戸田和光 編
戦後間もなくデビューした純本格派の代表格として知られたで、一時期は鮎川哲也がそのアンソロジーの中で繰り返し触れるなどされていた作家だが、一般向けの著書がなかったこともあって、現在では、殆ど忘れられている気もする。そんな訳で、まとまった作品リストも見たことがないので、現時点で私が認識したものをまとめてみた。デビュー時期も考えると、カストリ雑誌にもう少し執筆している可能性もあるが、さすがに確認は難しいだろう。
岩田の作家像としては、大人向けの本格ミステリ短編(『魔像の告白』も含めて良いだろう)のほかに、少年向けのSF作品についても触れなければいけないのかも知れない。昭和26年以降は、このジャンルの作品の方が多いからだ。ただ、これらは少年向けの読物雑誌に掲載されたものが大半で、なかなか確認ができない。こちらについては、全貌に縁遠い出来なのは確かだが、一般誌(紙)に掲載されたものだけをまとめている。
気がついたことがあれば、下記のアドレス宛てにご指摘くだされば幸いです。
gokusiteki.shuuishu@gmail.com (@を半角に修正してください)
| タイトル | 雑誌・書籍名 | 掲載年月 | 連載終了年月 | 備考 |
| 砥石 | 宝石 | 昭和22年4月 | ||
| 撞球室の幽霊 | 宝石 | 昭和22年9月 | ||
| 運命のわな | サン写真新聞 | 昭和22年9月16日 | 昭和22年11月1日 | |
| 潜水兜 | 旬刊ニュース | 昭和22年11月 | ||
| 無限信号事件 | 探訪 | 昭和22年12月 | 昭和23年1月 | |
| 風車 | 黒猫 | 昭和23年1月 | ||
| 鎮魂曲殺人事件 | 別冊宝石 | 昭和23年1月 | ||
| 蔦の家の事件 | 増刊 週刊朝日 | 昭和23年4月 | ||
| 絢子の幻覚 | 別冊旬刊ニュース | 昭和23年5月 | ||
| テニスコートの殺人 | 別冊宝石 | 昭和23年7月 | ||
| 日時計の家 | 小説 | 昭和23年7月 | ||
| 恐ろしきイートン帽 | 影 | 昭和23年7月 | ||
| 花壇に降った男 | 探偵新聞 | 昭和23年9月15日 | 昭和23年9月25日 | |
| 船室の死体 | 講談と小説 | 昭和23年10月 | ||
| 歌を唄う質札 | 別冊宝石 | 昭和24年1月 | ||
| 青いトランク | オール大衆 | 昭和24年2月 | 「里見夫人の衣装鞄」に改題 | |
| ユダの遺書 | 宝石 | 昭和24年10月 | ||
| 山女魚 | 小説倶楽部 | 昭和24年10月 | ||
| 天意の殺人 | 宝石 | 昭和25年1月 | ||
| 死の標灯 | 宝石 | 昭和25年7月 | ||
| 奴隷船ベナベンテ号 | 楽園 | 昭和29年9月 |
| タイトル | 新聞名 | 連載開始年月日 | 連載終了年月日 | 備考 |
| カメレオン島の秘密 | 岐阜タイムス | 昭和30年5月12日 | 昭和30年12月9日 | 少年向け絵物語 |
| 魔像の告白 | 内外タイムス | 昭和31年11月22日 | 昭和32年1月22日 |
| タイトル | 雑誌・新聞名 | 掲載年月日 | 備考 |
| くるみ割り人形の秘密 | 学童新聞 | 昭和23年8月6日 | |
| 松葉づえの怪人 | 中学生の友付録 | 昭和24年2月 | |
| のぞく青鬼 | 中学生の友 | 昭和24年3月 | |
| 赤屋敷の秘密 | 小学五年生 | 昭和24年9月 | |
| 四聖館のふしぎ | 小学五年生 | 昭和25年10月 | |
| 西部の冒険 | 別冊宝石 | 昭和27年5月 | |
| 月船の不思議な乗客 | いばらき | 昭和31年1月3日 | |
| 地底の火星人 | 時事新聞 | 昭和32年1月1日 | |
| 消えた火星ロケット | 福島民友 | 昭和34年1月7日 |
<少年少女譚海>や<探偵王>に20編以上のミステリやSFがあるのは承知しているが、全貌が把握できていないので、今回ははずした。
また、明らかな科学啓蒙読み物は省いたが、読切掌編は他にあるかと思われる。
戸田和光