戦略労務第397号(2026/6)
イントロダクション
今年も6月に入り関東地方も梅雨入り宣言となりました。上場会社の決算発表が盛んに行われていますが、最近の株価は相変わらず高いようです。
「戦略労務」第397号をお届けします。参考になれば幸いです。
★在職老齢年金制度の改正について
働いて賃金を得ながら年金を受け取る方を対象とする、在職老齢年金制度。令和8年(2026年)4月から基準額が引上げられ、働きながらでも老齢厚生年金を受け取りやすくなりました。「まだまだ働きたい」「ライフスタイルに合わせた働き方をしたい」といった思いを後押しします。
〇在職老齢年金制度とは?
「年金は65歳以上から受け取ることができる」ということはご存じかと思います。では、働きながら年金を受け取る場合、「賃金と老齢厚生年金を調整する仕組み」があることをご存じですか?
働きながら年金を受け取る予定で、かつ収入の多い方に知っておいていただきたいのが、在職老齢年金制度です。
〇働く高齢者が対象の制度
会社員や公務員として働く方は、原則65歳から老齢厚生年金を受け取れます。働きながら老齢厚生年金を受け取る方の賃金と老齢年金の合計が一定の基準額を超える場合、超えた額の半分の老齢厚生年金が支給停止される制度です。
一定額以上の収入を得ている方の老齢厚生年金を調整することで、制度を支える側に回っていただく仕組みです。なお、老齢基礎年金は調整の対象にはなりません。
〇“もっと働きたい”をかなえる内容に見直し
令和7年度(2025年度)は、老齢厚生年金が支給停止となる基準額は月51万円でしたが、在職老齢年金制度の見直しにより、令和8年度(2026年度)は月65万円に引き上げられました。
働きたいという希望を持つ方がより働きやすくなるよう、今回の在職老齢年金制度の見直しが行われました。
これにより、働きながら老齢厚生年金をこれまでより多く受け取れる方が増えます。例えば、ひと月の賃金+老齢厚生年金の合計金額が56万円の場合、これまでは基準額超過分の半額の2万5千円が老齢厚生年金から支給停止となっていました。(5万円の2分の1の額)
それが、令和8年度(2026年度)は基準額が65万円に引上げられたため、老齢厚生年金は全額支給となります。一年間で換算すると、老齢厚生年金の支給額が30万円増えることになります。
既に老齢厚生年金を受給しながら働かれている方はもちろん、まだ年金を受け取る年齢に達していない現役世代の方も、自分らしい老後の働き方を考える上で、在職老齢年金制度について是非知っておいてください。

