この記事は1997年に書かれたものです。
PC-9821,9801シリーズ用 MS-DOS 6.20, Windows95/98ドライブ割付け順序変更プログラム DRVASN98
《 SCSIのドライブやフロッピドライブもAドライブに変身 》
MS-DOS 6.2まででは、フリーソフト「PATCHIO」が有名でしたが、Windows95/98および それ以降(Windows98 SEまで可)でも同様にしたいというのが、DRVASN98などの作成の動機です。もちろん MS-DOS 6.2でも機能します(5.0Aは未対応)。
ただし一つのディスク装置内のパーティションのドライブレターの割付順位を変更することはできません。またMOやFDから起動した場合のドライブ順序については、SCSI→IDEとなるような優先順位の設定以外は、通常通りとなります。3.5インチMOドライブはFDやHDよりも後になります。
[注意] このソフトで行うのはドライブレターの割付順序の原則を変更するだけであって、あるドライブのWindows95/98が、別のドライブ名になって起動できるようになるものではありません。ドライブ割付順序に変更を加えた後、再起動してもドライブ名が変わらないように、ドライブの接続を変えたり、パーティションをスリープにしたりする必要がある点に注意して下さい。HDDのパーティションを起動可能にするには、FDISKコマンドでの正しい処置が必要です(最後の註1参照)このソフトは、ドライブの接続を変えても今までと同じドライブ名にWindows95/98のドライブが来るように調整することを目的としています。[対象機種] これらのプログラムは、PC-98用 Windows95/98 および MS-DOS 6.20のもとでのみ動作します(その他のバージョン、OS、PC98-NXなどは対象外)。なお、DRVASN98の"98" とは、NEC PC-9801,9821,H98シリーズ(総称してPC-98)対応であることを意味しています。PC98-NXなどPC98規格を意味してはいません。
☆ 「DRVASN98.COM」
DRVASN98は、「MS-DOS 6.20」または「Windows95/98のコマンドプロンプト起動」または「Windows95/98のMS-DOSモード」で使用できます。もちろんWindows起動FDによる立ち上げでもOKです(起動FDは必ず作っておきましょう)。カレントディレクトリまたは PATHの通ったディレクトリにDRVASN98 のファイルが存在する状態で(この意味が分からない方は註2を参照)、MS-DOSコマンドラインから
DRVASN98 x: ←┘ と打ちます。
ここで x:は処理したいドライブ名で、Windows95/98がインストールされているハードディスクの、「現在 Windows9xが存在しているドライブ名」を指定します。変更後に予定しているドライブ名ではありません。ドライブ名の指定を省略することはできません。また実在しないドライブ名やネットワークやCD-ROMのドライブ名を与えると、やはり途中で異常終了します。
うまくWindows95/98のドライブを見つけると、「ドライブの割付け優先順位の選択」のメニューが出ます。
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次回起動時から、ドライブレターの割り当て順序が、指定のように変更されます。どれを選択すればよいかは、後述の【応用例】を参考にして下さい。
次ぎに、「2台あるIDEドライブの割付順序の入れ替えも行ないますか[Y/N]?」と尋ねてきます。マスタ・スレーブあるいはプライマリ・セカンダリのドライブ割付は、通常プライマリマスタから行われますが、このオプションで[Y]を答えると、それを入れ換えます。ただし、3台4台のIDE(内蔵)ドライブを接続している場合は絶対にこのオプションは指定しないで下さい。あくまでも2台のIDEドライブを接続している場合に限ります(CD-ROMは無関係)
さらに、「フロッピー1台マシンでも2台ドライブレターを確保するようにしますか[Y/N]?」と尋ねてきます。通常はフロッピドライブは1台しか接続していないと思いますが、FD優先に指定してどうしてもハードディスクのドライブをCからとしたいというように、フロッピドライブが2台あるように見せかけておきたい場合に[Y]を答えておいて下さい。3台以上フロッピを接続している場合は[Y]を指定すると、残りの3台目からが無視されてしまうでしょう。
