第25回湧別原野はカリカリ?
 
 かつては国内最長、世界でも2番目に長い85kmという距離を走るクロスカントリースキー大会だったが、2006年の秋に道東を襲った巨大低気圧の被害によって50kmに短縮され、その後も復旧の目処が立たないようで今年も50kmでの開催となった。
 長いもので、平成元年にこの大会に初めてエントリーし、それ以降毎年欠かさず出走してきた。間で3度の大会中止があったので、実質19回目の出走となったわけである。

 今シーズンは広島でも早くから積雪があり、例年以上に練習が積めると算段していたのだが、ふたを開けてみると1回しか雪の上で練習できなかった。あきらかな練習不足である。
 体力も年々怪しくなってきている。
 こうなると後はスキーのチューンアップに頼らざるを得ない。

 そういうわけで、大会二週間前くらいから毎日のように道東の週間天気予報をチェックし、例年並みのコンディションだろうと予想して現地へ送るスキーのワキシングを行い、保険として高温用の板も準備し、大会一週間前に現地へ発送したのだった。

 次の火曜日の10時発表の週間天気予報で事態は大きく動いた。
大会当日の予想最高最低気温,遠軽1/−10,湧別0/−6,しかも木〜土曜日の気温が異様に高いのじゃ。
 つまり雪温はあまり下がらないだろうし,こりゃ高温用板ですね。トップワックスもDr.FCGウォーム一本でいいかもしれない。でもスタート時にはカリカリに凍ってそうなので,スタート用に少しだけCH6の生塗が必要かね?。

 そしていよいよ出発の日が来た。
 広島空港に着いてロビーで寛いでいると、場内アナウンスでなにやら羽田が濃霧で東京行きが引き返してくるとかなんとか言ってる。そのあおりを食らって千歳直行便もプチ遅延。
 飛行機に乗って機内誌で気になるものを発見!
「札幌カリーせんべい カリカリまだある?」
 よ〜し、今年のお土産はこれで決まりじゃ!

 新千歳に着いたら昨年のようにレラ経由で札幌へ向かった。
 札幌に着いてからはこれまたいつものようにサンコスモでディスカウント切符買ってニッセンスポーツへ行った。
 ニッセンスポーツは本来木曜日は定休日なのだが、国体が開催されていることもあって臨時営業らしい。
 レジ横の棚にアスリートソルトなるものを発見したので、買ってみた。効果あるだろうか?

 2日目、6時にベッドから抜け出し7時に朝食バイキング。
 込み込み4K円で朝食まで付いてるって結構リーズナブルな宿でした。
 窓の外は雨、この時期に雨が降るなんて、、、そういえば北海道に来てからまだ一度も手袋はめてない。こんなに暖かいのは初めてだ。でも今夜からまた冷えるらしい。溶けて固まってカリカリ?

 8時にチェックアウトして通勤サラリーマンに紛れて地下街ぶらぶら。
 9時半にホームへ上がりオホーツク三号に乗った。
 通路側の席と言うこともあって外の景色も特にみれないので、アスリートソルトを舐めながらひたすら眠った。

 遠軽到着後、去年は湧別行きバスへの乗り継ぎに失敗したのじゃが、今年はギリギリ間にあった。去年は駅でトイレに行ったから間に合わなかったんだよね。
 そういうわけで、遠軽でトイレに行かなかったので中湧別に着いたらすぐにトイレ。、笑!
 宿に着いて一年ぶりにおばちゃんの明るい笑い声で迎えてもらって、しばらく寛ぐ。
 その後コースの様子見をかねてゴール地点で軽く練習。
 午後三時間半現在で気温八℃ 雪温−1.5℃。雪質は古いザラメ。
 滑走テストの結果、低温板は滑らないことはないけどイマイチ、高温板はかなりいい感じ。明日の朝一の状況でどっちの板使うか決めよう。たぶんカリカリに凍ってるんだろうな。

 少し汗をかいたので練習後にチューリップの湯へ行き、ゆっくりと体を温めて、、、さらに汗をかいた(爆)。ここのお湯って暖まるんよね〜。
 晩御飯は何時もながら超ボリュームでニシンの塩焼き ホタテ 豚テキ 刺身盛り合わせ おでん 味噌汁 腹一杯で苦しい〜。

