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Japonezas   W015  
 
ジャパニーズ・ガールズ  
    

詩: フィルホ (Luís Guimarães Filho,1878-1940) ブラジル
      

曲: ヴィラ=ロボス (Heitor Villa-Lobos,1887-1959) ブラジル   歌詞言語: ポルトガル語


Oh! Gheishas!
Bonecas vivas.
De vestidos molticôres,.
Sois lindas,frageis,esquivas.
Como os gatos e os amôres,
Tende olhos zombadôres.
E atitudes pensativas,.

Ora sois jarros de flôres.
Ora sois pombas captivas.
A noite,.
Em doce abandono,.
Moveis o alá do Kimono.
Ao triste som das guitarras.
O chá fumega na esteira
E na sombra hospitaleira.
Morrem de frio as cigarras.

おお! ゲイシャたちよ!
生きた人形よ
色とりどりのドレスを着た
君たちは美しく、華奢で、とらえ難い
ネコや恋する人のように
冷やかな目をしている
そして思わせぶりな仕草を

今 お前たちは花を活けた花瓶だ
今 お前たちはとらわれのハトだ
今宵は
甘美な諦めの中
キモノの箪笥に
ギターの悲しげな調べ
お茶の湯気は眠気ざまし
そしてもてなしの影
セミたちは寒さで死んだ


いきなり「オオ、ゲイシャ」で始まるこの1品、キワモノかと思えばさにあらず、なんとも幻想的で不思議な曲に仕上がっています。だいたいヴィラ-ロボスという人はフランスに留学していた関係か、初期の作品は見事なくらいドビュッシー風の繊細な響きなので、これがブラジル!? っていうような驚きを感じることがしばしばです。この作品も1907年の作品ですから弱冠20歳の作品、後期の哀愁に満ちた美しい旋律を期待する訳にはいきませんが(その辺がお好みの方は1930〜1950の歌曲作品をどうぞ。宝石のような旋律の宝庫です)、スペイン語で歌われる印象派風の旋律というのもなかなか味わいがあります。というか、この雰囲気が次第に南米風に変化してきて彼独特の作風ができたのだなあというのが感じられて面白いのです。その意味で、この人の歌曲を男声・女声取り混ぜて初期から晩年までごたまぜに録音してくれているEtceteraのCD (M. Heller(Ten)・C. Scimone(Sop)・A. Heller(Pf))は興味深いです。ラテンのポップスかと思うばかりの耳に優しい旋律の間に、こんなもわっとした歌が出てくるのが不思議でもあり、また彼の多彩なスタイルを聴く楽しみでもあります。

(1998.08.02)

ようやく訳ができましたのでアップいたします。苦手なポルトガル語なのでそうとうめちゃくちゃだとは思いますが、もとの詩の異国趣味の方も相当キテいる感じもします。まあご参考程度にどうぞ

( 2011.06.26 藤井宏行 )


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