製造仕様書(標準仕様))
1. まえがき プレジャーボートの個人所有はなかなか難しい問題があるが、ボート遊びの愉しむ にはレンタルボートで経験できると家族の理解も得やすい。 企画する4.8mレンタルボートはキャンピングカーに近いコンセプトで愉しめる小型 ハウスボートとして企画する。 時代背景としては環境に配慮しAI技術も応用し、標準モデルは電気推進を採用する。 2. 一 般 “HB16”は平水区域の航行に必要な小型船舶安全規則及び関連諸規則を満足する。 2-1 主 要 目 全長Loa 5.46m 全長LT 4.80m 全長LR 4.32m 全幅Boa 2.00m 全幅BT 1.96m 全幅BR 1.95m 全深Doa 0.88m 全深DT 0.87m 全深DR 0.86m 全高Hoa(プロペラ下端からルーフ上端航海灯まで) 2.54m 全高Hdf(喫水線からルーフ上端航海灯まで) 2.10 m 最大喫水(プロペラ下端まで) 0.42m 定員 クルー2名+オブザーバー3名(合計5名) 総トン数 5トン未満 完成重量(トレーラブルの場合) 500kg未満 軽荷排水量 計画 690kg程度 重荷排水量 計画 900kg程度 最大速力(軽荷25PSx1) 計画 約19kt 最大速力(重荷25PSx1) 計画 約17kt 最大速力(軽荷1.8KWx2) 計画 約7kt 最大速力(軽荷1.8KWx2) 計画 約7kt 燃料タンク容量 約25リッター 清水タンク容量 50リッター バッテリー容量(電気推進の場合) 10KWH 航続時間(50% 出力12KT)25PS船外機の場合 約5時間 航続距離(25% 出力 8KT) 25PS船外機の場合 約150km
3. 構 造 本船の主な構造材料はFRP、PVC発泡材、ラワン合板、アルミ合金等である。 FRP成型品は次の通りである。 (1)ハル (2)上部構造 (3)内張ライナー類(ハルライナー、シーリングライナーなど) (4) コンソールボックス (5) ハッチ類 (6) 関連するFRP艤装品 これらの成型品は部分的にサンドイッチ板やフレーム等で補強され、最終的に 接着及びボルトで組立あるいは接合される。 3-1 ハル 船体はポリエステル樹脂およびガラス繊維を使用したFRP構造である。 主構造はFRP製メス型内で一体成形された外板、縦及び横フレーム、隔壁、 ストリンガー、ブラケット等から成る。 3-1-1 隔壁およびフレーム及び縦通フレーム(ロンジ) 96cm間隔でフレームを設け、BHD1およびBHD2は特設フレームとして部分 的にアルミプレートで補強する。 BHD1、BHD2およびBHD3は水密構造とする。 また縦方向には2本の縦通フレーム(ロンジ)を設置する。 3-1-2 各フレーム間の補強 各フレーム間の外板はFRPでカバーリングした50x50ハット型発泡材で補強 する。 3-1-3 船側外板の補強(ストリンガー) 船側外板はFRPでカバーリングした50x50ハット型発泡材で補強する。 3-1-4 不枕区画の設定 BHD2〜3より前方の喫水線下の水密区画内は発泡ウレタンで充填し不枕構造 とする。 3-2上部構造及び甲板 上部構造はメス型内で一体成形され、艤装取付け部はラワン合板(同等品) を芯材とするサンドイッチ構造で、それ以外の場所は軽量化のため芯材を発 泡材とするサンドイッチ構造とする。 出入り口などの開閉ハッチは剛性が必要なので金属あるいはカーボンファイ バーで補強した補強材も使用する。 3-2-1 上部構造外板の補強(ストリンガー) 上部構造外板はFRPでカバーリングした25x25ハット型発泡材で補強する。 3-3 室内構造 室内構造に関するFRP構造品や天井の一部はFRPメス型内で一体成形される 内張り構造である。 これらはハルや上部構造に固着または接着して組立てる。 電線等の一部は天井などの内張構造を接着する際に同時に組込む。 3-4 防音、防熱 外部からの振動、騒音を防ぐ為、ドア等の構造には配慮する。 ギャレーの冷蔵庫や温水タンクの周囲は現場発泡の断熱材で充填する。 3-5 外部塗装 (1)ハル外板(喫水線上) ゲルコート (2)ハル外板(喫水線下) 船底塗料(係留保管の場合) (3)甲板外板 ゲルコート (4)キャビン外板 ゲルコート 一部ウレタン塗装
