戸田和光 編
例によって、私は山村美紗の著書を系統だって読んでいない。
そんな私が、今回このリストを作ってみようと思ったのは、例によって、山村美紗ほどの作家に、単行本未収録の短編などあるのだろうか、という単純な興味からである。特に売れっ子になってからは、単行本にする前提ですべての作品が書かれていた印象があるし、初期の短編もその後ほぼ単行本にまとめられていたからだ。よく一緒に語られる西村京太郎と同じで、さすがに全部単行本になっているんだよね――ということを確認してみたかったのである。
従って、例によって、今回のリストも先行のリストを継ぎ接ぎして纏め上げただけである。それで今回の目的は達せられるはず、と思っていたからだ。――が。
予想に反して、山村名義の短編集に収録されていない作品がいくつかあることを知る。要するに、山村ほどの作家であっても、決して作品リストありきで短編集が作られてきた訳ではない、ということなのだろう。逆に云えば、これ以外にも、まだ単行本未収録の作品があるに違いない……。
――そのため、今回は、年代を辿ったリスト形式ではなく、短編集ありきでのリストにしてみた。あくまで、短編集から書誌を辿った結果のまとめ、という趣旨からである。ご了解いただきたい。
誤記等のお粗末なミスがありましたら、ご指摘ください。
短編集タイトル | タイトル | 初出誌 | 初出年月 | 初出題 など |
死体はクーラーが好き | 殺意の河 | 小説推理 | 1975年1月 | |
血の鎖 | 推理界 | 1970年7月 | ||
歪んだ相似形 | 別冊問題小説 | 1975年4月 | ||
憎しみの回路 | 小説推理 | 1975年4月 | ||
ストリーカーが死んだ | 別冊小説宝石 | 1974年7月 | ||
死体はクーラーが好き | 増刊小説サンデー毎日 | 1971年6月 | ||
殺意のまつり | 残酷な旅路 | 小説宝石 | 1974年11月 | |
恐怖の賀状 | 小説宝石 | 1975年3月 | ||
五〇パーセントの幸福 | 小説推理 | 1976年3月 | ||
黒枠の写真 | 別冊問題小説 | 1976年7月 | ||
死者の掌 | 別冊小説宝石 | 1976年2月 | ||
孤独な証言 | 別冊小説クラブ | 1976年6月 | ||
殺意のまつり | 小説推理 | 1974年2月 | ||
幻の指定席 | 幻の指定席 | 小説宝石 | 1976年6月 | |
死人が夜ピアノを弾く | 月刊小説 | 1977年5月 | ||
密会のアリバイ | 月刊小説 | 1978年6月 | ||
新幹線ジャック | 月刊小説 | 1978年1月 | ||
不用家族 | 小説推理 | 1977年9月 | ||
小さな密室 | 別冊小説現代 | 1976年10月 | ||
危険な忘れ物 | オール讀物 | 1978年2月 | ||
京都殺人地図 | 少女は密室で死んだ | 問題小説 | 1977年9月 | |
偽装の殺人現場 | 問題小説 | 1978年1月 | ||
消えた配偶者 | 問題小説 | 1978年9月 | ||
水仙の花言葉は死 | 問題小説 | 1979年4月 | ||
几帳面な殺人者 | 問題小説 | 1979年9月 | ||
溺れた女 | 問題小説 | 1980年4月 | ||
首のない死体 | 問題小説 | 1980年7月 | ||
骨の証言 | 問題小説 | 1980年10月 | ||
京都の祭に人が死ぬ | 華やかな殺意 | 週刊小説 | 1979年5月 | |
祇園祭殺人事件 | 週刊小説 | 1980年7月 | ||
くらやみ祭に人が死ぬ | 小説推理 | 1978年6月 | ||
鞍馬の火祭 | 週刊小説 | 1979年9月 | ||
なぜにあなたは京都で死ぬの? | 週刊小説 | 1977年6月 | ||
鬼法楽殺人事件 | 週刊小説 | 1980年2月 | ||
節分殺人事件 | 小説推理 | 1981年2月 | ※1 | |
時代祭りに人が死ぬ | 週刊小説 | 1978年8月 | ||
目撃者ご一報下さい | 偽装の回路 | 小説推理 | 1982年2月 | |
