プレイ3 |
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高原
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やつぱり光る山だたぢやい ホウ 髪毛(かみけ) 風吹けば 鹿(しし)踊りだぢやい |
風の又三郎
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あまいりんごも吹きとばせ すっぱいりんごも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう どっどど どどうど どどうど どどう あまいざくろも吹きとばせ すっぱいざくろも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいくわりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう どっどど どどうど どどうど どどう どっこどっこ又三郎 ざっこざっこ雨三郎 |
くらかけ山の雪
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友一人もなく たゞわがほのかにうちのぞみ かすかなのぞみを托するものは 麻を着 けらをまとひ 汗にまみれた村人たちや 全くも見知らぬ人の その人たちに たまゆらひらめく |
ソプラノソロにピアノとクラリネットの伴奏がつく、ウェーベルンやメシアンの声楽作品を思わせるかなり尖がった作品ですが、歌のメロディラインは結構リリカルで、今聴くとかなり保守的な曲にすら聞こえます。第1曲目の「高原《はのちの1986年 アカペラの混声合唱曲にも編曲しなおされました。
最後の「くらかけ山の雪《は、詩集に載っている最終稿ではなく、賢治の手帳に残された草稿の方に曲をつけています。しかも草稿で削除された?「同志一人もなく《のフレーズも復活させています。反戦や自由のために戦った作曲家・林光らしいフレーズの選択とも言えましょうか。
( 2019.03.04 藤井宏行 )