4. 機関艤装 HB16は数種類のモデルを設定し、太陽光発電と大容量リチウムイオン電池を組合 せて電動船外機による環境重視電気推進モデルを推奨する。 巡航速力10KT以上のモデルはガソリン船外機1基と入出港及びクルージング用電 動船外機と汎用発電機1.6KWを搭載する。 4-1 TYPE1 電動船外機仕様 1.8KW電動船外機(巡航時は75%出力で使用する) 2基 リチウムイオン電池 10KWH 4-2 TYPE2 25PSガソリン船外機仕様 日本製船外機 25PS/5500RPM x 1基 4サイクル2気筒ガソリン機関 4-3 TYPE2 8PSガソリン船外機仕様 日本製船外機 8PS/5500RPM x 1基 4サイクル2気筒ガソリン機関 オプション電動船外機(1.2KW) 1基 4-4 オプション汎用発電機 非常用発電機として1.6kWの汎用ガソリン発電機を搭載する。 4-5 燃料系統 燃料タンク区画には25リッター相当の既製品またはFRP製燃料タンクを設置し、 推進機関に供給する。 汎用発電機の燃料はセットの燃料タンクを使用する。 4-6 燃料タンク区画換気通風装置 区画の換気は自然換気とする。
5. 操縦装置 5-1 電動船外機仕様 船尾コクピットで船外機のティラー部分で出力と方向を操作する。 (オプションとして出力制御と操舵装置を組合せた制御装置を開発する。) 5-2 ガソリン船外機仕様 ガソリン船外機用はメーカー標準部品(同梱部品)を搭載。 5-3 電動船外機用制御装置(オプション) ガソリン船外機用はメーカー標準部品(同梱部品)を搭載 6. 電気艤装 本艇はDC12V、24V電源装置とAC110V交流電源装置を装備する。 6-1 電源装置 (1) 直流電源(DC12V) a)機関計器類 b)航海機器類 c)一部照明装置 d)小動力装置 e)船内通信装置 (2) 直流電源(DC24V) 電動船外機用はDC24V推進用リチウムイオン電池(10KWH)を使用する。 DC24Vバッテリーは室内110V電装品用の2〜3KWインバータにも給電す る。 (3) 交流電源 居室内の交流電力は推進用バッテリーからDC-ACサイン波インバータ (2〜3KW程度)を介した110V交流電源で次の装置に給電する。 a)室内エアコン(オプション) b)電子レンジ(オプション) c)電気ポット(オプション) d)冷蔵庫(オプション) e)オーディオ装置(オプション) f)室内照明装置 (4) バッテリー a) 電動船外機用および非常用発電機用 DC24Vリチウムイオン電池(5KWH) 2組 b)ガソリン船外機用 DC12V-105Aディープサイクルバッテリー 1個 (5) 充電装置 a)DC24V系充電装置 ソーラーパネル(50W) 8枚 ソーラーコントローラー 2台 b)1.6KW持ち運び発電機 1台 c)240Wマリン用充電器 2台 (6) 陸電 マリーナ陸電(100V-20A)のコネクターに合わせた受電口を右舷後部に 設置する。 陸電ケーブル長さは5〜10m程度。6-2 電気艤装品 (1)後部コクピット出入口付近 防水スイッチ(DC12V) 1 天井灯(DC12V-LED5W) 1 防水コンセント(DC12V) 1 陸電コネクション(防水AC100V) 1 (2)前部キャビン 天井灯(DC12V-LED5W) 2 室内灯スイッチ(AC100V) 1 コンセント(AC100V)左舷 1 コンセント(AC100V)右舷 1 室内灯(AC100V-LED20W) 2 室内壁灯(AC100V-LED10W) 2 (3) 後部バース 天井灯(DC12V-LED5W) 2 室内灯スイッチ(AC100V) 1 コンセント(AC100V)左舷 1 コンセント(AC100V)右舷 1 室内灯(AC100V-LED20W) 2 デッキウォッシュポンプスイッチ(DC12V) 1 デッキウォッシュポンプ(DC12V-50W) 1 (4) ギャレー 室内灯スイッチ(DC12V) 1 コンセント(AC100V) 1 グリルファン(AC100V-10W) 1 天井灯(DC12V-LED5W) 1 室内灯(AC100V-LED40W) 1 ビルジポンプスイッチ(DC12V) 1 ビルジポンプ(DC12V-50W) 1 電子レンジ(AC100V-1000W)OP 1 電気ポット(AC100V-1250W)OP 1 