石垣・西表島紀行
2001 3/8〜3/11
 
 
 3/8から3/11まで三泊四日の石垣・西表島旅行に行って来ました。
 メンバーは私(父ちゃん)と長男のせいくん(2歳),まま,そしてままの母(ばあちゃん)の4人。とてもゆっくり釣りに没頭できるとは思えないメンバーですがたまには家族サービスも大切?
 3/8は朝8時広島発のANKで石垣空港に飛び立ったのですが,風向きの関係でやや遅れて現地に着き,とりあえず日産マーチをレンタルし,バラビド?農園を見学し(ガイドブックでは無料になっていましたが行ってみると管理協力金として200円取られた),続いてジュマール楽園に昼食を摂りに行きました。ジュマール楽園は7年前に行ったときは高級洋食屋風だったのが,建物はそのままでメニューが大衆食堂並に安くなっていました。
 その後,八重山民俗園に行き,リスザルに餌をやったりして遊んで,3時頃,ヴィラ・フサキリゾートにチェックインしました。当初は夕方のビーチでトレバーリ狙いFFする予定だったのですが,超向風+高波のため釣りは諦め,翌日天気が回復することを願い昼寝で過ごしました。
 2日目,天気は良かったのですが,相変わらず強い北風が吹き,波の高さも3m以上有るとのことで,予定していた西表行きは3日目に延期。石垣島右回り観光に変更となりました。とりあえず家族サービスのため川平湾見学。続いて米原ビーチ。ここは7年前に釣りをしたところで,少し期待していたとおり,釣りOKの承諾を(むりやり)頂き,1時間ほど風と格闘しましたが,セージRPLX#10をもってしても何ともしがたい右前方からの強風で,結局1尾のチェイスも観ることなく諦めました。
 後はただ島の南側に回って宮良川河口で満上がりを狙うことに期待をかけ,見学を予定していた水産研究所も素通りし,ひたすらドライブ。玉取展望台からの景色は絶品でした。
 午後3時頃,宮良川河口に到着。まずは橋の右岸側のマングローブ林の際からスネまで泥に浸かって中州に渡り,セージRPLX#7に10Lbティペット+クレイジーチャーリー#6ブラウン/ゴールドでキャストを開始。家族はマングローブ林の中でカニと格闘し歓声を上げている中,ついに魚がヒット!でもすぐにバレてしましました。再度キャスト,興奮のあまり手元が狂い先ほどキャストしたところよりも2m位はずれたところにフライが落ちてしまい,気を取り直してまたキャスト!次の瞬間・・・ストライ〜ク!。ビデオに撮ってもらおうと,家族に向かって大声で「釣れたぞ〜!」と叫んだ次の瞬間・・・・あえなくラインブレイク・・。
 その後しばらく同じ場所で粘ったのですが全くストライクなし。潮がどんどん入って着始めたのでその場所は諦め,左岸側へ移動し河口〜海を狙うことに。しかし,アオサがかなり繁殖しており,チビトレバーリのチェイスが数度有ったのみで結局何もヒットしませんでした。
 フサキへ戻り,3日目の西表島でのレンタカーを予約し,夕食の後ビーチで夜釣りを試みましたが,風は弱くなったとは言え波が高く,あまり立ち込むことができず,ノーヒットのまま2日目は終了。
 3日目,朝8時30分の船に乗るために5時起き。しかしせいくんがだだこねてなかなか起きない。結局「船に乗れるよ,今日は昨日と違う車に乗れるよ」と乗り物で誘ってなんとか起きてもらい朝食を摂りに食堂へ。7時半ころフサキを出発し,日産レンタカーにマーチを勝手に預けて(日産レンタカーには事前に駐車場を使わせてもらう承諾は得ていました。)西表島大原港へ出発。本当は8時30分の船に乗る予定でしたが8時の船に間に合ったので予定より30分早く石垣島を出発。大原に車がまだ配車されていないのではないかと心配でしたが港には既に「****様」と書かれた三菱ランサーが配車されていました。それに乗ってやまねこレンタカー事務所へ向い,手続き。事務のお嬢さんが「お客さん,初めてじゃないですよね。以前に何度もうちに来ていませんか?」と私の顔を見ながら言うので正直に「西表は2度目です」と答えると,「じゃあ,2回とも私が担当したのかしら?」「・・・」。私が以前に訪れた時はやまねこレンタカーは借りていないので,単なるお嬢さんの勘違いなのでしょうがめんどくさいのでそのままほっときました。
 とりあえず古見のサキシマスオウノキ群落を観て(7年前に立派だと感動した老木は無惨にも根本から折れていました。人があまりに多く訪れて木の周囲の土が硬くなって枯れてしまったのでしょうか?),マングローブの大群落に再び感激し,家族を水牛車へ乗せるために由布島渡場へ。家族が水牛車に乗っている間にとりあえず父ちゃんは車で仮眠を取ったり散歩したりしてました。西表には黒牛と白鷺がよく似合う。
