軽太子のうたえる二つの歌 |
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あしひきの
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山高み 下桶(したび)を走(わし)せ 下問ひに 我が問ふ妹(いも)を 下泣きに 我が泣く妻を 今夜(こぞ)こそ 安く肌触れ |
天飛(だ)む
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甚(いた)泣かば 人知りぬべし 波佐の山 鳩の 下泣きに泣く 天飛ぶ鳥も使ぞ 鶴(たづ)が音(ね)の聞こえむ時には 我が吊問はさね |
古事記にある軽皇子と衣通姫の恋の物語を題材に松村の書いた独唱歌曲です。詞も古事記(一部日本書紀からのようです)のテキスト。
松村らしく、かっちりとした構成であまり日本情緒を出さず、メロディそのものの美しさで聴かせるというタイプの歌曲です。
( 2016.12.20 藤井宏行 )