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Erntelied   Op.8-4  
  12 Gesänge
刈り入れの歌  
     12の歌

詩: 少年の不思議な角笛 (Des Knaben Wunderhorn,-) ドイツ
    Des Knaben Wunderhorn,Band 1 26 Erndtelied

曲: メンデルスゾーン (Jakob Ludwig Felix Mendelssohn,1809-1847) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Es ist ein Schnitter,der heißt Tod,
Hat Gewalt vom höchsten Gott,
Heut wetzt er das Messer,
Es schneid't schon viel besser,
Bald wird er drein schneiden,
Wir müssen nur leiden.
Hüte dich schöns Blümelein!

Was heut noch grün und frisch da steht,
Wird morgen schon hinweggemäht:
Die edlen Narzissen,
Die Zierden der Wiesen,
Viel schön' Hyazinthen,
Die türkischen Binden.
Hüte dich schöns Blümelein!

Viel hundert tausend ungezählt,
Das nur unter die Sichel fällt,
Ihr Rosen,ihr Lilien,
Euch wird er austilgen,
Auch die Kaiser-Kronen,
Wird er nicht verschonen.
Hüte dich schöns Blümelein!

Das himmelfarbe Ehrenpreis,
Die Tulpanen gelb und weiß,
Die silbernen Glocken,
Die goldenen Flocken,
Senkt alles zur Erden,
Was wird daraus werden?
Hüte dich schöns Blümelein!

Ihr hübsch Lavendel,Roßmarein,
Ihr vielfärbige Röselein.
Ihr stolze Schwertlilien,
Ihr krause Basilien,
Ihr zarte Violen,
Man wird euch bald holen.
Hüte dich schöns Blümelein!

Trotz! Tod,komm her,ich fürcht dich nicht,
Trotz,eil daher in einem Schritt.
Werd ich nur verletzet,
So werd ich versetzet
In den himmlischen Garten,
Auf den alle wir warten.
Freu' dich,schönes Blümelein.

そいつはひとりの草刈り人だ、「死」と名乗っている
いと高き神の力を持ち
今日もその刃を研いでいるので
刃はいっそう良く切れるようになった
もうすぐ彼は刈り取りを始めるだろう
われらはただ苦しむより他はない
心せよ、美しき花たちよ

今はまだ緑で みずみずしく立っていようとも
明日にはあっさり刈り取られるのだ
高貴なスイセン
牧場の飾りたるお前も
たくさんの美しいヒヤシンスたち
トルコの帯のようなお前たちもだ
心せよ、美しき花たちよ

幾百千の数え切れぬものたちが
ただその大鎌に倒れ伏すのみ
バラたちよ ユリたちよ
お前たちも消されるのだ
それに王冠ユリとて
決して例外ではない
心せよ、美しき花たちよ

空の色をしたクワガタソウ
黄色や白のチューリップ
銀色のツリガネソウ
金色のリンドウ
あらゆるものたちが大地へと倒されるのだ
いったいどうなってしまうというのか?
心せよ、美しき花たちよ

お前たちかわいいラヴェンダーも、ローズマリーも
お前たち色とりどりの小さなバラも
お前たち堂々としたアイリスも
カールしたバジルも
繊細なスミレも
すぐに呼び出されることであろう
心せよ、美しき花たちよ

されども! 死よ、ここへ来るがいい、われは恐れぬ
されども、一薙ぎでここへ急ぎ来るがいい
われは傷付けられるであろう
そして召されるのだ
天上の庭園へと
それはわれらが待ち望んでいたことではないか
喜べ、美しき花たちよ!


古い教会の聖歌のようで、メンデルスゾーンに限らずたくさんの音楽家によって曲がつけられています。主なところでは「ドイツ民謡集」の1曲としているブラームスや混声合唱にしているシューマンなど。メンデルスゾーンの曲はやはり古い聖歌を思わせながら、かなりロマンティックです。ロマン派時代の新古典派とでも申しましょうか。若き作曲家の天才を感じさせる傑作です。なお歌詞には花の名前が色々出て参りますが、できるだけ対応しそうな日本名を探したものの良く分からないものが多く、不適切な訳になっているものもあるかと思います。ご指摘頂ければ幸いです。

( 2009.09.23 藤井宏行 )


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