 大会前日、本番を想定して五時に目覚ましをセットしたが起きれなかった(笑) 。
 とりあえず朝食を食べてすぐにコースチェックに出かけた。
 8時現在日陰で雪温−5℃。雪面は思った通りカリカリに凍っている。それが圧雪車が通ってかき氷状に砕けたザラメの圧雪になるのだが、地元中学生?グループが熱心に練習してるところはカチカチツルツルのまるでスケートリンクのよう。そういうところは高温板も低温板もどっちもよく滑り、ストラクチャーもワックスも関係ない感じだ。
 明日はもう少し冷えるらしいので低温板がマッチしそうな予感。でも午後にかけての気温上昇を勘案すると、、、板もワックスも悩ましいな〜。
 とりあえず冷え込むという予報を信じてスタート時のカリカリ凍結雪面対策として低温板にDr.FCGコールドを塗りのばした。
 そうこうするうちに留萌のWファミリー夫妻到着。そして埼玉のNさん、鳥取のFさん、別海町のAさん(東京のIさんのご親戚)も到着。
 夕食はまたまた超ボリューム。去年のこともあるのでアルコールは控えめにしてっと。
 札幌のSさんは明日はクラシカルで走るらしい。なんでもバーサロペットを目指してるとかで、クラシカルでの長距離の経験を積みたいのだとか。猛者ですな。
 翌朝を考えて8時半に床に就いたのだが、あまりの早寝に日付が変わる前に目が醒めてしまった。汗  その後は二時間毎に目が醒める始末。本番大丈夫かいな。

 大会当日、よく寝たような寝なかったような朝
 起きて直ぐにスポーツドリンクを500ミリリットル飲む。
 外を見ると、夜半から明け方にかけて新しい雪が少し降ったようで、カリカリの氷の上に新しい雪がうっすらと積もった最高のコンディションになっている。玄関先の温度計みるとなんと−1℃を指している。予報よりもかなり暖かい。
 高温板に変えようかとしばし悩んだか初志貫徹で低温板にした(出発前の初志は高温板だったはずなのじゃが、、、笑)
 朝食を摂り、スポーツドリンクを1リットル作って送迎バスに乗ってスタート地点へ移動。
 バスの中でスポーツドリンク500ミリリットルほど飲んだ頃にスタート地点に到着。
 そこで見たものは、気温-3.8雪温-4.1。
 が〜んやはり高温板だったか!。初志貫徹すればよかった〜(いったい何が初志だったのやら?)
 しょうがないので持ってきた低温板にDr.FCGウァームを上塗りしブラッシング。この作業はワキシングだけでなくブラシにDr.FCGウァームをたっぷり付着させるのも目的。滑りが悪くなったらブラッシングだけでなんとか対処しようという悪あがきなのじゃ。とは言うもののバーンはカリカリの上にふわふわで、これが前を行く選手のスキーで押さえられることでストラクチャーもワックスも関係ないバーンになるような気がする。
 とりあえず前から四列目を確保して板を置き、トイレに行ったりぶらぶら。
 岡山のnファームさんに写真撮ってもらったり、Sさんがクラシカル板に止めを塗っているのを見学させてもらったり。
 スタート時刻が迫ってきたので並んで周りをみると、結構L5のシール貼った板できてる参加者がいて、なんとなく安心。たぶんストラクチャーもワックスも関係ないくらい滑るバーンなんだけどね。

 そして午前9時、号砲一発!スタート〜〜〜!
 板は思った通りそこそこ滑る。
 でも練習不足と右膝がまだ完調でないこともあり、板の走りがうまくコントロールできない。途中の左高速コーナーで二度転倒。右膝痛くて踏ん張れませんでした。
 それでも平地は何とか快調に飛ばして遠軽まで一時間一分で到着。すっげ〜速っ。
 遠軽に着いて板を外して豚汁食べてると、Wファミリー夫さんがうどんを食べ終わって出発するところだった。
 遠軽で豚汁とバナナ食べてゲータレード飲んでトイレ行ったりしてるとWファミリー婦さんも休憩中だった。毎年この夫婦の間を走ってるような気がする。。。
 それにしても、走っているときにはさほど感じなかった右膝の痛みが、休憩中に体が冷えるに従ってひどくなり始めた。
 そのまま冷やしてしまうと動かなくなりそうなので15分休憩したところでそそくさと再スタート。
 遠軽から上湧別までは無理しないで13kmを一時間のペースで抑えて走り、ここでまた10分弱休憩。膝の痛みはかなり退いたみたい。
 残り17km。少しペースを上げれば3時間台前半でのゴールも夢ではない。
 ウエストポーチに忍ばせてきたパワーバージェルを摂って上湧別を再スタート。30分後には爆発的なパワーが漲るはず(んなわけないって・・笑)。
 少しペースを速めてゴルフ場〜堤防下はあまり長く人の後ろに着かないように早めに抜きに出て、パワーバージェルの効果で堤防折り返しから少し早めのラストスパート。
 50kmへのコース変更に伴って設定された五鹿山手前の谷はやはりきつかったが、それでも10人くらい抜いて結局三時間台前半でゴール。
 ゴール後はお決まりの蕎麦と汁粉で腹一杯になり、完走証もらってホテルに帰って一寝入り。
 夕食はお決まりの超ボリューム。
 津波のニュース見ながら今日も食べ過ぎてしまった。明日は運動しないのにどうしょう?

