Auf eine Lampe Op.62-19 Das Holdes Bescheiden |
ランプに寄す 歌曲集「善き慎み」 |
Noch unverrückt,o schöne Lampe,schmückest du, An leichten Ketten zierlich aufgehangen hier, Die Decke des nun fast vergessnen Lustgemachs. Auf deiner weißen Marmorschale,deren Rand Der Efeukranz von goldengrünem Erz umflicht, Schlingt fröhlich eine Kinderschar den Ringelreihn. Wie reizend alles! lachend,und ein sanfter Geist Des Ernstes doch ergossen um die ganze Form-- Ein Kunstgebild der echten Art. Wer achtet sein? Was aber schön ist,selig scheint es in ihm selbst. |
美しいランプよ、おまえはいまだに 細い鎖で優美につるされて この忘れられた園亭の天井を飾る 金緑の銅のきづたが縁にからまる おまえの白い大理石の皿の上で 子供たちが楽しげに輪になり踊っている 何と心ひかれることか!微笑みながらも真摯でおだやかな心が その形姿に注ぎこまれている これはまさに芸術品だ もはやだれもおまえに目をとめはしない しかし美はそれ自体で喜びに輝いているのだ |
ヴォルフが作曲しなかったのが残念なメーリケの代表作として知られる名詩「ランプに寄す」。シェックの歌曲集「好ましい慎み」作品62に含まれるその歌曲を聴くことが出来ました。もしヴォルフだったらもっと感動的な作品になったろうに、などと思ってもしまいますが、まだまだ不勉強でシェックの語法を理解できていないための感想かも知れません。今後折りに触れシェックの作品も取り上げていくつもりです。
2003.6.13 甲斐貴也
後記
下記「わたしの流れ」で触れた中嶋先生の論文を拝読したことから終わりの二行を改めました。実用品としてのランプとしてはもはや火を灯されることもないが、芸術的価値はそれ自体で輝いているのだ、というのがこの詩の真意のようです(2003.7.21)
( 2003.07.21 甲斐貴也 )