萩谷由喜子 著
『ひとり5分で読める ピアニスト おもしろ雑学事典』
2008年4月1日 潟с}ハミュージックメディアより刊行
定価1680円(税込)
2013年10月1日 潟с}ハミュージックメディアより文庫本化
1冊でわかるポケット教養シリーズ として、装いも新たに刊行
定価950円(税別)
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『クラシックのピアニストたち』
ご挨拶
いたるところで花々と出会える季節がやってきました。
一昨年来カタツムリの歩みでペンを進めてまいりました新著『ひとり5分で読める ピアニストおもしろ雑学事典』も長い冬篭り期間があけて、春の到来とともにようやくヤマハミュージックメディアより刊行の運びとなりました。
十八世紀の初めにピアノという楽器が誕生してからこんにちまでに、星の数ほどのピアニストがピアノ音楽の歴史に足跡を刻んできました。その天の川のような大河を初期から現代までたどってみると、各時代に現われた傑出した個性はその時代を映す鏡である一方、歴史に名を残したほどのピアニストはみな汎時代性をそなえていたことに思い至り、改めて畏敬の念を禁じえません。
そんな彼、彼女たちを点描的にとりあげながらピアニストの天の川を現代までつなぎたい、というのが本書の当初の趣旨でしたが、描きたいピアニストがあまりにも膨大な数にのぼったため、物語として一話構成するピアニストは23人に絞り、別に318人のピアニストのミニ評伝をまとめさせていただくことになりました。つまり本書は、23人のピアニストのおもしろ伝記を集めた第1部と、古今のピアニスト318人の名鑑を収載した第2部から構成されています。第1部にはほかにコラム10話、第2部にはピアニストの師弟系譜図3編、メジャー・コンクールの歴代上位入賞者一覧表なども収載して資料的価値の拡充を図りました。ですから、読み物として通読していただくもよし、お好きなピアニストのページから読んでいただくもよし、座右に置いてこのピアニストってどんな人だっけ?というとき手を伸ばしていただくもよし、というのが本書のポイントです。
また、以前の二著でもお世話になった遠藤賢一画伯を今回もおわずらわせして、ピアニストたちの似顔絵とコラムにあわせた一コマ漫画を描いていただいたのですが、これがじつにユーモアとファンタジーに満ちた楽しい絵柄。ぜひとも、本文ともども味わっていただければ嬉しく存じます。
では、第1部でとりあげた23人のピアニストの顔ぶれを表紙の似顔絵に沿ってご紹介いたしましょう。
おもて表紙、タイトル左側の6人は上から順に
フランツ・リスト 1811-1886
フレデリック・カルクブレンナー 1785-1849
小山実稚恵 1959-
マルタ・アルゲリッチ 1941-
イグナツィ・ヤン・パデレフスキ 1860-1941
ハンス・フォン・ビューロー 1830-1894
おもて表紙タイトル下の2人は左から
ムツィオ・クレメンティ 1752-1832
カール・チェルニー 1791-1857
おもて表紙タイトル右側の6人は上から順に
エレーヌ・グリモー 1969-
ユンディ・リ 1982-
グレン・グールド 1932-1982
アルトゥール・ルービンシュタイン 1887-1982
ウラディーミル・ホロヴィッツ 1903-1989
クラウディオ・アラウ 1903-1991
うら表紙、後列の4人は左から順に
フェルッチョ・ブゾーニ 1866-1924
テレサ・カレーニ 1853-1917
ヨーハン・ネーポムク・フンメル 1778-1837
スヴャトスラフ・リヒテル 1915-1997
うら表紙、前列の5人は左から順に
アレクサンダー・ガヴリリュク 1984-
マイラ・ヘス 1890-1965
ジョン・フィールド 1782-1837
パウル・ヴィトゲンシュタイン 1887-1961
アルフレッド・コルトー 1877-1962
日本人ピアニストとして唯ひとりご登場をお願いした小山実稚恵さんには本書のためのインタビューにも快く応じていただき、長年第一線でご活躍なさるエネルギーの秘密を垣間見させていただくことができました。まことに感謝に堪えません。
音楽を愛するお一人でも多くのみなさまにご高覧いただけますことを心より願っております。
公明新聞に紹介されました !
2008年5月21日付 公明新聞の芸能欄に本書が紹介され、「・・・便利な音楽事典としても手元に置きたくなる1冊だ」とのご推挙をいただきました。
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