Les Heures Op.27-1 Trois Lieder de Camille Mauclair |
時の女神 カミーユ・モークレールの3つの歌曲 |
Les pâles heures,sous la lune, En chantant jusqu'à mourir, Avec un triste sourire, Vont une à une Sur un lac baigné de lune, Où,avec un sombre sourire, Elles tendent,une à une, Les mains qui mènent à mourir; Et certains,blèmes sous la lune Aux yeux d'iris sans sourire, Sachant que l'heure est de mourir, Donnent leurs mains une à une Et tous s'en vont dans l'ombre et dans la lune Pour s'alanguir et puis mourir Avec les Heures une à une, Les Heures au pàle sourire. |
青ざめた時間たちが 月の下で 死が訪れるまで歌っている 悲しげにほほ笑みながら ひとり またひとりと渡ってゆく 月に照らされた湖の上を そこでは陰鬱なほほ笑みと共に 彼らは差し出すのだ ひとつ またひとつと 死に導かれた自分の手を ある者は月明かりに青ざめながら ほほ笑みのないアイリス色の瞳で 死のときが来たのを知って 互いに手を取り合っている そして皆消えて行くのだ 暗闇の中 そして月明かりの中へと あえぎ そしてやがて死ぬ 時とともに ひとり またひとりと 青ざめたほほ笑みの時間たちは |
タイトルは日本語の定訳?に従い「時の女神」としましたが、原詩は直訳すると「時間たち」です。過ぎ去って行く時間を擬人化しているのですね。ショーソンの歌曲は「愛と海の詩」のあと、メーテルリンクの有名な詩につけた歌曲集「温室」Op.24をへて、研ぎ澄まされた精緻さを増して行きます。そのためか初期の分かりやすい美しさに溢れた歌曲に比べるとどうしても取り上げる頻度は少なくなるのですが、この歌のように詩の雰囲気に見事に寄り添った音楽は聴きごたえがあります。モクレールの詩につけた3曲の中ではこの曲が一番よく耳にすることができ、最近でもシュトッツマンやジャルスキーの録音がありました。
( 2011.10.08 藤井宏行 )