2003湧別原野
 
2/20
 北海道へ出発する朝、いきなりトラブル発生。
 履いていこうと思っていたGパンが乾いておらず,あわてて乾燥機にかけたが間に合わないため,ジャージで出発。
 さい先の悪いスタートだ。
 
 飛行機は定刻通り運航され、千歳に着いた。
 ここですぐに札幌へ向かうのは素人!、まずは空港内の土産物を物色し、帰りに買って帰る土産をチェックする。ついでに、食堂街を回って新しい出店が有ればこれもチェック!。
 ラーメン道場ってのができてたのでとりあえず「海幸軒」というブースに入り、野菜ラーメンを注文した。
 サンプルでは結構な量の野菜が乗っかってたのだが、実際には炒めたアスパラがパラパラっと乗ってるだけ。
 麺は北海道のラーメンとしてはかなり細い部類じゃね。味はこれまで食べた北海道のラーメンの中では上位に入る。さすが道場に出店されるだけあるわい。
腹も太ったし、JRで札幌へ。
 札幌に着いて,まずはニッセンスポーツを訪れ,ワックスの調達と情報収集。
 週末はかなり冷えそうだということだった。
 ワックスアイロンが壊れていたので,購入しようと探すが温度調整機能付きでコンパクトなものがなかなか見つからない。
 結局、スポーツ用品店を数軒巡った後札幌最大の家電店で一般の旅行用小型アイロンを税込み三千円少々で購入した。
 麻が200℃,綿が180℃なので,なんとかCH4もセラも溶けるでしょう。
 
 この日は魚八一丁で夕食
 ここは一品の量が半端じゃなく,あえなく3品+ビール中ジョッキ2杯で撃沈
 夜,ホテルでテレビ見ながらくつろぎ,さあ寝ようとTVのリモコンの赤いスイッチを押したが,TVが消えない。???っと思ってリモコン見ると,なんと有料確認ボタンを押していた。
 悔しいので,しばしエロビデを見る。さい先の悪い(良い?)スタートじゃ!
 
2/21
 朝,いきなり下痢した。。。っといっても食あたりではない。
 たぶん出発の2〜3日前から次男とかみさんが風邪にかかっており,かみさんが胃と腰が痛いと言っていたのでこれが遷ったみたい。
ってことは胃と腰もいたくなるの???
 
 朝のニュースを見て,そろそろ出発しようかと,TVのリモコンを・・・・
 あ〜ぁ!,また有料確認ボタン押してしまった。。
 このリモコンには人間工学に基づいた巧妙な罠が仕掛けられているようだ。
 
 ホテルをチェックアウトした頃から案の定胃と腰が痛くなって歩くのが精一杯になってきた。
 ちょっと駅のベンチで休んだ後,特急の時間までまだ暫くあるためとりあえずテムズまで歩く。
 途中ベスト電器へ寄ってアイロンを物色するとなんと,,,9800円のワックスアイロンが1980円で売られていた。
「昨日これを見つけていれば〜」
っと悔やんだが,アイロンはそんなに沢山要らないので購入はパスした。
 
 テムズに着き,毎年の事ながら油を売る。
 シャープスのダブハンが半額になっているのを見つけ,心密かに
「帰りにまだ売れてなかったら買って帰ろう」
っと決意する。
 
 昼食は駅の地下でパスタランチを食べたが,胃が痛く,食べるのが苦痛だった。
 特急に乗った後はひたすら寝る。寝ていても腰はず〜っとジンジンする。
 旭川について快速を待つ間も辛かったが,岡山から来たNaFarmさんと四方山話をして過ごす。
 快速に乗っていざ白滝村へ。
 上川の手前でエゾシカの群れを発見!デカ〜イ!ほとんどウシサイズじゃね〜。
 
 白滝村に着き,ホテルへ向かって歩いているとNFarmさんが毎年宿泊しているM薬局のおやじさんが車で迎えに来てホテルまで送ってくれた。
 ありがとうございました〜。
 
 ホテルについて部屋に案内されると,明日の相部屋メンバーの名前が既に貼ってあった。
 Nさんって見覚えのある名前があるな〜。
 ちょっと休んで宅急便で送った荷物を整理した後,ワックスルームへ入り練習用ワックスをかける。
 新しいアイロンはアイロンが小さすぎて温度が保てない模様でCH7をかけたのだがワキシングに時間がかかってしまった。
 
