ネジバナの話
六月下旬、近くの小浜公園の草むらでネジバナが咲き始めた。
この花はほかの草に混じって咲いていると、そこに花が咲いていることにも気がつかないような小さな花であるが、よく見るときわめて魅力的な、よくよく見るとランの花によく似た花である。そして小さいとはいえ、まちがいなくラン科の植物なのである。
この花は赤と白の花弁からなるが、赤い花弁の方がよく目立つので、全体としては赤色の花に見える。まれに全体が真っ白の花もあるが今年は白はまだ見ていない。
ネジバナは細い花茎を一本まっすぐに立ちあげ、最大で四〇センチになる花茎の上部に、螺旋(らせん)階段のような形に小さな花を並べて付ける。ネジバナの名は螺旋状にねじれて花を付けることに由来するが、螺旋状に花を付けると何かいいことがあるのかと見るたびに不思議に思う。
ねじれの向きは、時計方向と反時計方向の両方があって、その割合は半々ぐらいであるが、数十本に一本ぐらい、上に向かって一直線に花を付ける株がある。ネジバナの場合、まっすぐに花を付ける株はかなりのひねくれ者のように見える。
この花にはモジズリの別名もあって、モジズリの名もやはり、もじれる(よじれる)ことからついたというが、モジはもじれるだとしても、ズリの由来が分からない。
この草は、しばしば草刈りが行われる芝生の中や、公園の草地に生えるのが好きなように見える。もちろんネジバナだって刈られるのはいやなのだろうが、草刈りされることで勢力を伸ばしているように見える。などと書いているうちに、公園の掃除があって、みんなきれい刈り取られてしまい、また来年ということになってしまった。
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