
DAYNA STEPHENS
ピアノとギターに不完全燃焼の印象を拭いきれない
"I'LL TAKE MY CHANCES"
DAYNA STEPHENS(ts, bs on �C), CHARLES ALTURA(g), GERALD CLAYTON(p, organ
on �C), JOE SANDERS(b), BILL STEWART(ds), BECCA STEVENS(vo on �E)
2013年1月 スタジオ録音 (CRISS CROSS : CRISS 1361 CD)
DAYNA STEPHENSが参加しているアルバムは、今年3枚目になる。1枚目が錚々たるメンバーを揃えたバラード集"PEACE"(JAZZ批評 916.)で、これはなかなか印象深いアルバムだった。2枚目がTHEO HILLがリーダーの"LIVE AT SMALLS"(JAZZ批評 923.)で、ここではテナー・サックスのほかにEWIという電子楽器にもトライしていた。
本アルバムは、ギターに今話題のCHARLES ALTURA、ピアノにGERALD CLAYTONを迎えている。ベースにJOE SANDERS、ドラムスにBILL
STEWARTというのも嬉しいではないか!
�@"GOOD TREE, GOOD FRUIT" コンテンポラリーなアメリカのジャズっていう雰囲気。正直、無機質な印象を拭えない。テーマもアドリブも面白くないと言えば面白くない・・・。
�A"JFK INTERNATIONAL" アップ・テンポでグイグイ進むのだけど熱っぽくない!これだけの役者が揃っているのに、どこか醒めた感じ。
�B"ADRIFT" 現代アメリカのジャズ・ピアノの雄、AARON PARKSの曲を採用しているのも面白い。
�C"DIRTY" CLAYTONはオルガンを演奏しているが、このアルバムの中では一番切れているのでは?本アルバムの中では一番瑞々しさを感じる。
�D"UNREQUITED �T" SANDERSとSTEWARTのコンビネーションはいいね。4ビートを刻んでズンズン進むが、躍動感に満ちている。テナー〜ギター〜ピアノと繋いでテーマに戻るが、もう少し熱くなって欲しかった。
�E"PRELUDE TO A KISS" この曲のみヴォーカル入り。ファルセットで歌っているのだろうか?ひ弱でか細い声に聴いている側が息苦しくなってしまう。このトラックはなくて良かった。
�F"FIELD OF LANDMINES" テーマが面白くない。最近のジャズメン・オリジナルはこういう傾向が強い。何曲かはスタンダードを入れないとつまらないだけで終わってしまう。
�G"I'LL TAKE MY CHANCES" 哀愁を含んだ大人し目のテーマ。ここではベースのSANDERSが楽しげに遊んでいていいね。
�H"WEEZY" 前半穏やかで後半は高速4ビートを刻む。
�I"UNREQUITED �U" テイク2。やはりSTEWARTのシンバル・レガートは最高だ。太いSANDERSのウォーキングと、これだけで躍動感が湧いてくる。ギターとピアノの醒めたアドリブが終わり、SANDERSのベース・ソロが聴けると身構えているとそのままフェード・アウトしてしまう。なんてこった!
本アルバムはJOE SANDERSとBILL STEWARTという最高のリズム陣を配しながら、ピアノとギターに不完全燃焼の印象を拭いきれない。
先に紹介した2枚のアルバムは録音年月が不明であるが、リリースされた時期から行って2013年から2014年にかけてだろう。恐らく、本アルバムを含めて録音時期はそう変わらないと想像できる。一方で、メンバーはほとんど変わっていて、JOE
SANDERSが本作と"SMALLS"の両方に掛け持ちしているくらいだ。
しかし、演奏内容はそれぞれのアルバムで全くと言って良いほど異なる。あとはリスナーの好み次第ということになるのだろう。
僕の好みとしては、「いいテーマにいいアドリブあり」で"PEACE"(JAZZ批評 916.)を推したい。 (2015.04.18)
試聴サイト:http://www.amazon.co.uk/Take-Chances-Dayna-Stephens-Quintet/dp/B00EYTRAD8
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