The EarlyDays 〜雛見沢の暑く長い1日〜
今回も中途半端な軍事知識がいっぱいです。間違い等ありましたらご指導のほど
よろしくお願いいたします。
また、本編にないシチュエーションも多数あります。
※なお、祭囃し編のネタバレも含みますので注意願います!!※
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××県鹿骨市、陸上自衛隊鹿骨駐屯地。その中のある大きな一室。
その部屋にはかなりの人数の自衛隊迷彩服を着た者たち。
「今回の作戦だが、空と地上に分かれて行う。まず・・・・・・・・・」
黒板に備え付けられた白いスクリーンに地図が映る。その地図を壇上の制服姿の男が
棒で指し示す。
「・・・・・現在、この雛見沢付近には山狗部隊が展開しており・・・・・・・・・。次」
画面が別の地図に切り替わる。
「この入江診療所には山狗の本営が配置されており、山狗各隊にここから命令が出ている。」
男が向きを代えてこう言った。
「今回の任務は山狗部隊の制圧と、鷹野三佐及び小比木二尉の身柄の拘束である。今回、
四機のヘリのうち三機で山狗本隊、残りの一機で入江診療所を制圧する。
出発は番犬部隊は明日の午前11時。まず、番犬部隊は目標から20Km西方で空中待機。
その後、命令が入り次第各目標に突入を開始せよ。本体班三隊はそれぞれ目標を包囲する
形で降下。山狗部隊員の身柄を拘束する。制圧後は山狗部隊員を地上班に引き渡すこと。
作戦終了後、地上班の設置するLZ(着陸地点)にて合流のこと。本隊担当のヘリは番犬部隊が
降下ののち上空から投降の呼びかけを行うこと。制圧完了後は地上班の設置するLZにて
降下部隊を収容する。
診療所方面も同じく降下する。まず、降下後所内へ突入し診療所を制圧する。山狗隊員の
身柄を確保の後地上班へ引き渡すこと。その後本隊班と合流し、隊長の指示に従うこと。
地上班の任務は、降下部隊のバックアップと山狗部隊の収容。出発は明日の午前8時。
作戦当日は当基地を出発後、村境付近のこの地点で待機。命令発令の後、まず地上班は二班
に分かれ、本隊の居る地点と診療所に向かい、まずヘリのLZをを確保。
その後は降下部隊が確保した山狗隊員を収容する。なお、山狗部隊が抵抗する場合は、これを
実力で排除せよ。
ただ、各隊とも発砲はできるだけ控えるように。一般住民を巻き込んで大問題にしたく
ないからな。以上だ」
全てを話し終え、
「質問は?」の声に、
「山狗の展開場所は?」
「それは、明日雛見沢にいる内偵員から展開場所の連絡が入る。場所は追って連絡する」
「山狗の装備は?」
「聞いた情報によると、自動拳銃、狙撃銃、スタンガン等を持っているようだ。また一部には
MP5や、RPG−7一丁を持っている隊もいるらしい。油断は禁物だ。心して掛かれ。他には」
どうやら質問は他に無いらしい。
「無いようなので・・・・・以上だ!。では各員、粉骨砕身し全力で任務を全うせよ。解散!」
ぞろぞろ隊員が部屋から出て行く。中村も部屋から出たとき、誰かに呼び止められた。
「中村二佐でいらっしゃいますか?」
「はい、そうですが?」
「わたくし、こういうものです。」
男は名刺を渡した。
「・・・・・・・・・・・・陸幕調査部・・・・・・・の方?」
「ええ。ここではなんなので、こちらへ」
さっきの講堂のような部屋とは違い、こじんまりとした部屋に通される。
「さて、何から話しましょうかね・・・・・・・あ、今回の事の経緯を話しましょうか。多分二度聞きに
なると思いますが」
調査部から来たという男はこれまでの経緯を話した。アルファベットプロジェクト?東京?
そして・・・・・・入江機関?。事前に渡された資料とそんなに変わらない内容だった。
「ざっとこんな感じです。」
「あんな片田舎でクーデター騒ぎとはねえ。あんなとこで何ができるんでしょうかねえ?で?
