O esli b ty mogla Op.39-1 Chetyre romansa |
おお、ほんの一瞬だけでも 4つのロマンス |
O esli b ty mogla khot’ na edinyj mig Zabyt’ svoju pechal’,zabyt’ svoi nevzgody, O,esli by khot’ raz ja tvoj uvidel lik, Kakim ja znal ego v schastlivejshie gody! Kogda v tvoikh glazakh zasvetitsja sleza, O,esli b eta grust’ mogla projti poryvom, Kak v tepluju vesnu proletnaja groza, Kak ten’ ot oblakov,begushchaja po nivam! |
おお、ほんの一瞬だけでも私ができたのなら あなたの悲しみを忘れさせることが、あなたの悩みを忘れさせることが おお、もしももう一度あなたの顔を見られたならば あの幸せだった年月に私が知っていたような顔が! あなたの瞳に涙が光る おお、もしもその悲しみが一瞬で過ぎ去るものなら ちょうど暖かい春の嵐のように 麦畑を過ぎていく雲の影のように! |
4曲からなる作品39はすべてアレクセイ・トルストイの詩になる歌曲です。興味深いのはそのうち3曲までがチャイコフスキーに同じ詩につけた歌曲があるということで、この1曲目はチャイコフスキーの作品38-4、第3曲目は作品57-2、そして第4曲目は作品47-4とそれぞれ対応しています。いずれもチャイコフスキー中期の傑作ということでリムスキー=コルサコフは少々分が悪く、チャイコフスキーとかぶらない第2曲だけが比較的知られているのに対し、これら3曲はあまり取り上げられることもなくなってしまっております。
( 2010.04.24 藤井宏行 )