Blow,blow thou winter wind When icicles hang |
吹けよ 吹け 冬の風よ つららが垂れ下がり |
Blow,blow thou winter wind, Thou art not so unkind As man's ingratitude; Thy tooth is not so keen Because thou art not seen, Although thy breath be rude. Heigh ho! sing heigh ho! unto the green holly: Most friendship is feigning,most loving mere folly: Then,heigh ho! the holly! This life is most jolly. Freeze,freeze thou bitter sky, Thou dost not bite so nigh As benefits forgot: Though thou the waters warp, Thy sting is not so sharp As friend remember'd not. Heigh ho! sing heigh ho! unto the green holly: Most friendship is feigning,most loving mere folly: Then,heigh ho! the holly! This life is most jolly. |
吹けよ 吹け 冬の風よ お前はそんなに不親切ではないぞ 人が恩知らずでいるほどには お前の歯はそんなに尖ってはないぞ お前は目には見えないのだから 確かにお前の息は荒っぽいが ヘイ ホー!歌えや ヘイ ホー!緑のヒイラギに 友情はあらかた見せかけ 恋愛はただの愚行 だから ヘイ ホー!ヒイラギよ! この人生は馬鹿騒ぎ 凍りつけ 凍りつけ 冷たい空よ お前が噛み付いたって何てことはない 恩を忘れてしまうよりは全く お前は水を凍らすけれど お前の一刺しはそんなに痛くない 友達を思い出さなくなるよりは全く ヘイ ホー!歌えや ヘイ ホー!緑のヒイラギに 友情はあらかた見せかけ 恋愛はただの愚行 だから ヘイ ホー!ヒイラギよ! この人生は馬鹿騒ぎ |
シェイクスピアの喜劇「お気に召すまま」第2幕の第7場、アーデンの森に追われた公爵に従って森に共に住む貴族アミアンズが、やはり森へと追われてきた主人公のオーランドーを歓迎して歌う歌です。もてなす側ももてなされる側もこの詩にあるような人の不人情の犠牲になっているわけでそのあたりを自虐的に歌詞に織り込んで、悲惨な境遇なのにどこかユーモラスです。
合唱をされる方にはおなじみのイギリスの現代作曲家ラターは、しかしながらこの歌を透明感あふれる寂しい歌にしました。冒頭のウィンダム・ヒルかと思わせんばかりのピアノの響きも印象的ですし、ポピュラーミュージックのような主部も美しいメロディ(ユニゾンで歌われます)、そしてヘイ・ホーの掛け声のところで絶妙のハーモニーで分厚く盛り上がるところなど、何度聴いてもいいなあ と思います。
Youtubeではアマチュアの合唱団が歌っているものがものすごい数アップされておりました。巧いのもそうでないのも色々ですが、まとめて楽しませて頂きました。
( 2016.01.22 藤井宏行 )