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臨終    
 
 
    

詩: 中原中也 (Nakahara Chuuya,1907-1937) 日本
    山羊の歌(1934)  

曲: 諸井三郎 (Moroi Saburou,1903-1977) 日本   歌詞言語: 日本語


秋空は鈍色にして
黒馬の瞳のひかり
水涸れて落つる百合花
ああこころうつろなるかな
神もなくしるべもなくて
窓近く女の逝きぬ
白き空盲ひてありて
白き風冷たくありぬ
窓際に髪を洗へば
その腕のやさしくありぬ
朝の日は澪れてありぬ
水の音したゝりてゐぬ
町々はさやぎてありぬ
子等の聲もつれてありぬ
しかはあれ この魂はいかにとなるか?
うすらぎて 空となるか?



以前ご紹介しました「朝の歌」と同時期に中也とのスルヤ同人での交流から生まれた歌曲です。詩は諸井のために書き下ろされ、のちに詩集「山羊の歌」に収録されています。

( 2016.10.21 藤井宏行 )


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