おかやどかりの分類と見分け方
 
 日本に生息する(繁殖する)とされているおかやどかりは、オオナキオカヤドカリ(Coenobita brevimanus )、オカヤドカリ(C. cavipes)、コムラサキオカヤドカリ(C. violascens)、ナキオカヤドカリ(C. rugosus)、ムラサキオカヤドカリ(C. purpureus)、サキシマオカヤドカリ(C. perlatus)の6種類だ。さらに偶来種として和名が付けられているのがオオトゲオカヤドカリ(C. spinosus)とアカツキオカヤドカリ(C. pseudorugosus)。
 世界に眼を向けると、これ以外に8種のおかやどかりが確認されており、ヤシガニ(Birgus latro)を加えて17種類が「オカヤドカリ(Coenobitidae)」の仲間に分類されています。
 
 世界各地のおかやどかりの分布と潮流を重ね合わせると面白い傾向が読み取れるかもしれませんね。
 っで、わしが一番興味あるのは1993年にクリスマス島で見たおかやどかりの種類と起源だったりします。
 普通に考えて赤道付近は東から西への海流で、クリスマス島の東側には数千キロ以上にわたってこれといった島がないのである。まあ、クリスマス島に住んでいる人々の祖先がミクロネシアの島々からの移住だということから考えて、これらの島々からクリスマス島へ向かう流れが必ずあるはずなのじゃ!。
 
 っで、とりあえず日本にいるおかやどかりをどうやて見分けるか?
 とりあえずわし的な見分け方法を以下に書いておきます。ひょっとしたら間違っているかも知れませんが、まあ多少のことは大目にみてやってください。
 
 おかやどかりは眼柄の形でざっと3グループに分けることができます。
 まずは海ヤドと同じような断面の丸い棒状の眼柄を持ったオオナキオカヤドカリ。海から陸に上がったときの形をそのまま今に受け継いでいるのでしょう。ヤシガニも同様の眼柄を持っていますが、見間違える人はいないでしょう。
 次に眼柄の断面は四角で、付け根に行くほど細くなっているナキオカヤドカリ。このグループに入るのはムラサキオカヤドカリ、サキシマオカヤドカリです。サキシマオカヤドカリは眼柄を含めて全身真っ赤っかで脚の白い粒状突起が目立つので間違えることはないでしょう(っていうより、このヤド見つけることは滅多にないらしい)。ムラサキオカヤドカリは眼柄の下側にナキオカヤドカリのような泣きぼくろがありません。
 最後が眼柄の断面が四角で付け根が若干幅広になってるオカヤドカリ。コムラサキオカヤドカリがこのグループに含まれます。この二種は棲む場所が違うようで、オカヤドカリが海からやや離れた内陸寄りに棲んでいるのに対して、コムラサキオカヤドカリはマングローブの林に棲んでいるようです。
 
 まあ、こんな感じで見分けられるのかな?っと思っていますが、ペットショップで手に入るおかやどかりはほぼナキオカヤドカリとムラサキオカヤドカリの2種に限られるので、眼柄の下の色を見て見分ければ、狙って購入することが可能でしょう。また大型個体で鮮やかな青色〜紫色の個体はまずムラサキオカヤドカリと思って間違いないでしょう。
 えっ?宿貝に固く引っ込んでしまって眼柄の下側なんて観れない?そんな時はヤドに向かって「ふ〜」っと息を吹きかけてください。「なになに?今のなんなの?」って感じでのっそりと半身乗り出してくるはずです。
 
 色のバリエーションが楽しそうなのはナキオカヤドカリなのでしょうが、赤色の個体はシーズン初めにすぐに売れてしまうようでなかなかお目にかかれません。大抵が黒褐色〜緑褐色の斑模様ですね。それと、模様や色に拘って入手しても脱皮によって色が変わることが多いようで、購入時の色や模様がそのまま大きくなるまで続くわけではないようです。
 傾向として、宿貝の入り口付近の色、特に内側の色に対して保護色になってるような気がしますが、何と言っても我が家の3個体の記録と奄美や沖縄で観察した幼体の記憶かありませんのでこの説に関しては自信無しです。
 
20081216:up
 
 
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