公開資料03

資料名/第二次大戦航空機メーカーロゴマーク集 第3.1版 ドイツ航空機メーカー解説追加バージョン

The Logo & history of German military aircraft manufacturers 

主要メーカーだけ先行公開。

11/2 掲載ページ追加。

2020年3/15 旧版

 

改定版準備中 104/157社(2019.6.30現在) 調査難航。

2020年8/9主要メーカー掲載

ロゴ
logo
メーカー名
maker
解説 備考
アラド(Arado) 
(略号 Ar)
・1925年創立の練習機、水上機メーカー。大手だけど、割と地味な存在なのはそのため。
ただし、ドイツ軍機フリークには、大戦末期に登場した、世界初の実用ジェット爆撃機Ar-234で知られている。
 
バイエルン発動機製作所(BMW)
(略号 -)
・ドイツを代表する航空機エンジンのメーカーとして有名。大戦中はジェットエンジンも開発した。
航空機開発では、親子巨人爆撃機計画の主メーカーとして知られている他、空飛ぶ円盤「フリューゲラート」Ⅰ~Ⅲの試作に関与していたことが知られている。
 
ドイツ滑空機研究所(Deutsche Forschungsanstalt für Segelflug)
(略号 DFS)
・世界初の実用ロケット戦闘機に至る無尾翼機の研究等で知られる。リビッシュの他、有人宇宙機の元祖Silbervogelの構想で知られる、オイゲン・ゼンカーも所属していたことがある。  
ゴータ(Gothaer)
(略号 Go)
・機関車や戦車などの重車両製造企業ゴーテール車両製作所(GWF ※№48)の航空機部門。
航空機では、DFS-230グライダー、ホルテン兄弟の開発した全翼戦闘機Go229(H0-9)の生産受注メーカーとして知られる。
 
ドルニエ(Dornier)
(略号 Do)
・WWⅠの飛行船メーカー・ツェッペリンから、1918年分離独立して生まれたメーカー。
大戦中は、飛行艇、Do-17等の爆撃機を設計量産した。大戦末期に完成した串形双発戦闘機Do-335「プファイル」が注目される。
 
バイエルン(Bayerische)
(略号 Bf)
※メッサーシュミット社の前身
・ドイツを代表する戦闘機Me-109は、Bf-109として表記される場合があるが、その理由は、前身がバイエルン社だったから。HaとBVも似たような関係。似たロゴなので、なんとなく関係があることはわかるはず。
 
ハインケル(Heinkel) 
(略号 He)
・世界初のロケット機、ジェット機を誕生させた革新的実力のメーカー。爆撃機などの量産で貢献したものの、戦闘機開発でナチスから不当に評価されたことで知られる。
HeS.011ジェットエンジンの開発、そして国民戦闘機He162の開発生産で知られる不遇のメーカーである。
なお、ナチス円盤ModelⅡにBMWとともに関わった企業であるともいわれる。
 
バッへム (Bachem)
(略号 Bw)
・有人ロケット攻撃機「ナッター」の製造企業。
大戦末期、エーリッヒ・バッヘム技師の提案した同機の計画を実現するために作られた小規模の会社。大戦終結とともに消滅した。
 
ピュッカー(Bücker) 
(略号 Bu)
・スウェーデンのSAAB社を創立したピュッカーが、祖国ドイツへ戻って1923年に創立した。ドイツ軍再建のための練習機を数多く開発生産したメーカーである。  
フィゼラー(Fieseler) 
(略号 Fi)
・巡行ミサイルの元祖V1(Fi-162、有人機もある)のメーカーとして有名。WWⅠのエースパイロットが1930年に創立。大戦中はV1の他、他社の戦闘機の下請け生産にも取り組んだ。なお、円盤翼機As-6の開発支援をしたメーカーともされている。  
フォッカー(Fokker) 
(略号 -)
・1910年創立。WWⅠの撃墜王リヒトホーフェン(通称レッドバロン)の愛機フォッカー Dr.Iのメーカーとして有名。1919年オランダへ移転した。
フィンランドと侵略したソ連との間起こった「冬戦争」で活躍したD21は、同社開発の機体。
 
