Nicht wiedersehen Lieder und Gesänge aus der Jugendzeit |
二度と会えない 若き日の歌 第三集 |
“Und nun ade,mein herzallerliebster Schatz! Jetzt muß ich wohl scheiden von dir, Bis auf den andern Sommer, Dann komm ich wieder zu dir.” Ade,ade,mein herzallerliebster Schatz! Und als der junge Knab' heimkam, Von seiner Liebsten fing er an: “Wo ist meine Herzallerliebste, Die ich verlassen hab?” “Auf dem Kirchhof liegt sie begraben, Heut' ist's der dritte Tag. Das Trauern und das Weinen Hat sie zum Tod gebracht!” Ade,ade,mein herzallerliebster Schatz! “Jetzt will ich auf den Kirchhof geh'n, Will suchen meiner Liebsten Grab, Will ihr all'weile rufen, Bis daß sie mir Antwort gab. Ei du,mein herzallerliebster Schatz, Mach' auf dein tiefes Grab, Du hörst kein Glöcklein läuten, Du hörst kein Vöglein pfeifen, Du siehst weder Sonne noch Mond!” Ade,ade,mein herzallerliebster Schatz! |
「さあ今こそお別れだ、ぼくの心から愛する人よ! 今ぼくはお前と別れなければならないんだ 次の夏がくるときまでは そしたらぼくはまたお前のところへ戻ってくるよ」 さよなら、さよなら、ぼくの心から愛する人よ! そして若者が故郷に戻ってきたとき 恋人のことをまずは尋ねた 「どこにぼくの恋人はいるのですか、 ぼくの残していったあの人は?」 「教会の墓地にあの子は埋められているよ 今日で三日目になるだろう 悲しみと嘆きで あの子はとうとう死んでしまったのさ!」 さよなら、さよなら、ぼくの心から愛する人よ! さあぼくは墓地に行こう ぼくの恋人の墓を探すのだ あの子に呼びかけるんだ あの子が返事を返してくれるまで ねえお前、愛しい人 お前の深い墓を開けておくれ お前は鐘が鳴るのも聞こえないだろうし お前は鳥たちがさえずるのも聞こえないだろ お前には太陽も月も見えないのだから! さよなら、さよなら、ぼくの心から愛する人よ! |
前の曲と同じく、お別れの言葉Ade!が効果的に使われていますが、こちらは悲痛な響きです。ストーリーはこの種の民間伝承詩にはありがちなものですけれども、マーラーはとても真に迫った音楽をつけました。繰り返し出てくる“Ade”の響きも印象的ですが、それにもまして恋人の墓に話しかける部分のメロディが長調に転調し、安らぎに満ちた響きとなっていること。ここの絶妙な効果はのちの「さすらう若人の歌」の第4曲にも似て、聴く者の心を捕らえるものと思います。最後はまたあの悲痛な“Ade”の叫びが戻ってくるのではありますが。
( 2010.06.26 藤井宏行 )