このソフトが行なうのはWindows95/98のドライブ割り当て順序を変更することのみであって、今まで例えばAドライブにあった内容のまま他のドライブレターで起動できるようになるというものではありません。ハードディスクの接続やパーティションに何も変更を加えない場合には、以前とドライブ割付けが異なってしまい、そのドライブからWindows95/98を立ち上げることができなくなるので注意して下さい。もしそうなってしまった場合は、Windows95/98起動メニューの「セーフモードのコマンドプロンプト」で起動してから、DRVASN98をまた走らせて、[1]を選択し、残りのオプションで[N]を指定すれば、元のNECライクなドライブ順序に戻ります。
☆ 「BOOTAT.COM」
このプログラムは、/AT セットアップを行ったのと同様に、HDDの先頭ドライブが
C:、フロッピードライブが A: (B:)となるように変更するものです。DRVASN98との関係ですが、FDとHDの順序関係についてはDRVASN98の設定内容より優先され、IDEとSCSIとの順序関係は
DRVASN98に従います。使い方は下記の【応用例】のところで詳しく述べます。
概要だけでは、本ソフトの利用価値が今一つ分からないと思います。DRVASN98が必要となるのは、主にSCSIのハードディスクを増設したときでしょう。内蔵ディスクだけを使用していた場合で、次のようなドライブ環境であったとします。
A: 内蔵ディスク(IDE) Windows95/98パーティション1
B: 内蔵ディスク(IDE) Reserve パーティション2 C: フロッピドライブ |
さてここにSCSIのハードディスクを増設し、パーティションを確保すると
A: 内蔵ディスク(IDE) Windows95/98パーティション1
B: 内蔵ディスク(IDE) Reserve パーティション2 C: SCSIディスク Windows95/98パーティション D: フロッピドライブ |
A: SCSIディスク
Windows95/98パーティション
B: 内蔵ディスク(IDE) Windows95/98パーティション1 C: 内蔵ディスク(IDE) Reserve パーティション2 D: フロッピドライブ |
フロッピーがAドライブで、ハードディスクがそれ以降でないとどうも落ち着かないと言う人は、DRVASN98の
[3]または[4]を使うとよいでしょう。Windows95/98をA:以外のドライブにインストールしている、例えば、
A: 内蔵ディスク(IDE) パーティション1
B: 内蔵ディスク(IDE) パーティション2 C: SCSIディスク Windows95/98パーティション D: フロッピドライブ1 E: フロッピドライブ2 |
のようにして使用していた人は、DRVASN98の 4:を選択して C:のSCSIディスクのWindows95/98に処理を施すと、次回起動後には、
A: フロッピドライブ1
B: フロッピドライブ2 C: SCSIディスク Windows95/98パーティション D: 内蔵ディスク(IDE) パーティション1 E: 内蔵ディスク(IDE) パーティション2 |
A: 内蔵ディスク(IDE1) DOSなど
B: 内蔵ディスク(IDE2) Windows95/98 C: フロッピドライブ |
A: フロッピドライブ
B: 内蔵ディスク(IDE2) Windows95/98 |
AT互換機と同じように、フロッピが1台しかなくてもそれらをA,Bドライブに割り当て(Bはダミー)、ハードディスクドライブをC:以降に割り当てる場合には、DRVASN98 でFDD優先の3または4を選び、さらにフロッピを2台あるように見せかけるかのオプションで[YES]を答えて下さい。フロッピドライブは A: B:に、Cドライブが、IDEまたはSCSIの先頭のパーティションになります。
例えば、
A: 内蔵ディスク(IDE) パーティション1
B: 内蔵ディスク(IDE) パーティション2 C: SCSIディスク Windows95/98パーティション D: フロッピドライブ1 |
で使用していたがA、Bドライブは特に必要なくなったなどと言う場合に、CドライブのWindows95/98に対して
DRVASN98 C: で[4]を選択し、さらにフロッピ2台化も選択すると、
A: フロッピドライブ1