フォッケウルフ(Focke-Wulf) 
(略号 Fw)
・ドイツを代表する戦闘機Fw-190のメーカー。下請メーカーを使った巧みな量産能力でも知られる。大戦末期には、「トリュプフリューゲル」で知られるVTOL戦闘機の構想を練っていたらしいが、詳細は不明。
注)ロゴは外円付きと、無しがある。
 
ブローム・ウント・フォス(Blohm & Voss) 
(略号 Bv)
・1877年創立の造船機械メーカー。1933年に航空機部門の子会社Haを作り、そこで水上機や飛行艇を生産した。同社のフォークト技師設計による奇怪なデザインの試作、計画機体は、かなり有名。個人的に好みではある。  
ヘンシェル(Henschel) 
(略号 Hs)
・鉄道・機関車メーカーを母体として、1933年に創設された。母体の戦車メーカーとして存在感が大きかったためか、同社を代表する機体は、対戦車地上攻撃機Hs-129だと思う。また、ジェット急降下爆撃機Hs-132の試作や、ミサイルの開発でもかなりの成功を収めている。  
ホルテン(Horten) 
(略号 Ho)
・全翼機研究のパイオニアであるホルテン兄弟のロゴ。
大戦末期に完成目前までいった未来的デザインのジェット全翼機(Ho9、Go229で生産)の存在で有名。
また、原爆搭載アメリカボマーHo18計画もあった。
 
メッサーシュミット(Messerschmitt)
(略号 Me)
・大戦末期に登場した双発ジェット戦闘機Me-262、ロケット戦闘機Me-163で有名。
大戦末期には、可変後退翼機など様々な先進的デザインの計画機が存在していたことで知られる。
 
ユンカース(Junkers) 
(略号 Ju)
・1895年創立。ナチスが創業者を追放して、国有化した企業。急降下爆撃機Ju-88「スツーカ」で有名。
大戦中は、ジェットエンジンの開発と量産にも取り組んだ。試作前進翼ジェット機Ju-287や、ニューヨーク偵察を敢行したとされるJu-390の存在など、可能性を秘めた機体の存在でも注目される。
 
クレム(Klemm) 
(略号 Kl)
・1926年創立の個人向け軽飛行機製造会社。
第一次大戦末に、空軍向け生産で業績を上げ、1938年にはK135練習機を生産、一部は4ケ国へ輸出した。
 
スコダ・カウバ(Skoda -Kauba )
 (略号 Sk)
・チェコの火砲、自動車メーカー。他のドイツ航空機メーカーとほぼ同列に扱われる存在。同社のオットー・カウバー技師が1942年に創立し、飛行爆弾SKV1の開発を始める。大戦末期の奇怪なラムジェット計画機Sk-P14の開発で知られる。  
ジーベル(Siebel)
(略号 Si)
・1937年創立。前身は、クレム航空機ハーレ/ザーレ社。Si204が代表作だが、会社はJu88、Ju188の量産に手いっぱいで、フランスのSNCAやチェコで生産するという形になった。
注)№31「ハレ」参照
 
ダイムラー・ベンツ(Daimler-Benz )
(略号 -)
・航空機エンジンメーカーだが、BMW、Fw社とともに航空機開発で、親子巨人爆撃機計画を立てていた。
なお、同社のつくる自動車はすべて、「メルセデス・ベンツ」ブランドとされていて、社名と混同しがち。
 
フォッケ・アハゲリス(Focke-Achgelis)
(略号 Fa)
大戦中に多数のヘリコプターを試作研究したことで知られる。また、VTOL機Fa269の開発計画でも知られる。
フォッケウルフ社のハインリヒ・フォッケが1937年に独立して設立した会社。
 