 毎年のことながら夕食は相変わらず豪華
 例年なら残さず食べるのだが,胃が痛くてなかなか食が進まない。
 結局メインのタラバもエゾシカスキも半分残した。
 食後は温泉に浸かってゆっくりと体を温めた。
 体が温まると少し腰痛は楽になった。
 しかし、いざ寝ようとすると再び腰と胃が痛くなり,なかなか寝付けないままのたうちながら朝を迎えた。
 
2/22
 いつまでものたうっていてもしょうがないのでとりあえず軽く朝食を摂り,練習に向かった。
 
 雪温は,日陰で12℃(当然マイナスね。冬の北海道では氷点下が当たり前なのでマイナスは付けないらしい),日向でも10。思ったより上がっていない。
 CH7では滑りが悪いので本番では6か6+4だなぁっと考えながら1時間ほど滑走練習した後,ホテルに帰ってワックスルームに隠る。
 ベースをCH10→8→6→4っと硬くしながら仕上げ,LF6+CH4を塗る。その後セラFC100で仕上げ,さらにスタート用にCH4を焼き付ける。
 アイロンの温度が保てず,特にCH4がなかなか溶けない。
 とりあえず3時間かけてなんとか本番用に塗り直すことができた。
 ワキシングの途中でNaFarmさんが来たので,雪温情報を提供し,その後受付会場まで車で送ってもらい,さらにスタート地点の偵察も行った。
 
 ホテルに帰り部屋へ戻ると相部屋メンバーが2名来ていた。1名は予想どうりNさんだった。もう1名は初相部屋となるIさん。
 Nさんとは3回目の相部屋である。私がこのホテルに宿泊するのは15回目なので、これってホテルの宿泊人数からみるとかなり高い確率の相部屋率である。
 例年、私はこの大会にはクエン酸を持参してこまめにクエン酸補給しているのだが、なんと今年はクエン酸を忘れて来てしまった。しかし去年私がNさんにクエン酸の効能を教えたこともあり、Nさんはしっかりとクエン酸小袋を持ってきてた。そしてNさんはクエン酸を分けてくれた。
 ありがとうございま〜す!
 風呂に入った後、ロビーでニッセンスポーツのAさんを見かけたので話をしたところ、なんと雪温は白滝村よりも丸瀬布や遠軽の方が低いらしい。
 間違いなくCH4がバッチリ合うはず。ちょっと心境が明るくなった!
 もう一人の相部屋人であるTさんも揃った。
 Tさんはレセプションに参加されてたらしい。そういやあわしゃあ長いことレセプションに参加しとらんのぉ〜。
 夕食はバイキング,胃痛もだいぶ楽になってきたのだが,大事をとって腹7分目で抑えた。
 Nさんは快調にスパゲッティまで完食!
 食後はノルディック世界選手権を見ながら記念写真をとったりして雑談、そこでなんと意外な事実が判明!
 NさんもHPを公開しており(ここからNさんのことを仙人さんと記します。),なんと又七と同じサーバ(www7.plala.or.jp)なのじゃ!
 
2/23
 大会当日の朝、どうもIさんの様子がおかしい。朝食後に仙人さんが一足早くスタート地点へ向かった後もトイレに入ったり出たりしている。
 どうやら、胃痛に悩まされているようだ。
 金曜日に私を襲ったのと同じ胃痛腰痛がIさんを悩ませている・・・でも潜伏期間から考えて私が遷したわけではないだろう。ご愁傷様です。
 
 私は6時20分の送迎バスでスタート地点のある天狗平へ向かい、輸送トラックに荷物を預けてスタート地点へ。
 スタート地点へは駐車場から少し降らないといけないのだが、スキーに乗って調子よく降っていくと他の選手たちが急制動して道の脇へ逸れている。
「やばっ!」っと思った瞬間、目の前に雪に埋もれた砂利が現れた。
 ガガガ〜!
 滑走面に斜めのストラクチャー入れてしまった。あ〜ぁ!
 傷は思ったほど深くなかったのでとりあえずスコッチブライトでバリを取ってそのまま出走することにした。
 