雛見沢症候群?細菌兵器に転用する研究を?それについては今回の作戦に必要だってんで資料をかい
つまんで読ませていただきましたけどね。」
「そうですか・・・」
「・・・・それにこのアルファベットプロジェクト(ABC兵器開発と保有(?))、こんなこと諸外国
バレたらそれこそ国益を損なう結果になるんじゃないんですか?米ソ、中国とか韓国はは黙っちゃいない
でしょう?アメリカは・・・・・・」
「同盟国って言うんでしょう?でも、アメリカの同盟国であるイギリスは核保有国でもあるんですけどね」
「ああ、そうですねぇ、でも、こんなプロジェクトは・・・・今の日本には出来すぎた代物ですね」
「まあ、そういう話は居酒屋とかでやってもらって・・・」
「はははは・・・・すいません。そんな話をしに来たんじゃないんですもんね?」
そういうと、男はタバコに火を付けた。
「あ、タバコ、嫌いですか?」
男が申し訳なさそうに尋ねた。
「あ、いえ。じゃあ私もいただきましょうかね?」
中村もタバコに火をつけた。
「話を続けます」
「どうぞ」
「さて、今回その「東京」内部に内偵を送り込んでいる話は先ほどいたしました。」
「ええ」
「連絡員は雛見沢にも一人送り込んでいるんです」
「ほう」
「連絡員からは定時に状況が報告されます」
「なるほどね・・・・・・・・」
「そして、不穏な動きがあった場合、あなた方の出番なわけです」
「で、今回の話と、作戦と何の繋がりが?」
「連絡員をピックアップして欲しいんです。」
「ああ、なるほど・・・・・・・・それはかまいませんが・・・・」
「何か?」
男を怪訝そうに中村が見る。
「ただ、連絡員をピックアップする場所が分からないと・・・・」
「ああ。それなら大丈夫です。」
というと男は持ってきたアタッシュケースから地図を取り出し、ページをめくり、あるところで手が
止まる
「ここです。」
と、指を示した先には赤い丸とLZの文字が。興宮郊外の空き地のようだ。
「で、その連絡員のここまでの移動は?」
「多分向こうが考えるでしょう。プロですから」
「プロだからって・・・・」
ちょっと考え方がお粗末なんでないか?と思う。
「それに、連絡員はこの方ですから・・・・・・」
というと一枚の書類を見せた
「!?これは・・・・・富竹二尉!?」
「ええ。」
「ええって、うちの仲間では自衛隊のマ○ター○ートンとか言わ・・・・・・(ふぉんぐしゃ
「あ、ここでは他の作品名は言わないほうがいいですよ?」
「すんません・・・つい・・・」
噂では某教導隊でかなり名の通った教官と聞く。特にあらゆる火器のスペシャリストとか。
これも噂だが昔SASにいて、そこでも教官だったとか?うん、だからこそマ○ター○ー・・
(ひでぶっ!!)
「富竹二尉であればまあ、なんとかなるでしょう」
「っはははは・・・(苦笑)そうであればいいんですけどね。場所はわかりました。で、落ち合う時間は?」
「お昼の12時でどうでしょう?」
「それまでに連絡が無かったら?」
「隊長であるあなたの判断に任せます。」
「と、言うことは、一戦交える覚悟で行かなければなりませんね。本当は控えたいんですが(笑)」
「・・まあ、そこを何とか・・・銃声は演習中だってことにすれば何とかなりますが隊員はともかく
民間人を巻き組んでしまうと・・・・・・・」
「そりゃそうですが、何とかって言われても・・・・・・」
「そこを何とか・・・・・・」
「まあ、わ、わかりました・・・・・。とりあえず定時連絡が入ったらこちらに伝えて欲しい
んですが」
「もちろんですとも。」
男は時計を見てあわてたように
「あ、今日はこの辺で。連絡が入る時刻なんで」
「そうですか。それじゃあ・・・・」
二人は部屋を出ると軽く挨拶をした。
「明日は・・・・よろしくお願いします」
「こちらこそ」
中村は渡された名刺を見てこう思った。
「(・・・陸幕調査部?・・・・・ふうん。奴らが出てくるところを見ると、かなりやばいヤマか
?今回は)」
彼らは通称「番犬」と呼ばれる陸上自衛隊の特殊部隊。のちに編成された「特殊作戦群」等の前身とも
いわれる実験的に編成された部隊である。主に諜報を主とする山狗とは対極を成す。こちらも実態は
完全に秘密にされている。もちろん公式にも、書類上にも存在しない。
(まあ、バレると社会党(当時(笑))とか共産党がやかましいからなあ・・・・。)
次回へ続く。
戻ります?