Ich hab' in mich gesogen Op.37-5 Liebesfrühling |
私は自分の中に吸い込んだのだ 愛の春 |
Ich hab' in mich gesogen, Den Frühling treu und lieb, Daß er,der Welt entflogen, Hier in der Brust mir blieb. Hier sind die blauen Lüfte, Hier sind die grünen Au'n, Die Blumen hier,die Düfte, Der blühende Rosenzaun. Und hier am Busen lehnet Mit süßem Liebes-Ach, Die Liebste,die sich sehnet Den Frühlingswonnen nach. Sie lehnt sich an zu lauschen Und hört in stiller Lust Die Frühlingsströme rauschen In ihres Dichters Brust. Da quellen auf die Lieder Und strömen über sie Den vollsten Frühling nieder, Den mir der Gott verlieh. Und wie sie,davon trunken, Umblicket rings im Raum, Blüht auch von ihren Funken Die Welt,ein Frühlingstraum. |
私は自分の中に吸い込んだのだ 誠実で愛らしい春を 春は、この世界を逃れて この胸の中に留まっている ここには青い空があり ここには緑の牧場がある 花はここにあり、そよ風と 花咲くバラの垣根がある そしてここでこの胸にもたれ 甘い愛の溜息と共に 愛する人は憧れを抱く この春の喜びに 彼女はもたれかかりながら耳を澄まし 静かな喜びと共に聞いているのだ 春の流れのざわめきが 彼女の詩人としての胸の中に響くのを こうして歌が泉となって湧きあがり 彼女の上へと注ぎこむのだ 豊かな春を それは私に神様が与えてくださったもの そして彼女がそれに酔い あたりをぐるりと見回すと 彼女の輝きによって咲き出でるのだ 世界は 春の夢となって |
クララの心のこもった愛の歌(第4曲)を受けて夫ロベルトもまたリュッケルトの熱烈な恋の詩にメロディを付けました。ただ音楽は特に伴奏が古典的な佇まいを見せていて、まるでベートーヴェンの歌曲のようにさえ響きます。
( 2011.01.03 藤井宏行 )