その日、あなたは死亡し… | 小説推理 | 1981年2月 | ||
虹への疾走 | 小説現代 | 1978年12月 | ||
人気作家の秘密 | 小説宝石 | 1980年10月 | ||
京都・映画村殺人事件 | 小説現代 | 1980年3月 | ||
人形寺殺人事件 | 週刊小説 | 1980年11月 | ||
尼僧殺人事件 | 問題小説 | 1980年12月 | ||
椅子とりゲーム | 問題小説 | 1977年3月 | ||
青い札束 | 小説宝石 | 1977年7月 | ||
死ぬ前に電話を! | 推理文学 | 1973年12月 | ||
目撃者ご一報下さい | 推理界 | 1967年9月 | ||
花の寺殺人事件 | 棺の中に藤の花を | 週刊小説 | 1982年4月 | |
芙蓉の花は血の色 | 週刊小説 | 1982年8月 | ||
彼岸花が死を招く | 週刊小説 | 1981年11月 | ||
桜の寺殺人事件 | 週刊小説 | 1981年4月 | ||
死化粧は菊の花 | 週刊小説 | 1982年12月 | ||
石楠花の咲く寺 | 週刊小説 | 1983年4月 | 不倫の信号 | |
月下美人殺人事件 | 週刊小説 | 1983年8月 | ||
桔梗寺の殺人 | 週刊小説 | 1983年10月 | ||
花嫁は容疑者 | 竜神祭りの殺人 | 問題小説 | 1981年6月 | |
冷泉家の羽子板 | 問題小説 | 1982年2月 | ||
黒髪殺人事件 | 問題小説 | 1982年11月 | ||
花嫁は容疑者 | 問題小説 | 1982年8月 | ||
三千万円の花束 | 小説推理 | 1983年2月 | ||
愛のメッセージ | 問題小説 | 1983年4月 | ||
埋葬された都 | 問題小説 | 1983年7月 | ||
テレビモニター殺人事件 | 問題小説 | 1983年11月 | ||
京友禅の秘密 | 京友禅の秘密 | 書き下ろし | 1983年11月 | |
哲学の小径の少女 | 別冊小説宝石 | 1983年5月 | ||
謎の新聞広告 | 小説新潮 | 1982年10月 | ||
エアロビクスは死の匂い | 小説現代 | 1983年8月 | ||
十条家の惨劇 | 別冊小説宝石 | 1983年9月 | ||
華やかな密室 | 華やかな密室 | 別冊婦人公論 | 1983年7月 | |
夜の不死蝶 | 別冊婦人公論 | 1983年10月 | ||
死の同伴者 | 別冊婦人公論 | 1984年1月 | ||
花のアリバイ | 別冊婦人公論 | 1984年4月 | ||
三十三間堂の矢殺人事件 | 三十三間堂の矢殺人事件 | 小説現代 | 1982年1月 | 三十三間堂の矢 |
偽装の棺 | 小説宝石 | 1983年4月 | ||
危険すぎた浮気 | 別冊小説宝石 | 1982年12月 | ||
長い髪の女 | 小説現代 | 1983年4月 | ||
ハートの指輪 | 別冊婦人公論 | 1982年7月 | ||
聰明な殺意 | 別冊婦人公論 | 1980年7月 | ||
凶悪なスペア | 小説新潮 | 1980年8月 | ||
こちら殺人現場ですが | 猿を抱いた少女 | 小説宝石 | 1980年3月 | |
獣医殺人事件 | 小説宝石 | 1982年2月 | ||
真紅のマニキュア | 別冊小説宝石 | 1979年5月 | ||
愛の罠 | 別冊婦人公論 | 1982年10月 | ||
三通の遺言状 | 小説推理 | 1984年1月 | ||
消えた脅迫者 | 小説宝石 | 1981年1月 | ||
こちら殺人現場ですが | 小説新潮 | 1981年6月 | ||
乳房のない死体 | 新幹線プレイ | 小説春秋 | 1979年3月 | |
麻美のB地点 | 小説春秋 | 1981年4月 | ||
甘美な罠 | 週刊小説 | 1982年1月 | 女の罠 | |
愛の誤算 | 素敵な女性 | 1979年8月 | ||
危険な遊び | 小説春秋 | 1978年8月 | ||
愛のキャンセル待ち | 月刊カドカワ | 1983年5月 | ||
