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ああ紅の血は燃ゆる    
 
 
    

詩: 野村俊夫 (Nomura Toshio,1904-1966) 日本
      

曲: 明本京静 (Akemoto kyousei,1905-1972) 日本   歌詞言語: 日本語


花もつぼみの 若桜
五尺の生命(いのち) ひっさげて
国の大事に 殉ずるは
我ら学徒の 面目ぞ
ああ紅の 血は燃ゆる

後(あと)に続けと 兄の声
今こそ筆を 投げうちて
勝利揺るがぬ 生産に
勇み立ちたる 兵(つわもの)ぞ
ああ紅の 血は燃ゆる

君は鍬(くわ)とれ 我は鎚(つち)
戦う道に 二つなし
国の使命を 遂(と)ぐること
我ら学徒の 本分ぞ
ああ紅の血は燃ゆる

何を荒(すさ)ぶか 小夜嵐(さよあらし)
神州男児 ここに在り
決意ひとたび 火となりて
守る国土は 鉄壁ぞ
ああ紅の 血は燃ゆる



戦争も追い込まれて行った昭和19年、それまで4か月であった学徒動員を1年丸々に延長した際につくられたもので、副題に「学徒動員の歌」とあります。街宣車で「出征兵士を送る歌」と並んでよく大音声で流されているイメージがありましたので、学徒出陣の歌のイメージが強かったのですが、今回歌詞をじっくり見て、工場や農場への勤労動員されている情景が歌われていることを初めて知りました。もっとも工場がアメリカ軍の空爆対象に挙がっていた中、大勢の学生たちが空襲で命を落としたことを思うと切ないものがあります。前奏が勇ましい明朗なものが、歌に入る前に悲壮なメロディと変わるところが時代の切迫感を顕著に表しているのかも知れません。

( 2017.02.05 藤井宏行 )


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