 スタートの並びは早い者勝ちなので、まずは場所取りをして。用を足す。
 雪温は相変わらず20℃くらいの極低温が続いている。
 スタートまでの30分体を冷やさないようにストレッチをしたり滑走面にブラシをかけたり。
 そしていよいよスタートじゃ!
 スタート直後の登りは毎年のことながら大渋滞!北の選手は降りはやたら速いのだが。。。。
 最初の登りを登り切ると長い降りに入り、どの選手も一気にスピードを増してゆく。
 私のスキーも快調に滑っている。
 
 見晴らしの良い平原を降り、林間に入った頃、体に異常を感じ始めた。
 左目の焦点が合わないのだ。
 最初はゴーグルが曇っているのかと思ったがそうではないようで、顔や頭が冷えすぎて眼球回りの筋肉やレンズが硬直しているような感じ。こんな症状は初めてだった。
 焦点が定まらないためコースの上り下りが正確に把握できず何度が転倒しそうになったが、過去の記憶を頼りに何とか切り抜け、最初の給食所へたどり着く頃には体も温まり目も回復した。
 例年よりも5分ほどしか遅れていない。今年の体調を考えると上出来である。
 給食所でウィンドブレーカーとオーバーパンツを脱ぎ、再び走り始める。
 
 この後かなり快調にペースをあげて走ったのだが、暫くして胃痛と腰痛が始まった。
 何とかだましだまし丸瀬布の給食所までたどり着く。
 ここで、例年よりも20分の遅れであった。
 腹痛・腰痛のおかげで上半身が使えず、腕の筋力をかなり消耗してしまった。
 滑走面もかなりささくれていたため、ブラッシングした。
 15分休憩を取った後再び走り始めたのだが、ペースアップはもう無理、しかも例年なら午後から吹き始める向風が既に吹き始めておりさらにペースは落ちる。
 このペースでは昼前に遠軽に到着するのは困難、何とか正午までに巌望岩だけでも拝みたい。そう思いながらひたすら遠軽を目指す。
 途中、瀬戸瀬の給食所で豚汁を食べ、滑走面にLF6を生塗りしてブラシをかけた。
 本来LF6では滑らない雪温なのだが、これ以上硬いワックスでは生塗りできない。まあ、ワックスよりもブラッシングにより滑走面の毛羽立ちを取り除く効果の方が大きいだろう。
 
 コースが林間を抜け河川敷にかかる頃、正午のサイレンが鳴った。
 サイレンが鳴り終わった直後、土手の遙か向こうに巌望岩の山頂が見えた。
 ここから遠軽給食所まで通常なら10分、しかしこの日は20分かかった。
 
 遠軽給食所で猪豚うどんを食べ、滑走面に再びLF6を生塗りしブラッシングした。
ついでに小用を足し、計30分ほど休んで再出発しようとしたところNFarmさんに声をかけられた。
 NaFarmさんはイマイチ板が滑らなかったようだ。
 
 例年よりも1時間遅れて遠軽を出ると向風は一段と強くなり始めた。
 何とか先行する選手に追いついて、風よけにしたいが、なかなかペースの合う選手が見つからない。後ろについてくる選手はなかなか風除けに出てくれない。
「普通、交代で引っ張りあうもんじゃろぅがぁ、足引っ張ってどうするんじゃぁ!」
っと怒る元気もなく、ただひたすら向風に向かってスケーティングを続ける。
 
 風除けの恩恵を受けないまま高橋私設給食所へ入った。
 ここはビニールハウスの中で休ませてもらえるうえに豚汁やらおしるこやら芋餅やらたらふく御馳走してくれるのでありがたい。
 毎年のことながらありがとうございま〜す!
 ここでゆっくりと休んで、篝火を待とうかとも思ったのだが、あまり長く居ると他の人が座れなくなるため居座りづらくなり、30分ほどで温室を後にした。
 
 ラスト13Km!前にも後ろにも選手はいない。
 追いつける選手はやたらペースが遅く、追いついてきた選手はあっという間に抜かして行く。
 ラスト10Kmを切った頃、午前中に発症した視力障害が再び現れ、雪面がぼんやりとしか見えなくなった。
 疲労で足が上がらなくなっていることもあってちょっとしたギャップにスキーを盗られ転倒しそうになる。
 辛い走行が続いたがそんななかでなんと15年目にして初めて駅伝選手を抜くという快挙or怪挙?もあった。
 ここ数年駅伝人気でいろいろなチームが出場し、スピードにこだわらないチームが出場し始めたということだろう。こういうチームが増えると言うことは本大会にとってはとてもいい傾向だと思う。
 