冷蔵庫(AC100V-40W) 1 (5) 化粧室 室内灯スイッチ(DC12V) 1 天井灯(DC12V-LED5W) 2 排水ポンプスイッチ(DC12V) 1 排水ポンプ(DC12V-50W) 1 マリントイレ(DC12V-400W) 1 室内灯スイッチ(AC100V) 1 防水室内灯(AC100V-LED10W) 1 換気ファン(AC100V-10W) 1 コンセント(AC100V) 1 (6)前部コクピット 室内灯(AC100V-LED10W) 2 (7) その他 航海灯スイッチ(DC12V) 1 停泊灯スイッチ(DC12V) 1 両色灯 (DC12V) 1 停泊灯 (DC12V) 1 ホーンスイッチ(DC12V) 1 ホーン(DC12V -80W) 1 清水ポンプ(DC12V -30W) 1 ロープロッカー灯(DC12V-LED5W) 17. 計器及び警報装置 (1)機関計器及び警報装置 計器及び警報装置は各機関の標準装備品を使用する。 (2)その他の計器及び警報装置 清水タンク容量計(オプション) 18. ビルジ及び排水装置 8-1 自然排水装置 コクピット床、ギャレー排水、ギャレーシンク排水、トイレルームシンク 排水は直接船外へ排出する。 8-2 非常排水装置 手動排水装置の故障に備え持ち運び式手動ポンプ及び持ち運び式電動ポン プを装備する。9. 室内冷暖房装置(op) メインキャビンには市販小型冷房機を設置する。10. 甲板艤装 (1)上部構造前部 係船ロッカー 1、 クリート(200L) 2 清水フィラー 1、 キャビンドアウインドウ(強化ガラスt5) 2 コーナウインドウ(アクリルガラスt5)1S (2)ハル前部 バウアイ 1 (3)上部構造中間 ハンドレール 2、 サイドウインドウ(強化ガラスt5)4 (4)後部コクピット コンパニオンハッチ(一式) 1S、コンパニオンドア一式 1S クリート(200L) 2, バウアイ 2 ルーフ(オプション) 1S、ロッカーハッチ(600x600) 1 船外機ブラケット 1S11. 室内艤装 11-1キャビン出入口 (FRPライナー仕上げ) 壁天井のFRP内面:乱点仕上げ塗装またはクロスを貼る。 ステップ(1段):t15合板塗装仕上げ 出入口ドア:開き戸(FRPサンドイッチ板) 11-2キャビン内 壁と天井の一部:(FRPライナー仕上げ) FRPライナー以外の部分:乱点仕上げ塗装またはクロスを貼る。 シートクッション1式:ウレタン厚さt80程度 サイドシェルフ:化粧合板、チークトリム材とクロス内張 壁:壁紙を貼る。 サイドボード、ロッカー:FRP構造に表面材接着&トリム材 11-3 後部バース 壁と天井の一部:(FRPライナー仕上げ) FRPライナー以外の部分:乱点仕上げ塗装またはクロスを貼る。 バースクッション1式:ウレタン厚さt80程度 サイドシェルフ:化粧合板、チークトリム材とクロス内張 11-4 ギャレースペース ギャレーベース:天板と仕切り壁はFRP型仕上げ、一部チークトリム材と クロス仕上げ シェルフ、ロッカー:化粧合板、チークトリム材とクロス内張 フォーシット 1、シンク(SUS304,300x300) 1 カセットコンロ(OP) 1、電子レンジ(OP)(700W) 1 冷蔵庫(OP) 1 11-5 化粧室 化粧室出入口ドア:(FRPサンドイッチ板) 洗面台ユニット: FRP製 トイレベース:FRPハルライナーと一体 壁及びドア:FRPハルライナーと一体 シェルフ、ロッカー:化粧合板t9と檜根太25x25 電動トイレ(DC12V) 1、 フォーシット 1 シンク(SUS304,300x400) 1、 ミラー 1 ソープボックス 1、 シャワーユニット 1 仕切りカーテン 一式、 排水ユニット 一式12. 消防設備、救命設備及び係船設備 本艇は小型船舶安全規則による消防設備、救命設備及び係船設備を装備する。 12-1 消防設備、安全備品 メインキャビン 持ち運び式粉末消火器 1 消火バケツ 1、黒球 3 12-2 救命設備 救命胴衣 5、救命浮環 2 12-3 係船設備 アンカー 5kgx2、 アンカーロープ φ10×30m×2 係船ロープ φ10×20m×2、ボートフック 2 12-4 備 品 時計 1、救急箱 1 双眼鏡 1、海図 1 国旗 1、合鍾 113. 航海機器 打ち合わせの上決定