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Marie   FP 81  
  Sept chansons
マリー  
     7つのシャンソン 

詩: アポリネール (Guillaume Apollinaire,1880-1918) フランス
    Alcools  Marie

曲: プーランク (Francis Poulenc,1899-1963) フランス   歌詞言語: フランス語


Vous y dansiez petite fille
Y danserez-vous mère-grand
C'est la maclotte qui sautille
Toutes les cloches sonneront
Quand donc reviendrez-vous Marie

Les masques sont silencieux
Et la musique est si lointaine
Qu'elle semble venir des cieux
Oui je veux vous aimer mais vous aimer à peine
Et mon mal est délicieux

Les brebis s'en vont dans la neige
Flocons de laine et ceux d'argent
Des soldats passent et que n'ai-je
Un coeur à moi ce coeur changeant
Changeant et puis encor que sais-je

Sais-je où s'en iront tes cheveux
Crépus comme mer qui moutonne
Sais-je où s'en iront tes cheveux
Et tes mains feuilles de l'automne
Que jonchent aussi nos aveux

Je passais au bord de la Seine
Un livre ancien sous le bras
Le fleuve est pareil à ma peine
Il s'écoule et ne tarit pas
Quand donc finira la semaine

少女の君は踊っていた
おばあさんになっても踊るのだろうか
こうやって跳ねまわるマクロットダンスを
すべての鐘が鳴り渡るんだ
君はいつ戻ってくるんだ マリー?

仮面の人々は沈黙してる
そして音楽ははるか遠くで鳴っていて
まるで天国から聞こえてくるようだ
そうだ 僕は君を愛したいんだ だけどほんの少しだけ
それなら僕の苦しみもわずかで済むから

羊たちは雪の中を去って行く
羊毛の房と 銀の房
兵士たちも通り過ぎる もし僕にもあったなら
うつろいやすい心が自分に
うつろい そしてそれに気付かない心が

知るものか 君の髪がどうなるかなど?
泡立つ海のようにうねっている髪が
知るものか 君の髪がどうなるかなど?
君の秋の木の葉の手が
僕たちの誓いまでを撒き散らすのだ

僕はセーヌのほとりを歩いた
古い本を腕に抱えて
川は僕の苦しみに似ている
流れて 決して涸れることはない
いつ今週は終わるのだろう?
君はいつ戻ってくるんだ マリー?


アポリネールの詩集「アルコール」より。有名な「ミラボー橋」もこの詩集の中ですが、その詩と同じように別れた恋人 マリー・ローランサンのことを歌っています。こちらもしみじみとした味わいですが、「ミラボー橋」よりは少々未練が強いでしょうか。
プーランクのつけた無伴奏合唱のメロディはしかしながら流麗な、およそ破れた恋とは思えないもの。後半しみじみとしますがそれでも生き生きとした音楽はちょっと詩に対しては違和感がなくもありません。
この合唱曲では7曲中2曲がこのアポリネールのものです。

( 2013.10.20 藤井宏行 )


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