本プログラムは、ブート可能なPCIバス用拡張ボードのboot ROMにデータを書き込むことができる汎用ライタです。対象データは何でもありです。しかし対象ボード(チップ)は次の5種類です。
アーカイブを解凍すると、以下の.EXE 実行プログラムが入っています。
ファイル名 | 用途・内容 |
FL8255X.EXE | intel 82557/82558/82559/82550 ethernet アダプタボード用 |
FL82557L.EXE | intel 82557/82558/82559/82550 ethernet アダプタボード用 (data 256KB) |
FLWD3296.EXE | WesternDeigital WD33C296A SCSIボード用 |
FLSIILM.EXE | Silicon Image SiI-xxxx SATA/UltraATA 各種ボード用 |
FLACARD.EXE | Acard UltraATA各種ボード(AEC-xxxxシリーズ)用 |
FLJMB36X.EXE | PCIexpress版 jMicron JMB363 SATA/RAIDボード用 |
いずれかのプログラムを、リアルモードのMS-DOSで実行します。「リアルモードの」とは、仮想86モードでない、すなわちEMM386を使用しない環境のことです。Windows9xでは、セーフモードのコマンドプロンプト起動がこれに該当します。EMM386は使用してはいけませんが、HIMEM.SYSは使用してください(日本語DOS/Vでは必須です)。なお英語モードでも日本語モードでも動作し、日本語モードの場合一部は日本語で表示します。PC-98でも実行でき、日本語で表示します。
コマンドラインには、書き込みたいデータのファイル名を与えて下さい。コマンドラインで与えなかった場合は、途中でファイル名を尋ねられます。対象チップ(ボード)の存在は自動検索され、処理は自動で進みます。対象となりうるボードが二枚以上存在する場合は、選択リストがでますので、デバイスIDなどを見て、「ボード番号」で選んでください。
intelのネットワークボードは入手時にPXE ROMが有効になっていることがあります。この状態ではPC-98に取り付けたときにシステムが起動できなくなる可能性があります。いっぽうPXEの無効化でなくROMアクセス自体の無効化がなされている場合もあります。この場合は98でもPC/ATでもROMにアクセスできません。もしROMが無効状態のときは、IBAutilというツールで有効化してください。
intelのIBAbuildダウンロードサイト(2017.12.1現在)
https://downloadcenter.intel.com/download/12344/IBABUILD-BIOS-Image-Utility?product=50280
次のような引数で実行するとフラッシュROMを有効化できます。
IBAUTIL -NIC=1 -FLASHENABLE
i82557については、マザーボードのBIOSによって割り付けアドレスが1MB境界になされますが、ROMにアクセスする場合は2MB境界にないとうまく行かないようです。その場合には、本プログラムは正規の方法とは異なる方法で書き込みます。
FL8255X.EXE は 64KBまでのデータしか扱えませんが、FL82557L.EXE では256KBまでのデータを扱うことができ、対象ROMとして、富士通29F002が追加されています。
FLSIIMG,FLACARD,FLJMB36XではベンダIDチェックのみで、デバイスIDのチェックをしていません。したがってどんなデバイスIDのボードでも適用になりますが、ベンダIDがSiliconImageやAcardであればどんなボードで動作する、ということを保証しているわけでありません。ボードごとにプログラムを用意するのが煩雑なのでまとめただけです。
※確認済みチップ
SiI 3112,3512,3114,3124, 0680(UATA)
AEC 6260,6280,6880
JMB 2362,2363
ROMの種類には豊富に対応していますが、対応しないROMであるというメッセージが出て、選択肢が現れるような画面になった場合は、[ESC]を押して使用を中止してください。
マザーボードにオンボード接続となっていて、拡張ROMがマザーボードのBIOSに含まれている場合には、適用できません。
システム起動時にリソースが正常に割り当てられていない状態の場合、動作しません。非常に古い(2001年以前)のマザーボードではその可能性があります。
Award BIOSのGIGABYTE製のほとんどのマザーボードでは実行できません. これは,GIGABYTEのAward BIOSでは,PCIデバイスに割り当てられるべきROMのメモリアドレスを,起動(POST)完了後に解放してしまうためです.