 家族は釣りがしたい私の気を察してか以外に早く由布島から帰ってきてくれ,高那ビーチにある西表温泉へ。ここでラッキーなことに,せいくんが車で熟睡し起きないため,とりあえずままとばあちゃんが交代でせいくんの番をしながら温泉に入り,その間自由に釣りができる時間が2時間も父ちゃんに与えられたのです。
 高那川(という川名かどうかは知らないが勝手にそう呼んでいます)河口まで車で送ってもらい,ビーチに降り,セージRPLX#7に10Lbティペット+クレイジーチャーリー#6ブラウン/ゴールドの定番セッティングで釣りを開始。風はやや強く右前方から吹いてくるが昨日程ではなく,ラグーン内は波もほとんど無い快適なコンディション。彼方のリーフエッジで砕ける波が白く輝く絶好のロケーション。しかし水温が思ったほど上がっておらず,ボラの稚魚が少し回遊しているだけで,岩礁にもコバルトスズメの姿は見えない。トレバリーの姿などかけらも見えない。膝まで水に浸かり30分ほど浅瀬をうろうろした頃,視界の端の10m程先の少し深いところの水面に白い魚影が跳ねた。「ボラ?」と思いながらも反射的に何とも言い難い正確なキャストが繰り出され、次の瞬間ラインがグン!と張りRPLX#7が一気に伸された。水面で全長80cmを優に超えるダツがジャンプする。ドラッグをほぼフリーにしていたロスG2からどんどんとラインが出てゆく。ドラッグを強めに締め直しフッキングさせるべくロッドを3回ほど水平にあおる。ダツが2回3回とジャンプする。フッキングはうまくいったようだ。数十秒のやりとりの後ランディングのため浅い方へ後退しながら寄せに入る。ダツはまだ元気なようで,5m程先でジャンプを繰り返している。「こっちに向かって飛んできたら・・・噛まれるぐらいなら大丈夫かな?」しかし家族はまだ温泉でのんびりしているはず。「刺さったら死ぬかな?」と不安が頭をよぎる。この不安で手元が緩んだのか,ダツの口からフックがはずれてしまい,ダツは一気に沖へ・・・・。悔しい思いと安堵の気持ちが交錯する。
 ダツがヒットした場所へ戻り同じ場所へキャストすると立てつづけにフエダイが2尾ヒット。魚が釣れたところは海岸からのびた砂州の先端のかけ上がりで,かけ上がりを囲う様にU字方に岩礁が有る。U字の大きさは約2m×3m位だろうか。何かのパッケージゴミのような鮮やかな青色をしたものが数個ふわふわしている。コバルトスズメだ!。
 その後ビーチを北へ移動しながら同様のポイントを探して釣り歩くが全くチェイスなし。魚も回遊していない。30分ほど経って水温の高い場所と低い場所があることに気づき,ひょっとして海底から温泉が湧いているのかな?と思い,先ほどダツがヒットした深みへ移動し潜ってみようと5m程のところに接近。同じ場所で先ほどより二回り大きいダツが跳ねた。
 ロールキャストでフライを落とすと同時に先ほどの衝撃が再び私を襲った。ドラッグを締めたままだったため,ダツは走ることなく水面で大暴れしあっという間にばれてしまいました。
 悔しい気持ちが一気に燃え上がった。
 とりあえず魚がヒットしたポイントをもっと観察しなくてはと深みに接近したところ水温も周囲より少し高い様子。微妙な水温差が小魚の生息に影響している様子で,小魚がいるからダツもここへ来るのだろう。大型トレバーリも回遊してくるかも?と期待し,その場所で粘ることにしました。
 それからは同じ場所でブラインドキャストを繰り返すが,さすがにポイントの真上に立って魚を散らした後では全く魚の気配なし。フエダイさえもヒットしない。
 少し離れたところで10分程キャスティング練習をし,今度は違う角度から同ポイントを狙ったところミスキャスト。ラインをリトリーブしピックアップしようと竿を立てた時なんとダツが一気に沖からフライに向かって突進してくるのが見えた。「しまった!」と思い左右にティップを振ってフッキングに持ち込もうとするが時既に遅し。ダツはこちらに気づいて一気に沖へ逃げていってしまいました。
 更に悔しい思いが燃え上がり,「怪我してもええ。絶対釣ったる!」。
 U字の岩礁の水深がスネくらいまで浅くなった頃ついに4回目のチャンスが来た。魚の重みが十分ロッドに溜まるのを待って2回程大きくフッキング。ダツがジャンプした時に口の際の一番良いところにフックが刺さっているのが確認できた。2回目の魚があまりに大きかったのでやたらと小さく見える。体重も軽い。リールからラインが出ることは一度もなく手元まで難なく寄せてきた。さてここからが問題。フォーセップを忘れてきたため素手でフライをはずさなければならない。怪我してもええ!と思ったけどやっぱりダツの歯は間近で観ると怖い。しかも小さいと思ったいた相手も実はクチバシだけでも20cm以上有り,全長70cmを超える魚だったのです。2回目のヒットの魚はいったい何cm有ったんだろうか?家族が迎えにこないかなと道路の方を観るが誰もいない。淡水域まで引っ張ってゆけばこいつは間違いなく死ぬだろうな?ちょっとかわいそうだし・・・。とりあえず素手ではずすか!と右手を上に高く挙げ,ダツの頭を水面に出してフックを抓もうとしたところ,イヤイヤをしたダツの歯にティペットが当たったのか,はたまたクチバシに巻き付いたのかティペットが切れてしまいました。ダツはかなり疲れていた様子で,しばらく足下にいたため,フックだけでも外してやろうと手を伸ばしたところ,ゆっくりと沖に向かって泳ぎはじめ,口の際に勲章を着けたまま手の届かないところへ逃げてゆきました。