ハンブルガー航空機(Hamburger)
 (略号 Ha)
・B&V社の航空機部門の子会社として、1933年に創立された。創立から1938年までは、Haが略号として用いられていたが、以降は同社内での通称に合わせてBvが用いられるようになった。
ただし、B&V社製航空機の実質的生産を担っていたメーカーである。
 
ツェッペリン(Zeppelin) 
(略号Z)※ZSOとも
・社名は、戦前の飛行船で有名。1922年にドルニエが生まれる母体となった。巨人輸送機「ギガント」をZMe328として生産した実績がある。秘密研究所との混同もある。(FGZ参照)大戦末期の計画機「ラマー」でも知られる。この他、秘密兵器・対空機雷V-7「フォイエルバル(火の玉)」等のメーカーであるとされていて、謎だらけ。  
アゴ―(AGO)   
(略号 Ao)
・1911年創立。WWⅠ大戦後倒産したが、ナチスの手で再建された。大戦中は、Me-109やFw-190の量産を受け持った。同社が設計したのは、Ao-192くらいで、重戦闘機計画のAo-225は、後にドイツ航空省に付与番号を回収され、Fa225として使われた。  
リピッシュ(Lippisch) 
(略号 Li)
・企業ではなく、DM-1で知られるデルタ翼機研究のパイオニア的設計技師のマーク。その他、無尾翼機や地面効果翼機、ラムジェット機などの研究でも知られる。奇怪な試作VTOL機コリンズ エアロダインは、戦後の作品。
※№73「ミュンヘン大学航空工学研究所」参照
 
オペル(Opel)
(略号 -)
・自動車メーカー。1920年代後期のロケット動力自動車、ロケット機Rak-1の開発で知られる。
大戦前にGM(米)の子会社となったが、ナチスより権利を放棄させられ、ドイツ軍用車両、そして中型爆撃機Ju-88のエンジン量産を行うメーカーとなった。なお、ナチスと米企業の協力関係は、戦争中も続いていた。
 
ウィナーノイシュタット(Wiener-Neustadter)
(略号Wn)※WNFとも
・オーストリアの飛行機メーカー。大戦中は、Me109のライセンス生産を行った。大戦末期、空飛ぶ円盤など、変なところで名前が出てくる不思議なメーカー。  
タンク(Tank) 
(略号 Ta)
・Fw190等でフォッケウルフ社を代表する設計技師クルト・タンクのサイン。社章ではない。大戦末期に、設計者の冠詞をつけることが名誉略号として認められたことによる。Ta-152は大戦中の最強戦闘機の一つ。  
ハレ(Haller )
(略号 Fh)
・クレム社が設置した分工場が発展し、1934年に創設された。フェッハー技師の下に設置された設計局は、双発軽輸送機Fh104を開発した。1937年に株式買収され、ジーベル社となったがFh104は、その後1942年まで生産された。  
キール航空機(Kiel.)  
(略号 Fk)
・大戦中、Me163のロケットエンジンを開発したワルターが、独立前に所属していた会社。親会社は造船所。  
ヒュッター(Hutter)
(略号 Hu)
・グライダーメーカー。設計技師・ウルリッヒ・ヒュッター(Ulrich Hütter)の冠詞。Hütter 136が注目される。
注)ロゴ不明。機体表示マークを掲載
 
アルバトロス(Albatros)
(略号 Al)
・WWⅠの主要航空機メーカー。第一次大戦中は1万機も戦闘機を生産した。
1932年にFw社に合併吸収されたが、多数の同社機が現存していたため、記号が残された。
※初期ロゴ→後期ロゴ(復元)へ変更
 
ゲッピンゲン(Göppingen)
(略号 Gö)
・推進式プロペラ実験機Gö9の製造メーカー(シェンプ=ヒルト社)が、当時立地していた地名に由来する。
当時の社名は、「シュポルトフルークツォイクバウ・ゲッピンゲン」(SFG)。
 
