戦略労務第395号(2026/4)

イントロダクション

 さくらの花が満開で散り始めています。春も本番の気候になりました。
「戦略労務」第395号をお届けします。今号では4月からの130万円の壁についてお知らせします。

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★4月から変更 「130万円の壁」緩和へ

 4月から社会保険の「扶養認定」に関するルールが変更されました。
パートやアルバイトなどの給与所得者の年収が130万円を超えると扶養から外れて社会保険料(国民年金・国民健康保険)を支払わなければならなくなり、手取りが減ってしまう「130万円の壁」ですが、4月から緩和されました。

原則として「実績」ではなく「労働契約書」に記載の基本給がベースになる
 これまでの「扶養認定」は、残業代を含めた「収入実績」で判断されていたため、忙しい時期に残業をして一時的に収入が増えることで、扶養から外れてしまい、社会保険料を払わなければならなくなる可能性がありました。

 しかし新ルールでは、「実績」ではなく「労働契約」の内容が重視されるようになります。 具体的には、労働契約書に記載された基本給に基づく年間収入の見込みが130万円未満であれば、原則として扶養に入ることができます。(130万円は60歳以上等であれば180万円、19歳以上23歳未満であれば150万円と読み替える)

 ここでポイントとなるのが「残業代」(時間外労働)の扱いであり、想定外の残業によって一時的に年収が130万円を超えてしまったとしても、契約上の金額が基準内であれば、社会通念上妥当な範囲として扶養認定が維持されるようになります。残業代は臨時収入として扱うわけです。
 また、「通勤手当」はこれまでどおり収入に含まれるため、基本給と手当を合わせて基準を超えないよう注意が必要です。今後は、扶養申請時に「直近3カ月の給与明細」ではなく、「労働条件通知書」や「雇用契約書」の写しが必要となります。

 労働契約内容によって年間収入を判定することにした趣旨として、厚生労働省は、
「就業調整対策の観点から、被扶養者認定の予見可能性を高めるため、労働契約段階で見込まれる収入を用いて被扶養者の認定を行うこととした」旨、回答しています。

 労働契約内容によって年間収入が判定できない場合、労働契約内容が確認できる書類の提出がない場合などは労働契約内容ではなく給与明細書等により判定することになります。

 労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったけれども、扶養認定時点では経常的に時間外労働が発生している場合であっても、今回の扱いにより年間収入を判定することになります。

 なお、被扶養者の認定は年1回程度必要なので労働条件通知書等は更新が必要です。

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