戦略労務第399号(2026/8)
イントロダクション
大暑も土用も過ぎて8月に入りました。熊本県では10年前と同規模の大きな地震がありました。今回はガス爆発事故まで起きてしまいました。まだまだ余震に備えなければなりません。先月は社会保険算定基礎届の関係で大変お世話になりました。おかげで無事終了しました。「戦略労務」第399号をお届けします。今回も参考になれば幸いです。
★労災保険特別加入のおすすめ
労災特別加入とは中小事業主等及び一人親方その他の自営業者を対象にした制度です。
すなわち一般の労働者以外の方に労災保険を適用させるための制度なのです。
したがって、業務に関連した事故や疾病に限り適用され、経営に関する業務などで生じたものには適用されないわけです。
中小規模企業の事業主等の場合
労災保険は、本来、労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度ですが、労働者以外でも、その事業の規模、業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方には特別に任意加入を認めています。これには加入申請が必要ですが時期を問わずいつからでも申請が可能です。
様々な業種の中で一番加入者が多いのは建設業だと思われます。その理由として建設業の場合は労災保険対象者と雇用保険の対象者を別々に分けて保険料を計算する必要があるからです。一般の業種では労災保険も雇用保険も対象となる賃金を同額で計算できますが、建設業は工事が元請会社から下請会社まで多段階層になっています。これにより労災保険は元請企業だけが保険料計算をして納付し、一時下請以降には保険料納付義務はありません。労災事故が発生した場合に元請の労災を使うと聞いたことがあると思います。
通常は下請け専門の会社では労災保険に加入できません。かといって元請で工事を行う可能性が絶対にないとは言い切れませんので、元請工事があることを前提に役員を特別加入させている場合もあるわけです。ただし、使用人兼務役員として使用人を兼ねている場合は、使用人分賃金は労災保険対象賃金になりますから特別加入の対象にしなくて良いと考えます。
中小事業主等として労災特別加入(いわゆる現場労災)をすることにより、工事現場や現場までの移動時また自宅と作業場が離れていればその移動時にも労災が適用されます。しかし現場労災という名のとおり作業場や事務所内などでケガをした場合には事務所労災に加入していないと適用されません。事務所労災にも特別加入することになるのです。
建設業以外でも中小企業で一般労働者と同様の作業をすることがある場合には労災特別加入をお勧めします。民間の障害保険にも良いものがありますが、労災が適用されれば治療費用は全額無料で治癒するまで続きます。その他にもきめの細かい給付が定められていてとにかく安心です。

