SCSIと同一パラメータに変更してOSが領域を認識・起動できるかという
点ですが、DOSやWindows9xはもちろんのこと、Windows2000でも問題は
ないようです。Windows2000の領域をSCSIからUIDEの領域にコピーし、
BOOT.INIのboot path の記述をIDE用に書き換えることで、起動も可能
でした。UIDEのWindows2000のドライバは、BIOSが設定したパラメータを
そのまま引き継いで領域検索をしてくれるようです。これは非常に
好都合な仕様です(SCSIアダプタのときはパラメータは決め打ちされ
ていて、任意の値に設定すると認識されない問題がある)。
FreeBSDでも可能であろうと思われます。
【参考】ハードディスクインターフェイスのDISK BIOSには、
シリンダ/ヘッド/セクタ数というものが定義されています。
このパラメータ値が正しくないとシステムの起動ができな
かったり領域の認識ができなくなります。PC-98では、
インターフェイスと容量帯により、下記のように設定されます。
これを変更するのが本プログラムの機能です。IDE(UIDE接続)の
場合でもSCSIと同一にして、異なるハードウェア環境のマシンで
読み書きできるようにするなどの用途が考えられます。しかし
変更のしかたを間違って、領域確保時と現在とで異なる
パラメータにしてしまうと、起動や認識をできなくしてしまう
ことにもなります。
容量帯 ヘッド数 セクタ数
UIDE -------------------------------------------------
4351MB未満 8 17
32256MB未満 16(15) 63 (ディスクドライブのネイティブ値に設定)
SCSI -------------------------------------------------
8192MB未満 8 32
32768MB未満 8 128
IFC-USP 60GB未満 15 128 (メルコIFC-USP系 BIOS 1.20のみ)
-------------------------------------------------
127GBまで使える値 16(15) 255 (それ以前の問題として起動不可)
IPLware UIDESCSI.BIN
と打ち込みます。取り外し方やキー操作など、IPLware共通の操作方法に
ついては、IPLwareの操作説明書を読んでください。長くなるのでここでは
述べません。表示は1秒程度なされますが、短いと思う場合は、シフトキーを
押しつづけていると表示が保持されます。
UIDESCSIの組み込みは、ハードディスクをSCSI(変換)からUIDEに繋ぎ替える
前に行なってください。あたりまえですが、組み込まないうちにUIDEに接続
しても、起動や認識はできません。組み込むハードディスクと実際に作用する
ハードディスクは必ずしも同一となるとは限りません。組み込み先は、通常、
接続されている装置のうちで起動優先順位が最も高い装置となります。
これはメモリスイッチの[BOOT装置]の設定状態にも依存します。詳しくは
IPLwareの説明書を読んでください。
パーティションを未だひとつも作っていない未フォーマットのハードディスク、
すなわちPC-98用のマスターIPLが書かれていないハードディスクには、
IPLwareは組み込むことができません。新規に領域確保・OS導入をしたいという
場合を想定した説明は長くなるので、ここでは行ないません。詳しくは
IPLwareの説明書を読んでください。またIPL_menu.htmlも参照してください。
32GB以上のハードディスクで使用する際、パラメータ互換となる
SCSIアダプタに合わせてパッチ当てをする必要があります。バイナリ
エディタを使用して、次のアドレスのデータを変更してください。
addrというのは先頭からのオフセット番地(16進表記)です。
IFC-USP系アダプタのとき
addr 旧data 新data
03DBh FFh --> 80h
03DDh 10h --> 0Fh
SC-UPCI系アダプタのとき
addr 旧data 新data
03DBh FFh --> 80h
03DDh 10h --> 08h
03E1h FFh --> 80h
03E3h 10h --> 08h
4.3GB以下のディスクをIDEでなくSCSI標準にしたいとき
addr 旧data 新data
03C9h 11h --> 20h
03CBh 08h --> 08h (変更しない)
すでに述べたように、本来のUIDEの動作では、4351MBを境に
パラメータが切り替わります(本体オンボードIDEと同じ仕様)。
いっぽうSCSIでは8192MBでパラメータが切り替わります。