 大会翌日、6時に目が醒めた。
 身支度して7時に朝食 広島へ送り返す荷物をまとめてバスの時刻まで宿の食堂でのんびり過ごす。
 外へ出ると天気も良く昨日積もった新しい雪が眩しい。
 来る時にバスの乗り継ぎ成功して遠軽散策してなかったので、予定より一本早いバスで遠軽へ移動。終点のバスターミナルでバスを降り、まずは遠軽教会へ。遠軽教会の建物ってなんか好きなんだよねー。
 そこから瞰望岩の麓にある遠軽神社へ行って折り返しバスターミナルを通り過ぎてコンビニまで歩き、しばらく立ち読みして遠軽駅へ戻った。
 天気も良いし、もう一本速いバスで来て瞰望岩へ上がってみればよかったなー。

 それにしても今年は去年にもまして筋肉痛がない。痛いのは右膝と両肩の関節くらい。マシントレーニングなんて年開けて4回しただけだったし、特別な筋力強化は図ってなかったのじゃが、秋からフットサルをたまにやったのが良かったのかな?、それともニッセンスポーツで買ったアスリートソルトを大会前後の合間合間にこまめに舐めていたのがよかったのか?。
 とはいえ、昨日の自分の走りを振り返ってみると、股関節の捻りと肩の振りだけで走って、腹筋や背筋といった大きな筋肉がほとんど使えてなかった。腹がでたのに加えて食べ過ぎて体を前屈できなくなってたのかもしれない(笑)。
 上半身がもっと柔軟に動けばまだまだ速く走れるはず。来年に向けての課題ですな。
 帰りの電車から丸瀬布〜白滝の風景を眺めながら、何時かまたこの区間がコースに復活して日本最長レースの座を取り戻してもらいたいもんだなどと思いを巡らすうちに寝てしまった。
 札幌に着いてニッセンスポーツに寄って結果報告しホテルにチェックインしてそのまま寝た。
 今日は一年で一番沢山寝れる日(爆!)

 最終日、朝食後しばらくテレビ視てチェックアウト。
 本屋で立ち読みして時間調整してテムズ参り。一年って速いですね〜っとか話しながら、ちょこちょこっと物資補給して昼前にレラヘ移動してがんてつで辛味噌ラーメン食べた。味はたいしたことないが麺の長さが丁度いい感じ。麺って長けりゃいいってもんじゃないんだね。味はたいしたことないが(何度も言うな〜!)、とても食べやすかった。
 新千歳空港へ移動後、カリカリを求めて土産物店を巡ったのだが、どの店でも売り切れ。JAL側からANA側までくまなく土産物店をめぐってようやく一軒だけ在庫持ちの店発見して買うことができた。ほんとに人気だったんだね〜。そういえば去年あれだけ行列できてた花畑はどこもがら〜んっとしてた。メディアに仕込まれたブームってこんなもんなんでしょうね。
 新千歳では国際線ターミナルがオープンしてるので行ってみたかったのだが、カリカリ探すのに時間を使ってしまったため来年のお楽しみということにした。

 今年はこれまでにないハイスピードな大会だった。
 何年か前に10年に一度あるかないかのハイスピードな年があったが、おそらくそれ以上だったのではないか?
 かくいう私は、コース全体にわたって板の滑りがよかったので特に無理をする区間もなく、体力をかなり余らせてゴールしてしまった感じである。
 去年も感じたのだが、50kmというのは、はっきり言って物足りない(だったらもっと頑張って速く走れよ〜っというのは無しね(笑))。達成感の混じった疲労感っていうのかな、あれがないんですよね。
 そもそも50kmの大会って他にもあるし、やはり湧別大会は85kmでないといけませんよ。
 コースの確保とか整備とか運営上の問題もいろいろあって大変なのでしょうが、せめて国内最長大会という看板を復活させることができれば、また参加者が増えて以前のような華やかな大会になるのではないかな?

 
 
20100307:up
 
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