"TRIO '02"
MARK AANDERUD(p), VIT SVEC(b), PAVEL RAZIM(ds)
2001年スタジオ録音(ARTA F1 0116)
これも、HMVの試聴で購入した1枚。
最近、ピアノ・トリオのブームも手伝って、無名の新人発掘的な紹介コーナーがあったり、マイナーレーベルの紹介コーナーがあったりして、ここから掘り出し物を見つけることが出来るようになった。そうした中から見つけた1枚。
同時に試聴した"TRIO '01"はメンバーが全然違う。ベースがNG。これはお奨めしない。
このCD"TRIO '02"はどのメンバーも初めて聞く名前ばかり。ピアノはMexico
Cityの生まれだし、ベースはPrague(チェコ)、ドラムスはRokycany,Bohemia(チェコ)だし、東ヨーロッパ+メキシコといった面白い組み合わせになっている。全曲、ピアノのAANDERUDのオリジナル。美しいバラードあり、元気の良いサンバありで楽しませてくれる。
このベースは凄いぞー!
先ずは黙って5曲目の
"FROZEN DROPS"を聴いていほしい。この曲だけのために購入しても損はないと思う。美しいスロー・ワルツのバラード。叙情的といえばその通りだが、躍動感がある。ピアノのイントロに続くテーマではアルコ弾き、アドリブではピチカート。
JAZZにアルコというのはなじまないと思うだが、こういったスローバラードでのアルコというのはいいものだ。とにかく暖かくふくよかな音色がゾクゾクさせてくれる。続くピチカートでは力強いビート感とともに、バラードでも必要な躍動感を堪能させてくれる。スローバラードといえども「JAZZは躍動感がなくてはJAZZとは言えない」と思っている。更には、ソロでの歌いっぷりも良い。
流石に東ヨーロッパのベーシストはクラシックの薫陶を受けており、正確な音程とふくよかなアルコ弾きの音色は折り紙つきだ。
ピアニストはメキシカンだが、全曲を作曲した才能といい、歌心といいなかなかのピアニストだ。サンバで陽気な一面を見せたかと思うと、バラードでしっとりと歌うあたりは流石だ。
3人ともなかなかの役者揃いといえる。
�@"PROLOGUE" このピアノ・ソロを聴いたとき、BRAD MEHLDAUの
"ELEGIAC CYCLE"を思い浮かべた。
�A"DARK PLACES" モーダルでありながらスウィンギーな熱っぽい演奏。
�B"NEW MORNING" ベース・ソロがフューチャーされている。よく歌うベースだ。
�C"JUST LIKE HOME" エンディングはドラムスが喧しい。
�D"FROZEN DROPS" 美しくもスローでの躍動感が素晴らしい。
�E"SONG FOR MALIKA" 民族民謡のような曲。ベースがイケルネ。
�F"SAMBAMBA" 中南米を思わせる明るく調子の良い曲。
�G"THREE FOR KENNY" モーダルなワルツ。力強いベースのウォーキングが印象的。
�H"BUENOS DIAS CON SAMBA" ちょっと一休み、軽く行こう。ノリノリの楽しさ。決してチープではない。
�I"EPILOGUE" 最後を飾るに相応しいピアノ・ソロ。もちろん�@の続き。
このピアニスト、BRAD MEHLDAUを彷彿とさせる一面があるかと思うと、陽気なサンバを弾いてみたりで、なかなか多彩な人である。そして、バックアップのベースが素晴らしい。
�Dの飛び切り上等なスロー・ワルツの躍動感を堪能してほしい。
この1曲の価値で
「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。 (2003.03.15)
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