B: 予約 C: SCSIディスク(IDE) Windows95/98パーティション D: 内蔵ディスク(IDE) パーティション1 E: 内蔵ディスク パーティション2 |
既に SETUP/AT などの方法で、AT互換機と同じスタイルのインストールをしている場合、そのドライブのWindows95のシステムを、SYSコマンドで他のドライブに転送しても、実は/ATインストール仕様にはならなくなってしまうというバグ(?)が知られています。再セットアップの途中でもそういうことが起こり、/ATセットアップは再セットアップに失敗してしまいます、しかし再セットアップの途中の再起動時に、一旦起動FDで立ち上げて、FDからの優先割付と、2台化オプションを施しておくことにより回避できます。
なお、AT方式割付は、別プログラム BOOTAT.COM によっても実現できます。BOOTAT x: (x:は起動させたいドライブの現在のドライブ名)とすると、次回そこから起動させると、フロッピドライブにA: (とB:)、ハードディスクのドライブがC:から始まるようになります。ハードディスクがSCSI優先かIDE優先かについては、DRVASN98で設定した内容に従いますが、FD優先の設定はすべて無視され、BOOTATでの処理が優先されます。BOOTAT.COMは Windows95/98の領域にしか適用できません。MS-DOS 6.20の領域には適用できませんので、MS-DOS領域の場合はDRVASN98の機能を用いて実現して下さい。
このように、Windows9x にて /AT相当の割り当て順序にする方法には、2通りあります。違いですが、BOOTATを使用した場合は、ダミーのB:のフロッピードライブがWindows9x
起動後に出現しないというメリットがあります。DRVASN98でフロッピー優先、フロッピー1台のみの設定を用いた場合は、ダミーのB:が「MS-DOS互換ドライブ」で存在したままとなります(アクセスできないので実害はないですが)。
要するに、DRVASN98を用いる意味があるのは、FDDやHDDの接続を増やしたり減らしたり、あるいはパーティションを作ったり削除したりスリープすることによってドライブの順序が変わっても、起動したいドライブのドライブレターが変わらないようにすることにあります。ドライブレターの割り付け順序がどうなるかは、予め十分に想定しておいてからDRVASN98を用いて下さい。 ドライブ割付けを誤ってハードディスクからシステムの起動をできなくしてしまった場合は、起動用FDを使用して適切に処理して下さい。 |
DRVASN98では、Windows95/98の IO.SYSのごく一部のプログラムの流れの順序を変更します。書き換えるだけでバックアップなどは作成しません。万一ディスクのI/Oエラーなど異常な動作によりIO.SYSを破壊してしまった場合は、Windows95/98起動ディスクなどからコピーしなおして下さい。IO.SYSは、システム+隠し属性のファイルとなっていますので、通常のファイラーでは見えない場合があることに注意して下さい。MS-DOS
6.20の場合は、IO.SYSファイルが存在しているだけではダメで、起動可能な正しい位置にないとエラーになります。
BOOTAT.COM については、Windows9xのブートセクタを書き換えて、ATセットアップ時と同じ状態にします。IO.SYSは書き換えません。
本ソフトの著作権は、作者である「まりも」が有します。基本的にコピーフリーなソフトとします。不特定多数の人がダウンロードできる場所への転載は禁止とします。絶対にインターネットのサイトなどに無断でアップしないで下さい。そういうことが発見された場合、しかるべき対処を取ります。
Windows95/98/98SEでの動作は一応おこなっていますが、製作者は、本ソフトウェアの動作を保証するものではありません。いかなる状況下でも、本ソフトを実行・適用した場合における、損害(データの損失・機器の故障・利益の損失・精神的苦痛など)に関する一切の責任をとりませんので、予めご了承下さい。また、本ソフトの意義や使用方法については、この文書で十分詳しく述べていますが、内容を理解するにあたり、PC-98のシステムとMS-DOSに関する一定の知識は必要としています。理解できなかったからといって、あまりに基本的な質問などを安易に投げかけないで下さい。それに同意できない方には、本ソフトの使用を禁止します(実際使う必要もないと思います)。 なお、ドキュメント中の「Windows」など、商品名はその版権者の商標あるいは登録商標となっています。