症状別の住宅改造 

   本人や介護者の生活にあった住環境

 
   障害者の住宅改造・改修の理由として[生活上の不自由][安全性]等がありますが、各々の
   疾患の持つ様々な症状があり、またその程度も個々に異なります。床の段差や手摺を付けた
   り、住宅改修工事が必要以上に大掛かりになり、うまくいかなかったという例があります。
   生活環境整備は個々の症状・状態の杷握、介助者を考慮して生活状況に合うよう心掛けたい。

 
    
 1.脳血管障害

     2.脊髄損傷の障害

     3.慢性関節リュウマチ

     4.パーキンソン病

     5.骨折



   障害による部位の違い

 


片麻痺         対麻痺        四肢麻


    肢体の障害は上肢(腕と手)下肢(脚と足)体肢(胴体から首)に分けられます

     ・片麻痺 (片側の上肢と下肢に同時に麻痺が生じた状態)

     ・対麻痺 (両下肢に麻痺が生じた状態)  

     ・四肢麻痺(両方の上下肢、四肢全てに麻痺が生じた状態) 

      *健側(麻痺が発生していない方の半身)



   1.脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血等)

 

 疾患の特性

 
 ・急激に意識障害や神経症状出る。損傷された脳の場所と程度によって症状が多様
  で個々に異なる。
 ・運動障害として主に片麻痺を起こすが、両側麻痺を起こすこともある。
 ・感覚麻痺、高次脳機能障害(失認・失行・失語)等を伴うことが多い。

 対 応

 ・健側(麻痺が発生していない半身)を使い伝い歩きや、つかまり歩きを身につけ生活
  に慣れるようにする。
 ・介護者が高齢な配偶者で介護力が乏しいことも予想されるため、介護者に福祉用具
  の活用も考える。
 ・在宅生活から様子をみて生活上の問題がより明確になってから改装プランをする。

 高次脳機能障害  認識できる方向へ動くことで、移動時の安全を考慮する。


     
     


  
  
 2.脊髄損傷

 

 疾患の特性

 ・脊髄の損傷部位より症状が異なり、上部で頭に近いほど症状・障害が重い。
 ・胸・腰髄損傷者は両手が使えて車椅子駆動ができ,日常生活での動作能力が高い。
 ・頸髄損傷者は両上肢の麻痺が重く、日常生活に全面的に介助が必要とされることが
  多い。

 対 応

 ・車椅子の移動、乗り移り動作、日常生活の介助方法を把握してから改装する。 

 膀胱直腸障害  長時間トイレを使用するので排便姿勢や便器形状に配慮が必要。

 



   3.慢性関節リュウマチ

 

 疾患の特性

 ・全身の関節に痛み、腫れ、こわばりがあり、対照的(手足の両方の関節に発生する)
  に症状がでる。
 ・進行性の症状

 対 応

 ・諸条件によって痛み等の関節の負担を、手摺等の環境整備により改善できるかを
  検討する。
 ・居室,浴室等に暖房機器の設置により、温熱効果による血行障害を改善。

 変形・拘縮 把手、水栓金具はレバー式等にして指先でなく、手全体で操作できる
          ようにする。    


       



   4.パーキンソン病

 

 疾患の特性 

 ・手足が細かく震えたり、こわばり、動作が緩慢なり症状が進むと小刻み歩行から、
  すくみ足や動き出すとすぐ止められなくなり、バランスを崩すと転倒することが多い。 
 ・進行性の症状

 対 応

 ・つまずきやすいので、段差の解消や床材料の配慮、歩行経路を短く単純にしたい。
 ・進行性なので車椅子の使用を考慮し日常生活を把握しながら改善する。 

 立ちくらみや便秘等の自律神経症状や精神症状現れる。

 


   5.骨折

 

 疾患の特性 


 ・骨折の多くは高年齢者の転倒によって生じます。
 ・動く範囲が狭まり、無理な動きは痛みが生じる。

 対 応

 ・つまずきやすいので、段差の解消や床材料の配慮、手すり等により痛みや関節の
  負担を改善する。

 ・助骨骨折   ……転倒した時に起りやすい
 ・脊髄圧迫骨折……しりもちをついた時起こりやすい
 ・恥骨骨折   ……しりもちをついた時起こりやすい
 ・大腿骨頸部骨折横に転倒した時起こる 

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