フレットナー(Anton Flettner GmbH )
(略号 Fl)
・1935年創立の小型ヘリコプターメーカー。
海軍向けに世界初の実戦ヘリ FL 282を開発したことで知られる。
 
エルラ・マシンショップ(Erla-Maschinenwerk、GmbH Erla)
(略号 -)
・1934年ライプツィヒに創立。戦前、軽飛行機をいくつか開発した。大戦中は、Me-109を量産した。戦後は連合国より軍需工場と認定され、解体処分されて消滅。  
ヴェーザー(Weser Flugzeugbau)
(略号 We)
・ブレーメンのUボート造船所として有名。偵察用ジャイロ凧FA-330を200機生産した他、ティルト・ローター式の計画機We・P1003の開発研究を行った。
3つの企業の複合体らしい。→ロールバッハ(※№95)参照
 
ドブルホフDoblhof(WNF)
(略号 -)
・WNF 342は、オーストリアのFriedrich von Doblhoffによって開発された、世界初のチップジェット推進ヘリコプターである。メーカーはWN(※№28)。
※機体表記再現。大戦末期になると開発設計技師の名前を冠した機体が増えてくる。ロゴはめったにない。
 
ファルツ航空機製造会社
(Pfalz Flugzeugwerke)
・第一次大戦で航空機を開発生産したメーカー。1913年創業とされる。大戦後、設備等はフランスに没収されるなどして倒産。しかし、航空機修理会社として再建され、第二次大戦中は、他社の航空機を量産したとされる。  
ロールバッハ金属飛行機
(Rohrbach)
・1922年創立。軽合金製応力外皮構造を持った航空機を設計していた。取り外し可能なマストを持ち、帆が張れる飛行艇などのデザインで知られる。1937年にヴェーザー社(※№81)に統合されたが、統計上では、大戦中も他社の航空機の製造を続けていたとされる。  
ルフト・ファールツォイク・ゲゼルシャフト
(L.F.G)
・飛行船メーカー。1908年創業。第一次大戦中は、「ローランド」の商標で軍用機を生産。大戦末期には、Fw190D13の生産を指定された。ごく少数機が完成したらしい。  
ウーデット
(Udet flugzeugbau gmbh)
・1921年創業。大戦前は、自社製機を製造していたが、統計上では、大戦中は他社の航空機を生産したとされる。
詳細不明。
 
カスパー
(Caspar-Werke AG)
・1921~1928年という短い期間だけ存在した航空機メーカー。…のはずだが、大戦に入ると(統計上)、軍用機の生産を手掛けていたことになっている。メーカーの併合等の詳細がよくわからない。戦争中、ナチスが古い企業を再建したということかもしれない。  
LVG ・大戦中、軍用機の生産を手掛けていたとされる古い航空機メーカー。
ますます詳細不明
 
セブラトゥング
(Sablatnig Flugzeugbau GmbH)
・大戦中、軍用機の生産を手掛けていたとされる古い航空機メーカー。詳細不明。メーカーが増える一方……。
※ロゴ?
 
ミメタル
(Mimetall)
・1936年創立の金属加工メーカー。大戦中は、Ka430グライダーの製造、航空機への兵装装備が中心だったが、末期になるとFw-190D9を325機も生産した。同社製造機は、つぎはぎ塗装で有名。正式名は、Mitteldeutsche Metallwerke G.m.b.H.(中部ドイツ金属工業社)※ロゴ確認要  
AEG
(Allgemeine Elektricitäts-Gesellschaft)
・電機関連企業アレジェマイン・エレクトリック社のR・シュミットが同軸2翔ローターを持った係留式ヘリコプターAEGヘリを試作した。地上の電源車から動力を送るという電気式ヘリで不採用になったが、コンセプトは対空機雷に通じるものがある。なお、同社は第一次大戦初期の航空機メーカーであり、第二次大戦中に赤外線暗視装置を開発したメーカーでもある。