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「海賊対処」で護衛艦きりさめ出港

海賊激減でもジブチ基地拡張の動き

 11月20日、護衛艦「きりさめ」が海賊対処でソマリア沖・アデン湾に向けて倉島岸壁を出港しました。乗員は海自隊員約200人と警察権を行使できる海上保安官8人。11月16日に大村航空基地で出発式のあった哨戒ヘリ1機と隊員8人が加わります。2009年から始まった護衛艦の派遣は佐世保からは延べ14隻目、全体では51隻目となります。

 最近、海賊の発生は激減し、昨年は0件、今年は1件という状況で、政府はこれまで2隻派遣していた護衛艦を今回から1隻にする閣議決定を行いました。P-3C哨戒機は2機態勢を維持したままです。期間は17年11月19日までの1年間。また海賊対処の多国籍部隊(CTF151)にも引き続き参加することとし、17年3月上旬から6月下旬までの間、海上自衛官が多国籍部隊の司令官を務めることになっています(2回目)。

 一方、自衛隊はP-3Cを運用するためにジブチに「拠点=基地」を設置し、陸自中央即応集団の部隊など180人が警護と基地管理を担っています。また航空自衛隊が物資と人員輸送のためジブチに部隊を派遣しています。現在は12ヘクタールの土地を借りていますがさらに隣接地を拡張する計画といいます。海賊の発生が激減し、その拠点を置く根拠は薄れているのに逆に拡張するのは、ここをPKOや中東有事、テロなどの際に自衛隊を送り込んだり、物資を輸送したりするアフリカ・中東の拠点としたいからでしょう。

(2016年11月21日)