艦「さざなみ」がこれに合流。米イージス艦を護衛に就けることなく、明らかに安全な海域(時事通信によれば、房総半島沖から奄美大島東方沖付近)で自衛隊に護衛させたのは実績づくりに他なりません。同補給艦は4日に佐世保港に寄港しました。一方、2隻の護衛艦は7〜10日に2隻の米ミサイル駆逐艦と戦術訓練や通信訓練、「いずも」への米海軍のヘリコプターの離着陸訓練などを行い、12日にシンガポールに到着しています。

 一方、この4月に複数回、米空軍の戦略爆撃機B1と空自戦闘機(新田原のF15,築城のF2)が、爆撃機の護衛を想定した共同訓練を行っていたことが明かとなりました。自衛隊機は韓国の防衛識別圏の手前で離脱し、韓国軍機が任務を引き継ぎました。
 また4月25日、佐世保のイージス護衛艦「ちょうかい」は横須賀の米イージス駆逐艦フィッツジェラルドと日本海でミサイルの迎撃を想定した情報交換や戦術運動の確認、通信訓練などを行いました。

 これに先立つ4月23~29日には朝鮮半島付近に向けて北上している米空母カール・ビンソンと随伴艦、艦載機が海空自衛隊と訓練を実施。佐世保のイージス護衛艦「あしがら」と呉の護衛艦「さみだれ」の2隻、那覇の空自F15が2機参加しています。
 また4月29日、海自佐世保基地にフランスの強襲揚陸艦「ミストラル」が寄港(写真)。九州〜グアム〜マリアナ諸島に至る海空域で日仏米英の史上初の(水陸両用作戦を想定した)訓練が行われます。ミストラルには西部方面普通科連隊など40人の他、各国の部隊が乗り込み、輸送艦「くにさき」とともに5月5日に佐世保を出港しました。

 北朝鮮の挑発や中国の進出へに対抗する軍事的行動には抗議し、警鐘を鳴らしましょう。むしろ軍事緊張を高めるだけです。

(2017年5月16日)