 正確にはランディングには至っていませんが,まあ一尾釣ったと言うことで釣りを切り上げ,河口へ戻り 河川内でチビトレバーリをおちょくっている(られている?)と,ばあちゃんの運転するランサーがやっと迎えに来てくれました。
 レストラン高那で昼食を摂り,午後は本命ポイントの月見ヶ浜で遊ぶことにし一路上原方面へ車を走らせました。
 西表島の道路は全般的に拡張工事が行われており,7年前はそこら中でハラジロクイナが観られたのに,今回は全く姿を見ることができませんでした。観光バスやレンタカーの事故を減らすための道路拡張なのでしょうが,自然が魅力の西表島に観光に来てこの道路すっ飛ばして時間に追われた観光をするのは西表の魅力を半分も味わえないのでは・・・?と感じながらも,我ら家族も日帰り観光&父ちゃんのFF西表ツアーのため人のことは言えない。
 ピナイサーラの滝を写真に撮り,船浦でカンムリワシ(だと思う)が電線に留まっているのを見つけ,月ヶ浜に到着。月ヶ浜入り口も新しく広い道路が付けられ,最終工事に入っていました。
 月ヶ浜には観光客が数人遊んでおり,波は穏やかでしたが,浦内川河口部は流速がかなり速く,河口部は足下の砂がいきなり動くため危険な状態でした。せいくんはままとばあちゃんと一緒にカニやヤドカリハンティング。父ちゃんはトレバーリハンティング。
 しかし,魚の姿は1尾も見つけることができず,あえなく時間切れ。3時30分の八重山観光船で石垣島へ帰るため,星砂の浜は割愛し,一気に船浦港へ到着。やまねこレンタカー船浦営業所で乗り捨て手続きをし,出航しかけていた船を呼び止めて飛び乗ったら予定とは違う3時20分の安栄観光船でした。まあ10分速く帰れるからいいか。
 夕方,石垣島はさすがに日が長いため,夕食前に名蔵川河口の様子を見て条件が良いようなら釣りがしたいと思い,せいくんを「カニ取りに行こう」とそそのかし,家族の同意を得ることに成功。車はフサキを素通りし名蔵川河口へ到着。橋の上から除くと,ちょうど汐が入り始めたようで,フグやらボラやらがどんどん上流に向かって泳いで行き,たまに30cmクラスの子供トレバーリがすごいスピードで橋の下を通り過ぎてゆくのが見えました。これはいけると,早速タックルをセットし,橋の下へ降りてキャスト開始。ボラが1尾ヒットしましたが途中でバレてしまいました。その後は全く音沙汰なし。橋の上に戻り改めて水の中を観察すると,先ほどまであんなに活発に遡上していた魚の姿が全く見えなくなっていました。橋の上からフライをキャストすると30cm位のボラがフライに反応してくるのですがすぐに見切られ,結局この旅の最後の釣りは終了。喜んだのはカニ好きのせいくんだけでした。
 フサキに帰り,夕食前にビーチ北端の岩場に徒礁し海中を観察してみましたが,ヤッコが少し泳いでいるだけでトレバーリの餌となるハナダイやスズメダイの類は全く泳いでおらず,時期が悪かったのが明白。学生時代に航海実習で3月に那覇港に寄ったとき,港の中にカラフルな魚がたくさん泳いでおり,トレバーリやタチウオが船の周りに回遊してきたことから,年中釣れると思いこんでいたのが間違いだったようです。
 帰る日の朝,ビーチの中央にある桟橋からぼんやりと南の海面を眺めていると,砂地からトビエイの幼魚が水面まで浮上してきて美しい優雅な姿を見せてくれました。カメラを持っていることも忘れてつい見とれてしまい,近くにいたカップルにエイがいることを教えた後に,やっと自分がデジカメを持っていることを思い出して写真を撮りましたが,光線の具合が悪くうまく写っていませんでした。
 写真はいつかは色あせるけど,美しい思い出はいつまでも色あせないものと負け惜しみではありますが自分に言い聞かせ,今回の旅行は終了しました。しかし帰りの飛行機の離陸直後に機内から撮った宮良川河口の写真には,新たな可能性がくっきりと写っていました。
 絶対また行くぞ!
 
 
20020315:up
 
 
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