乳房のない死体 | 小説宝石 | 1979年9月 | ||
ミス振袖殺人事件 | 京絵皿の秘密 | 別冊小説宝石 | 1983年12月 | |
呪われた密室 | 小説現代 | 1984年1月 | ||
ミス振袖殺人事件 | 小説現代 | 1984年5月 | ||
針供養殺人事件 | 小説宝石 | 1984年2月 | ||
割りこんだ殺人 | オール讀物 | 1984年4月 | ||
京菓子殺人事件 | 別冊小説宝石 | 1984年5月 | ||
都おどり殺人事件 | 舞妓殺人事件 | 小説新潮 | 1983年2月 | |
夏の密室殺人事件 | 小説新潮 | 1983年10月 | 熱い密室 | |
都おどり殺人事件 | 小説新潮 | 1984年3月 | ||
舞妓水揚げ殺人事件 | 小説新潮 | 1985年2月 | ||
浮舟殺人事件 | 小説新潮 | 1985年6月 | ||
京都旅行殺人事件(共著) | 京都旅行殺人事件 | 小説宝石 | 1982年3月〜5月 | ※2 |
悪魔の賭 | 小説宝石 | 1978年2月〜4月 | ※3 | |
京都絵馬堂殺人事件 | 京都顔見世殺人事件 | 小説宝石 | 1985年2月 | |
豪邸の相続人 | 小説宝石 | 1986年8月 | ||
京料理殺人事件 | 小説宝石 | 1986年2月 | ||
ベストドレッサー殺人事件 | 小説新潮 | 1986年4月 | ||
ツタンカーメン王のえんどう豆 | 増刊小説新潮 | 1986年8月 | ||
四〇一号室の女 | 問題小説 | 1985年2月 | ||
京都絵馬堂殺人事件 | 別冊小説宝石 | 1986年5月 | ||
愛人旅行殺人事件 | 愛人旅行殺人事件 | 小説現代 | 1986年3月 | |
京都受胎旅行殺人事件 | 小説現代 | 1986年6月 | ||
京都見合旅行殺人事件 | 小説現代 | 1986年1月 | ||
京都婚前旅行殺人事件 | 小説現代 | 1986年7月 | ||
妻たちのパスポート | 妻たちのパスポート | 増刊週刊大衆 | 1984年7月 | |
死者の贈り物 | カッパまがじん | 1976年11月 | ||
変身 | 別冊問題小説 | 1976年4月 | ||
教科書 | 小説推理 | 1976年6月 | ||
眼には眼を! | 小説推理 | 1976年9月 | ||
豪邸の不用品 | 週刊小説 | 1977年9月 | ||
痣のある死体 | 月刊小説 | 1979年5月 | ||
札束の罠 | ルパン | 1981年7月 | ||
京都深泥ヶ池の殺人 | 小説宝石 | 1981年9月 | ||
女の罠 | 小説宝石 | 1982年9月 | ||
華やかな復讐 | 週刊小説 | 1984年1月 | ||
大阪国際空港殺人事件 | 大阪国際空港殺人事件 | 小説現代 | 1987年3月 | |
偽ダイヤ殺人事件 | 小説現代 | 1987年5月 | ||
二重底殺人事件 | 小説現代 | 1987年7月 | ||
京都紅葉寺殺人事件 | 京都紅葉寺殺人事件 | 増刊婦人公論 | 1985年11月 | |
柚子の寺殺人事件 | 増刊婦人公論 | 1986年12月 | ||
夕顔の寺殺人事件 | 別冊婦人公論 | 1987年7月 | ||
山茶花寺殺人事件 | 増刊婦人公論 | 1987年11月 | ||
胡蝶蘭殺人事件 | 胡蝶蘭殺人事件 | 増刊小説新潮 | 1987年7月 | |
宵桜殺人事件 | 小説新潮 | 1987年5月 | ||
恋人形殺人事件 | 恋人形殺人事件 | 別冊小説宝石 | 1987年9月 | |
京都小犬土鈴殺人事件 | 別冊小説宝石 | 1987年5月 | ||
泳ぐ宝石殺人事件 | 小説宝石 | 1987年7月 | ||
誕生パーティ殺人事件 | 小説City | 1987年8月 | ||
花嫁衣裳殺人事件 | 小説宝石 | 1987年2月 | ||
グルメ列車殺人事件 | グルメ列車殺人事件 | 小説現代 | 1988年8月 | |
アメリカ人の遺書 | 小説現代 | 1988年2月 | ||
ディーラー殺人事件 | 小説現代 | 1988年4月 | ||
