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JIS規格他資料6
202.-32/49 工作機械試験方法通則-第1部:幾何精度試験(JIS B 6190:2016)
10.4 軸平均線の交差度
10.4.1 一般

 複数の回転軸をもつ工作機械においては、それらの軸は、互いに平行又は直交していることが多い。複数ある回転軸が平行でない場合、直接的又は間接的に公差する点を測定する必要がある。直接測定する場合は、複数の軸のうち少なくても一つの軸を代表する精密な基準器を用いる。

104.2 直交する軸平均線の交差度
 基準球は、複数ある回転軸の一つに取り付け、もう一つの回転軸の軸平均線の所定の位置で、その回転軸の軸平均線を代表するように調整し、心出しをする。変位計は、もう一つの回転軸に取り付け、その測定子を基準球に当てて測定する(図70参照)。両方の軸平均線に直交した方向において変位計の読みから得られた最良適合円の中心は、二つの回転軸間の距離を表す。
 次に示す代替方法を使ってもよい。

a) 変位計を球に当てて、一つの軸を180°回転させる。
b) 次にもう一つの軸を180°回転させる。
c) 変位計は、軸平均線が交差するためには同じ値をとることが望ましい。

  1 第一回転軸(主軸)
  2 主軸の軸平均線
  3 第二回転軸(回転テーブル)
  4 第二回転軸の軸平均線

  5 基準球
  6 初期位置にある変位計
  7 途中の位置にある変位計

 図70-直交する軸平均線の交差度

                          

10.4.3 直交しない軸平均線の交差度
 平行でない(かつ、直交していな)二つの軸の交差度は、その二つの軸を代表するテストバー間で得られた測定値を用いて求めることができる。この方法は、追加平面を用いて二つの軸の等距離度を測定する方法と同じである(12.3.3参照)。この測定は、テストバーを、それらの軸に平行な平面内で平らな面をもつように適切に加工した二つの円筒と置き換えれば、より簡単になる。測定値は、交差度の誤差を求めるために二つの平らな面間で読み取る(図71参照)。図71に表す例は、円すい研削のための旋回といし軸頭に該当する。

10.4.4 間接測定
 間接測定は、別に置いた基準面、例えば、二つの軸に平行に定置した精密定盤を用いて行ってもよい。測定値は、基準面からそれぞれの軸について求め、比較する。

  1 主軸1
  2 主軸1の軸平均値
  3 旋回ヘッド
  4 旋回ヘッドの主軸の軸平均線

  5 基準面
  6 変位計取付具
  7 テストバー1
  8 テストバー2

  9 測定装置1の変位計
 10 測定位置2の変位計

 図71-直交しない軸平均線の交差度

11.1 一般
 この箇条は、数値制御工作機械の位置決め精度と同様に作業空間内の輪郭精度を推定し評価する、迅速で効率的な方法について規定する。輪郭精度は、多軸運動に関連する様々な誤差要因(真直度誤差、直角度誤差など)の影響を受ける。運動試験は、これら誤差要因が組み合わさった結果を観察する方法の1つである。多軸運動試験は、一度の測定で複数の軸の様々な誤差要因を観察することができ、しかも比較的容易に実施できるため、定期的な検査及び衝突などの予期しない事情が発生した後の精度確認にも使用できる。

11.2 直線軌跡
11.2.1 一般

 二つ以上の直進軸を同時制御して、作業空間内の直方体の対角線又は面の対角線に沿って直線上を移動運動させたときの位置決め誤差又は真直度誤差運動を測定して、その偏差を記録し評価する。

11.2.2 対角位置決め試験
11.2.2.1 一般

 対角位置決め試験は、数値制御工作機械の空間精度を迅速に評価するために行う。工作機械の完全な空間精度の試験は、難しく時間のかかる作業である。対角位置決め試験は、空間精度試験に要する時間と経費とを低減することができる。
  注記 完全な空間精度試験では、例えば、作業空間内の任意の位置での三つの位置誤差及び三つの角度誤差の測定
     が必要となる。
 対角位置決め試験、すなわち、作業空間における直方体又は面の対角線に沿った位置決め試験は、複数軸の運動試験になる。測定器の校正及び評価方法は、JIS B 6196による。実際の作業空間によりも小さな縮小空間について試験を行った場合は、測定結果に“縮小空間”で行ったことを記載しなければならない(JIS B 6196参照)。

11.2.2.2 面の対角位置決め試験
 試験方法は、変位測定を直進軸と平行な方向で行うのではなく工作機械の座標面の対角線に沿って行うこと以外、それぞれの直進軸(JIS B 6190-2参照)の位置決め試験とおおむね同じである。

11.2.2.3 直方体の対角位置決め試験
 試験方法は、変位測定を直進軸と平行な方向に行うのではなく工作機械の作業空間における直方体の対角線に沿って行うこと以外、それぞれの直進軸(JIS B 6190-2参照)の位置決め試験とおおむね同じである。                         


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