 最後の給食所でシャーベット状になったエネルゲン飲み、チョコレートを2つ食べ、ラスト5Kmを何とか走りきった。
 ゴールしたのはスタートから8時間16分51秒、自己最高記録よりも3時間近く遅かったが自己最悪記録の更新は何とか免れた。
 私の板はたぶん体力さえ有ればかなり滑っていたのではないかと思う。ただ滑らせるだけの筋力がなくなってしまったため滑らなくなっていただけなのだ。
 体調を考えるとこの成績はやはり上出来だったのかな?
 
 ゴール後、一足先にゴールしていたNaFarmさんが出迎えてくれた。高橋給食所で隣に座っていた選手もNaFarmさんと同時刻にゴールしたらしく、声をかけてくれた。
 ゴール後の完走賞の発行はすこぶる速くなっていた。運営側も年々進歩しますなぁ。
 
 完走賞を受け取って今夜の宿である都ホテルへチェックインした。
 毛蟹とビールを戴きながらアイアンウーマンのSさんと今日の滑りを語る。
 そして、今夜はキンキ鍋とジンギスカンで大宴会じゃ〜!
 翌日はWファミリーさんらが流氷見学に連れて行ってくれるということで、ちょっと早めに就寝した。
 
2/24
 大会翌日は前日の余韻が残って早く目が覚める。
 7時過ぎに朝食を摂り、8時半過ぎにスキーと荷物を近所の酒屋さんで宅配に出し、9時前にホテルを出発して湧別漁港へ向かった。
 湧別漁港には巻網漁船?が多数上架され、整備を受けていた。
 北海道15年目にして初めて観る流氷!!!!しかし流れてないぞ〜。
 ここまでびっしり接岸するとどこまで陸でどこから海なのかわからん???
 たぶんちょっと沖でラフティングしているのが一番見頃なんだろうな〜っと思いながら皆で記念撮影した。
 
 流氷見学の後はホテルに帰り、バスの時間までお茶を御馳走になる。
 その間にWファミリーご一行様は留萌に向かって帰っていった。
 来年又逢いましょう。
 バスで遠軽まで行き、2人のNさんと特急が来るのを待ちながらお土産の「たらばがにせんべい」を買った。
 ホームからは巌望岩が見える。
 来年は午前中に拝むからな!っと挨拶して札幌行きの特急に乗り込んだ。
 
 札幌に到着して直ぐにニッセンのAさんにお礼を言いに行った。
 彼のワックス予想は毎年のことながら的を射ている。
 このお返しというわけではないが私が収集した「今回良く滑ったワックス」の情報を提供した結果、たぶんこれじゃないですか?っとそれらしいワックスを教えてくれた。
 来年はちょっとそれを使ってみようかな。
 
 この日の夕食は14年ぶりに「よいところ」へ行った。
 14年前に感動した「かにみそ」の味はちょっと落ちたようだが、オホーツクを食べるならやはりここでしょう。
 
2/25
 今年の北海道最後の日、ホテルをチェックアウトした後、テムズへ足を運んだ。
 シャープスのダブハンは私が買おうと思っていた12フィート#8だけ、選んだように売れ残っていた。
 これは神の啓示に違いないっとすかさず身柄を確保!
 みさごさんから指令を受けていた特大ストマックは数年前までは置いていたが最近は置いていないとのことだった。
 午後の快速で千歳へ向かい、再びラーメン道場で「ばり屋」の「背油ラーメン」を食べる。これは北海道ならではの太麺だが、スープの味が濃厚すぎてがぶ飲み飲みきりできない。
 でも後味はあまりしつこくなかったので、体調バッチリな時に食べたら旨かったかも。
 
 そして又七は広島へと旅立つのであった。
「今年こそっ」っと思いながら北海道に通い続けてはや15年。その度に
「来年こそっ」と思いながら広島へ帰る。
 次にここへ帰ってくるのは1年後。
 来年もまた湧別原野の大自然は私の知らない湧別原野を見せてくれるだろう。
 
20030227:up
 
 
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