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Tis Saint Valentine's Day    
 
今日は聖ヴァレンタインデーよ  
    

詩: シェイクスピア (William Shakespeare,1564-1616) イングランド
    Hamlet (ハムレット) Act.4 Scene.5 To-morrow is Saint Valentine's day

曲: クィルター (Roger Quilter,1877-1953) イギリス   歌詞言語: 英語


Good morrow,'tis Saint Valentine's day,
All in the morning time,
And I a maid at your window,
To be your Valentine.

おはよう 今日はバレンタインデーよ
だからとっても早い時間に
私のような乙女もあなたの窓辺で
あなたのバレンタインになりましょう

シェイクスピアの戯曲「ハムレット」、発狂してしまったオフィーリアが口ずさむ有名な歌です。ブラームスやリヒャルト・シュトラウス、あるいは昨日取り上げたショスタコーヴィチと錚々たる大作曲家たちの作品がありますが、なぜか英語圏の作曲家にはこれは、という作品がありません。
シェイクスピアの劇中歌であれば目ぼしいものはほぼ取り上げているクィルターにしてから、この作品番号のつかない、しかも歌詞の内容がやばい後半部分をばっさりとカットしたある意味人畜無害の爽やかな歌に変えてしまったものがあるだけです。しかもクィルターの作曲というわけではなく、これはトマス・ダーフィー(Thomas D'Urfey 1653 - 1723)の曲集「Wit and Mirth」の中にある歌をクィルターが編曲したものなのだそうで、Naxosのイギリス歌曲集CDのシリーズではクィルター歌曲集ではなく民謡編曲集の方に収録されていました。またシェイクスピアが取り上げたものと若干詩句が違っておりますので、作者不詳として紹介されることも良くあります。

( 2016.02.14 藤井宏行 )


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