Junge Lieder I Op.63-5 Neun Lieder und Gesänge |
青春の歌 1 9つの歌曲と歌 |
Meine Liebe ist grün wie der Fliederbusch, und mein Lieb ist schön wie die Sonne, die glänzt wohl herab auf den Fliederbusch und füllt ihn mit Duft und mit Wonne. Meine Seele hat Schwingen der Nachtigall, und wiegt sich in blühendem Flieder, und jauchzet und singet vom Duft berauscht viel liebestrunkene Lieder. |
ぼくの恋はリラの茂みみたいに青々として それにぼくの恋は太陽みたいに美しいんだ 太陽の光はリラの茂みを照らし そして茂みを香りと歓喜でいっぱいにするんだ ぼくの魂はナイチンゲールのような翼を持ち 花咲くリラの中を羽ばたいてゆくんだ そして喜び そして歌う 香りに酔いしれて たくさんの恋に夢中な歌を |
ブラームスの愛の歌にしては珍しく情熱が爆発している熱い歌です。それというのもこの曲の詩を書いたのがあのロベルト・シューマンの末子、フェリックス(1854-1879)であるということにもあるのでしょう。ブラームスの師匠でもあったシューマンですし、その妻クララとのブラームスの思慕などは良く知られたところ。かなりシューマンのリートのスタイルを意識している感じがします。1873年の作曲ということでまだフェリックスは20歳にもなっていなかった頃。その年のクリスマスプレゼントとしてシューマン家に送られて彼フェリックスを狂喜させたということです。正式なタイトルは上に掲げた通りですが、この詩の第一節の冒頭を取って「わが恋は緑」と呼ばれることの方が多いでしょうか。
( 2009.05.05 藤井宏行 )