キャピタルゲイン殺人事件 | 小説現代 | 1988年6月 | ||
恋の寺殺人事件 | 割りこんだ殺人 | <再録> | ||
一流ブランド殺人事件 | オール讀物 | 1985年1月 | ||
京都観光旅行殺人事件 | オール讀物 | 1985年9月 | 京都観光殺人事件 | |
恋の寺殺人事件 | オール讀物 | 1986年2月 | ||
京都白梅寺殺人事件 | 小説新潮 | 1986年1月 | ||
華やかな復讐 | <再録> | |||
京都・十二単衣殺人事件 | 女富豪密室殺人 | 別冊小説宝石 | 1989年5月 | |
京都堀川陣屋の殺人 | 増刊小説新潮 | 1988年8月 | 京都二条陣屋の謎 | |
特急列車は死を乗せて | 小説宝石 | 1988年9月 | ||
高瀬川旅情の死 | 別冊小説宝石 | 1988年5月 | ||
新聞広告の殺人 | 小説宝石 | 1988年4月 | ||
京都・十二単衣殺人事件 | 小説NON | 1988年6月 | ジュウニヒトエ殺人事件 | |
シンガポール蜜月旅行殺人事件 | シンガポール蜜月旅行殺人事件 | 小説現代 | 1989年5月 | |
バンコク熟年旅行殺人事件 | 小説現代 | 1989年7月 | ||
香港三角関係殺人事件 | 小説現代 | 1989年9月 | 香港トライアングル殺人事件 | |
京都貴船川殺人事件 | 京都貴船川殺人事件 | 別冊婦人公論 | 1988年7月 | 貴船川殺人事件 |
京都保津川殺人事件 | 別冊婦人公論 | 1989年7月 | 保津川殺人事件 | |
京都鴨川殺人事件 | 別冊婦人公論 | 1989年10月 | ||
赤い霊柩車 | 赤い霊柩車 | 小説新潮 | 1990年4月 | |
燃える棺 | 小説新潮 | 1990年6月 | ||
黒衣の結婚式 | 小説新潮 | 1990年8月 | ||
ラベンダー殺人事件 | ラベンダー殺人事件 | ミセス | 1990年10月〜12月 | |
紅梅屋敷の殺人 | 小説宝石 | 1990年3月 | ||
秋海棠の殺人 | 小説宝石 | 1990年10月 | ||
薔薇のアリバイ | 書き下ろし | 1991年4月 | ||
スターガザールの殺人 | 別冊小説宝石 | 1990年9月 | ||
紫水晶殺人事件 | 紫水晶殺人事件 | 小説現代 | 1990年6月 | |
琥珀ブローチの謎 | 小説現代 | 1990年12月 | ||
呪われたルビー | 小説現代 | 1990年8月 | ||
偽サファイアの謎 | 小説現代 | 1990年10月 | 偽サファイアの秘密 | |
流れ橋殺人事件 | 流れ橋殺人事件 | オール讀物 | 1991年1月 | |
竜の寺殺人事件 | オール讀物 | 1990年10月 | ||
閉ざされた声 | オール讀物 | 1991年4月 | ||
不倫の代償 | オール讀物 | 1991年6月 | ||
京都詩仙堂殺人事件 | 京都詩仙堂殺人事件 | 週刊小説 | 1984年8月 | |
恐怖の賀状 | <再録> | |||
その日、あなたは死亡し… | <再録> | |||
偽装の棺 | <再録> | |||
残酷な恋人 | 増刊婦人公論 | 1984年11月 | ||
ブラックオパールの秘密 | ブラックオパールの秘密 | 小説現代 | 1991年6月 | |
盗まれたエメラルド | 小説現代 | 1991年8月 | ||
飾りじゃないのよ真珠は | 小説現代 | 1991年10月 | ||
トパーズの伝言 | 小説現代 | 1991年12月 | ||
殺人予告はリダイヤル | 殺人予告はリダイヤル | オール讀物 | 1991年8月 | |
死の誕生パーティ | オール讀物 | 1991年10月 | ||
新春鳥取旅行の殺人 | オール讀物 | 1992年1月 | ||
雛祭り殺人事件 | オール讀物 | 1992年3月 | ||
向日葵は死のメッセージ | 向日葵は死のメッセージ | 小説宝石 | 1991年7月 | |
枝垂れ桜殺人事件 | 小説宝石 | 1992年5月 | ||
