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Mot Kveld   Op.42-7  
  Barnets Vaardag
夕暮れ  
     子どもたちの日々

詩: ジンゲ (Andreas Grimelund Jynge,1870-1955) ノルウェー
      

曲: バッケル=グロンダール (Agathe Ursula Backer-Grøndahl,1847-1907) ノルウェー   歌詞言語: ノルウェー語


Alle de duggvaate blomster har sennt
Solen det sisste Godnat.
Sanktehansormen sin lykte har tænnt,
Sitter og lyser i krat,
Sommerfugl tat sine duggsokker paa,
Lagt sig til hvile i klokken,den blaa,
Drømmer saa deilig om solen,
Drømmer om duft av fiolen.
Sommerfugl tat sine duggsokker paa,
Lagt sig til hvile i klokken,den blaa,
Drømmer saa deilig om solen,
Drømmer,drømmer,om duft av fiolen.

夜露に濡れた花たちは
お日様に「おやすみなさい」と告げ
蛍たちは灯りをつけて
茂みの中で座って休んでいる
蝶々が、露の靴下をはいて
釣鐘水仙の中で眠りにつく
輝くお日様の夢を見ながら
かぐわしいスミレの夢を見ながら
蝶々が、露の靴下をはいて
釣鐘水仙の中で眠りにつく
輝くお日様の夢を見ながら
かぐわしいスミレの夢を見ながら


これもエイヴァン・アルネス(1872-1932)のところでご紹介したノルウエー出身の往年の大ソプラノ、フラグスタートの録音で知ったノルウエーの女性作曲家、バッケル・グロンダールの作品です。作曲者はフランツ・リストにも学んだことがあるほど音楽の素養・教育は大変なものがあった人のようですが、結婚後はほとんど楽壇には現れず、主婦として、母親としての生き方を優先した人なのだそうです。
そんな中、歌曲やピアノ曲をかなりの数作曲し、それが今に至るまで聴き継がれているのはやはりさすがと言えましょう。
彼女の作品はグリーグの歌曲と比べても遜色ない美しいメロディと、優しく素朴な伴奏で耳に残ります。透明な声のソプラノで聴くと一層味わいがあるかも。
私が入手したのはソプラノのタンベルイ(Tandberg)の歌うTolo Gramofonレーベルの録音、歌手はあまり巧くないように思いますが、かえってそのためににじみ出る朴訥な感じがすごく良いです。
このCD、バッケル・グロンダールのピアノ独奏曲も収録していて、これも実に楚々としていて素敵です。

ここで紹介した曲「夕暮れ」は、このCDにも録音がありますが、この曲だけはフラグスタートの歴史的録音が聴けます(Pearl他で復刻あり)。
詩といい曲といい実に楚々としているので、フラグスタートの歌ではちょっと柄が大きすぎるようにも聴こえますが、それでも曲の魅力は堪能できるでしょう。アルネスのところでご紹介した曲も合わせ、ノルウエーのロマン歌曲ももっと紹介されても良いのになあ、と思うことしきり。
まだまだ知られざる素敵な作曲家がたくさん隠れていそうな気がします。

( 2004.05.16 藤井宏行 )


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