Schwebe,schwebe,blaues Auge S.305 |
漂え 漂え 青き瞳よ |
Schwebe,blaues Auge,schwebe Unabwendbar ob dem meinen, Einen Frühling wirk und webe Rings um mich in lichtem Scheinen. Klinge,süße Stimme,klinge An mein Herz im Tongewimmel, Trag auf deiner Engelschwinge Mich Verwandelten gen Himmel. Jüngst noch Nacht und Winter war es; Nun ists plötzlich Tag geworden, Tag und Mai,ein wunderbares Sein in Strahlen und Akkorden! Überall ein Hoffnungsschiller, Ein verheißend Frühlingswetter, Blütenwellen,Lerchentriller, Nachtigallenlustgeschmetter. Laß,o laß ihn nicht vergehen, Diesen letzten Lenz der Erde, Bis ich seine Blumen sehen, Seine Früchte brechen werde. |
漂え 青き瞳よ 漂え そらしたりせずに 私の瞳から ひとつの春を紡ぎだしておくれ 私の周りに 明るい光で 響け 優しい声よ 響け 私の胸に 音の連なりとなり 天使の翼に乗せて運んでゆけ 私を変容させて天上へと ついこの間まで夜や冬であった 今や突如として昼となったのだ 昼が そして五月が奇跡のように 光や調和の中に現れたのだ あらゆるところに希望の輝き 約束を告げる春の天気 花の波 ヒバリのさえずり ナイチンゲールの陽気な歌声 去らせないで おお去らせないでおくれ この地上の最後の春を 私がこの花たちを眺め その果実を摘み取るまでは |
リストの歌曲の中ではあまりインパクトのあるものではありませんが、内省的な不思議な浮遊感が癖になりそうな音楽です。フィッシャー=ディースカウのささやくような声で歌われたこの曲はことの他印象的。クライマックスや溜めを作ることなく、淡々と歌うべき歌曲でしょうか。
( 2014.03.30 藤井宏行 )