金牛和尚の話

馬祖道一禅師の法嗣の金牛(きんぎゅう)和尚は、唐の時代の河北省鎮州(ちんしゅう)の生まれ、生没年は不詳である。

金牛和尚はつねに衆僧が食べる飯を自ら炊き、食事の時間になると飯桶(はんつう。飯びつ)を持って禅堂の前で舞いをなして言った。「菩薩子(ぼさつし)。喫飯来(きっぱんらい。飯を食べなさい)」。そして手を打って大笑した。日々かくの如くであった。後にある人が言った。「かくの如くなりといえども、金牛これ好心にあらず」

出典「景徳伝灯録巻八、鎮州金牛和尚」「碧巌録七十四則、金牛飯桶」

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