福寿草の殺意 | 小説宝石 | 1992年1月 | ||
弟切草の秘密 | 小説宝石 | 1992年7月 | ||
華やかな誤算 | 二つの墓標 | 小説新潮 | 1991年3月 | |
見知らぬ招待客 | 小説新潮 | 1991年11月 | ||
婚約者は死者 | 小説新潮 | 1991年8月 | ||
華やかな誤算 | 小説新潮 | 1992年4月 | ||
伊良湖岬の殺人 | 越前岬の殺人 | 小説すばる | 1990年6月 | |
足摺岬の殺人 | 小説すばる | 1991年10月 | ※4 | |
襟裳岬殺人事件 | 小説すばる | 1990年12月 | ||
伊良湖岬の殺人 | 小説すばる | 1992年7月 | ||
故人の縊死により | 故人の縊死により | 問題小説 | 1984年6月 | |
不自然な溺死体 | 問題小説 | 1992年7月 | ||
テレホンカード殺人事件 | 問題小説 | 1986年2月 | ||
名神高速殺人事件 | 問題小説 | 1986年11月 | ||
告発の手紙 | 問題小説 | 1992年10月 | ||
レンタル家族殺人事件 | レンタル家族殺人事件 | オール讀物 | 1992年8月 | |
ポールポジション | オール讀物 | 1992年10月 | ||
代理母殺人事件 | オール讀物 | 1992年6月 | ||
冷凍された殺意 | オール讀物 | 1993年1月 | ||
卒都婆小町が死んだ | 卒都婆小町が死んだ | 小説現代 | 1992年12月 | |
京都清閑寺殺人事件 | 小説現代 | 1992年6月 | ||
楊貴妃殺人事件 | 小説現代 | 1993年2月 | ||
一条戻り橋殺人事件 | 小説現代 | 1992年10月 | ||
猫を抱いた死体 | 猫を抱いた死体 | 小説新潮 | 1992年6月 | |
消えた配偶者 | 小説新潮 | 1992年8月 | ||
血の鎮魂歌 | 小説新潮 | 1992年12月 | ||
死を呼ぶカーディガン | 小説新潮 | 1993年4月 | ||
札幌雪まつりの殺人 | 札幌雪まつりの殺人 | オール讀物 | 1993年3月 | |
博多どんたくの殺人 | オール讀物 | 1993年5月 | ||
恐山大祭の殺人 | オール讀物 | 1993年7月 | ||
阿波おどりの殺人 | オール讀物 | 1993年9月 | ||
十二秒の誤算 | 十二秒の誤算 | 小説現代 | 1993年4月 | 不倫殺人十二秒の誤算 |
鳥取旅行の罠 | 小説現代 | 1993年11月 | ||
家出した死体 | 小説現代 | 1994年1月 | ||
初恋の人を探して | 小説現代 | 1994年3月 | ||
長良川鵜飼殺人事件 | 長良川鵜飼殺人事件 | 野性時代 | 1993年7月 | |
嵯峨野トロッコ列車殺人事件 | 野性時代 | 1993年11月 | ||
小京都酒田殺人事件 | 野性時代 | 1994年3月 | ||
足摺岬の殺人 | 野性時代 | 1994年6月 | ※4 | |
毎月の脅迫者 | 毎月の脅迫者 | 小説新潮 | 1993年6月 | |
殺しの乱数表 | 小説新潮 | 1993年10月 | ||
偽りの遺留品 | 小説新潮 | 1993年12月 | ||
灰色の容疑者 | 小説新潮 | 1994年4月 | ||
殺人を見た九官鳥 | 盗聴できない殺人 | 小説宝石 | 1994年8月 | |
松山旅行のアリバイ | 小説宝石 | 1994年1月 | ||
京都やすらい祭の殺人 | 小説宝石 | 1994年5月 | ||
殺人を見た九官鳥 | 小説宝石 | 1994年3月 | ||
寒がりの死体 | 寒がりの死体 | 問題小説 | 1993年8月 | |
謎の焼死体 | 問題小説 | 1994年2月 | ||
都井岬の殺人 | 問題小説 | 1994年6月 | ||
殺された婚約者 | 問題小説 | 1994年8月 | ||
博多絞殺死体の謎 | 問題小説 | 1994年4月 | ||
ポケットベルに死の予告 | ポケットベルに死の予告 | オール讀物 | 1994年5月 | |