変換SCSIで使用するなら当然SCSIと完全に同じパラメータにすればよい
ですが、4351MB以下の小容量ドライブをいまどきSCSI変換して使う人は
あまりいないと思われます。むしろオンボードIDEに繋ぐ可能性のほうが
高いでしょう(4351MB制限のある機種がまだまだ現役のため)。そこで、
4351MBまではオンボードIDEと同じパラメータ(17セクタ8ヘッド)に、
それ以上はSCSIと同一とするような特別な仕様にしてあります。
つまりSCSI互換パラメータに変更となるのは4352MB以上からということに
なります。ただしこれはパッチ当てで変更可能です。
32GB制限のほうはUIDEのブートBIOSの初期化途中で止まる問題ですので、
本プログラムの方法では対処できません。しかしUIDE-133/98ではこの問題が
回避されています。メルコIFC-USP-M2や SC-UPCIでのSCSI変換運用を
する場合は、対応パッチを施してください。
本ソフトが標準で設定する、容量帯とヘッドセクタ数の値との関係を
表にまとめるとこのようになります。
容量帯 ヘッド / セクタ 備考
-------------------------------------------------------------
4351MB未満 8 / 17 内蔵IDEの仕様のまま(あえてIDE互換)
8192MB未満 8 / 32 SCSI標準と同じ
32768MB未満 8 /128 SCSI標準と同じ
それ以上
対応パッチをあてない場合
-------------------------------------------------------------
127GBまで 16/255 PK98-mistress9と同じ
-------------------------------------------------------------
IFC-USP系(-M2のIDEも含む)パッチのとき
-------------------------------------------------------------
61440MB未満 15/128
それ以上 16/255 対応SCSIアダプタ存在せず
-------------------------------------------------------------
SC-UPCI系パッチのとき
-------------------------------------------------------------
127GBまで 8 /128 8GB以上から不変
-------------------------------------------------------------
●UIDE-133/98 最終版BIOSの場合
本ソフトを使うと、127GB以上のハードディスクがBigDriveとして
使えなくなります。また32GB以上のハードディスクについては、
本ソフトを解除した場合、入れた場合、パッチを当てた場合とで、
パラメータが変化しますから、再フォーマットが必要になります。
●起動できなくなったときは
パラメータ誤りのために起動や認識ができなくなった場合は、UIDE以外の
接続のハードディスクまたはフロッピーから起動して、いったんUIDESCSIを
取り外すか、正しいパラメータでUIDESCSI.BINをカスタマイズしなおしてから
再度組み込んでください。IPLware共通の操作として、IPLwareのローダ起動中に
HELPキーを押すことで、各IPLwareアプリケーションの実行可否を指定できる
ようになる機能がありますので、これで一時的に実行回避させることもできます。
●フロッピー起動したいときは
フロッピー起動で新規にOSを入れるという場合は、まずハードディスクの
IPLから起動させ、IPLwareの[F]キー押し起動を行なう必要があります。
IPLwareの使い方共通のことですので、詳しいことはIPLwareの説明書を参照
して下さい。
●UIDEボードを入れていないときは
本プログラムは、PCIスロットのあるPC-9821シリーズでUIDE-xxシリーズの
ボードが実装されている場合に意味を持ちます。その他の機種やPC/ATでは
動作しません。しかしUIDE-xxシリーズのボードが実装されていない状態で
本プログラムが組み込まれていても、とくに問題はありません(何も起こり
ません)。
このプログラムを使用したことにより何か問題や障害が発生したとしても、
作者は一切責任を負わないものとします。またこの説明書以上のことについての
説明義務は負わないものとしますので、これを読んでも使い方や意義がわから
なかった場合は、使用しないでください。