ミレニアムMGA64用のFLMGA64.EXEを追加してありますが、適用によりボードを壊す可能性が報告されていますので、リスクを承知の上でお使いください。
普通に手に入る8bitパラレルフラッシュROMのコマンド体系は、 次の3タイプに大別されます。
本プログラムは、これら標準的なものに対応しており、ROM IDを調べてコマンドセットを切り替えています。29EExxxという表記のEEPROMは、ATMEL系29Cxxxページライトのコマンドで焼くことができます。
xxxの部分は通常容量を示しています。
512Kビット以下は普通512や256などと書かれています。
1Mビット以上は、次のような傾向があり、xはメガビット単位です。
00x ブートブロックタイプ1M 例 Intel 28F001
0x0 ブロックの大きさが均等のもの1M 例 Intel 28F010 , AMD 29F010
x00 ブートブロックタイプ2M 例 Intel 28F200, AMD 29F200
本プログラムで基本的に対応するのは、010,020のような均等ブロックのものですが、最低位ブロックが64KByteや128KByteのものは、ブロック内だけ焼くことができる場合があります。
29C512 (5V) ATMEL 29C010 (5V) 29C020 (5V) 29F512 (5V) ATMEL 29F010 (5V) 29F020 (5V) 29F040 (5V) *FL82557L.EXEのみ対応、AMD製 Am29F040 のみ動作確認 29F002 (5V) *FL82557L.EXEのみ対応、富士通製 MBM29F002 のみ動作確認 AMD製 Am29F002もおそらく動作 29F004 (5V) *FL82557L.EXEのみ対応、動作確認していない 29EE512 (5V) Winbond 29EE010 (5V) 29EE020 (5V) 29C101AA(5V) 29C011A (5V) 49F010 (5V) ATMEL 49F512 (5V) 49F001T(下位から64KBまで) 29LV512 (3V) 39SF010 (5V) SST 39SF020 (5V) SST 39VF512 (3V) 39VF010 (3V 28F512(5V) Intel,St,TI 28F010(5V) Intel,St,TI 28F020(5V) Intel,St,TI Intel28F256(5V) Am28F256A(5V) Am28F512A(5V) Am28F010A(5V)
このプログラムを、不特定多数がダウンロードできる場所に置く (公衆送信可能な状態にする)ことは禁止とします。
このプログラムはフリーソフトウェアです。自由に使用してよい代わりに サポートのようなものはありません。直接・間接的に、このプログラムの運用の 結果に何があっても(例えばシステム起動不能)、作者は一切責任をとることは ないものとします。
ROMを書き換えるソフトというのは、システム環境やハードウェアの不調 などにより、失敗する可能性がないとはいえません(これはパソコンをいじる 上での一般的な常識です)。そういう危険性もあることを留意の上、自己責任で お使いください。このことに同意できない方や、禁止事項を守らない方には、 本ソフトウェアの使用を認めません。
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日付 版 内容 2010-10-10 1.20 PC/AT版の公開 2010-12- 1 1.20a i82557はi82558~82550とは別の専用プログラムとした 2011- 6- 1 1.20E jMicron JMB363用を追加して 名前をPCIflash5とした 2012- 2-29 1.21 ミレニアム用を廃止してSiliconImage汎用を追加、Acard全チップ汎用に変更、複数デバイス存在時のメッセージの誤り(deviceがvendor)を修正 2017-12- 3 1.30EJ WD33C296ボード用を追加、PC/ATとPC-98の完全両用、日本語化 2017-12- 5 1.30EJ ファイル名(flwd3296)が間違っていたのを修正して再掲 2017-12- 6 1.40 FL82557をFL8255Xに統合、複数枚の際の両言語対応、IBAutilについての記述追加 2018-11-18 1.41 英語モード時に日本語メッセージが表示される場合があったのを修正 2020-10-10 1.43 富士通製 MBM29F002に対応した FL82557L.EXE を追加←戻る