姫路ロケの密室 | オール讀物 | 1994年1月 | ||
チャリティ・オークションの殺人 | オール讀物 | 1995年4月 | ||
新幹線からの手紙 | オール讀物 | 1994年7月 | ||
仮装パーティ殺人事件 | オール讀物 | 1996年7月 | ||
京都・函館殺人事件 | オール讀物 | 1996年1月 | ||
大江山鬼伝説殺人事件 | 多すぎる容疑者 | 小説新潮 | 1994年7月 | |
赤ん坊は他人 | 小説新潮 | 1995年8月 | ||
大江山鬼伝説殺人事件 | 小説新潮 | 1995年12月 | ||
化粧した死体 | 小説新潮 | 1996年4月 | ||
双子の棺 | 小説新潮 | 1996年8月 | ||
竜飛岬殺人事件 | 竜飛岬殺人事件 | 小説すばる | 1994年1月 | |
向日葵は死のメッセージ | <再録> | |||
京都観光旅行殺人事件 | <再録> | |||
京都見合旅行殺人事件 | <再録> | |||
長い髪の女 | <再録> | |||
単行本未収録? | かんにんして | 週刊文春 | 1976年12月 | |
高価な花瓶 | Delica | 1977年5月 | ||
本当の子どもはだーれ? | 北国新聞 | 1984年1月 | ||
業平祭りの殺人 | 増刊婦人公論 | 1990年12月 | ||
高齢の使用人 | 小説新潮 | 1996年1月 | ||
輪島朝市の殺人 | 小説宝石 | 1996年9月 |
※1:初出題は「その日、あなたは死亡し…」。このタイトルに改題されて単行本に収録後、初出題で『目撃者ご一報ください』に再収録された。このため、本書の文庫本版ではカットされている。編集ミスか分からないが、「節分殺人事件」というタイトルの作品を無理して読む必要がないのは間違いない。
※2:西村京太郎とのリレー小説。
※3:斎藤栄、小林久三とのリレー小説。
※4:同タイトルの別作品か未確認。初出誌も別なので、ここでは別作品としている。普通は、初出では同タイトルであっても、単行本収録時に改題するものだとは思うのだが……(山村にも「女の罠」という例がある。片方は、リストにもある通り「甘美な罠」と改題された)。
単行本初収録の作品が収録された短編集のみを掲げた。従って、再編集である『愛のキャンセル待ち』、『三千万円の花束』、『五〇パーセントの幸福』の3冊は、含んでいない。また、再収録作品については、作品リストとしての分かりやすさを優先して、初出誌の項に“<再録> ”と入れた。
その上で、改めて未収録と思われる作品を眺めてみる(私が確認不十分の可能性はあるので、表中では“単行本未収録?”としてみた)。
急逝した年に発表された2作は、一冊にまとめる分量がなく、短編集にならなかったもの――とも考えられるが、同じようなコンセプトで『竜飛岬殺人事件』がまとめられているので、他に理由があるのかも知れない。むしろ、「高齢の使用人」は、ショートショートであるため、とするべきか。
新聞の元旦号に掲載された「本当の子どもはだーれ?」は挿絵を見て真相を当てる推理クイズなので、短編集に入らなかった可能性が高い。良くも悪くも、山村は長編型の作家で、ショートショート作品が殆どなかったのは間違いなかろう。(とはいえ、今後見つかるとしたらショートショートの可能性が高そうだが)
そういった意味で、実際に単行本未収録と呼べるのは、3編というべきか。「かんにんして」は、作品内容もあわせて、初期の官能色の濃い未単行本化作品を集めた『乳房のない死体』に収められても不思議はなさそうだが、洩れてしまったようだ。「高価な花瓶」は、発表誌からして、忘れられてしまった作品なのかも知れない。一方の「業平祭りの殺人」は、掲載誌が中絶し(厳密には変な表現だが、《婦人公論》の推理小説特集としての増刊は、この年が最後だったようだ)、続編を書くタイミングを失してしまったものだろうか……(念のために、補記。読み比べてはいないが、本編は狩矢警部ものなので、長編の『在原業平殺人事件』とは無関係の作品とみて、ここに並べている)。
さて、これらの作品が刊行される日は来るのだろうか?
戸田和光