Ach weh mir unglückhaftem Mann Op.21-4 TrV 160 Schlichte Weisen |
ああみじめな俺 不幸な男 素朴な歌 |
Ach weh mir unglückhaftem Mann, daß ich Geld und Gut nicht habe, sonst spannt' ich gleich vier Schimmel an und führ' zu dir im Trabe. Ich putzte sie mit Schellen aus, daß du mich hört'st von weitem, ich steckt' ein'n großen Rosenstrauß an meine linke Seiten. Und käm' ich an dein kleines Haus, tät' ich mit der Peitsche schlagen, da gucktest du zum Fenster 'naus: Was willst du? Tät'st du fragen. Was soll der großen Rosenstrauß, die Schimmel an dem Wagen? Dich will ich,rief' ich,komm heraus! Da tät'st du nimmer fragen. Nun,Vater,Mutter,seht sie an und küßt sie rasch zum Scheiden, weil ich nicht lange warten kann, meine Schimmel wolln's nicht leiden. Ach weh mir unglückhaftem Mann, daß ich Geld und Gut nicht hab'. |
ああみじめな俺 不幸な男 金も財産も持ってないんじゃなあ でなけりゃ四頭立ての馬車を用意して お前のとこまで駆けてくってのに 俺はその馬車を鈴で飾り立てるのさ そうすりゃ遠くからでも俺が来たのが聞こえるだろ でっかいバラの花束を抱えてってやろう 俺の左の脇には そしてお前の小さな家のとこに着いたなら 俺は鞭を一打ちするのさ そうすりゃお前は窓から顔を出して どうしたのよ?って聞くんだよな その大きなバラの花束はなあに 馬車のところの白い馬は? お前が欲しいのさ、俺は答える、さあ出て来いよ! そうしてお前は何も言わずに出てくるのさ さて、お義父さん、お義母さん、娘さんを見送って 急いでお別れのキスをしといてください これ以上は待てないんですよ 馬たちがせかしているんでね ああみじめな俺 不幸な男 金も財産も持ってないんじゃなあ |
こちらもまた、古今東西のコントのボケの王道とも言える展開の面白い歌です。自分のみじめな境遇を嘆いていたのが、もしそうでなかったならと妄想が膨らんで行き、それが限界まで達したところでハッと我に返る...あまりにベタな展開ですが、見事にその陳腐さを音楽にしたような(一応褒めているつもりです)シュトラウスの技には脱帽せざるを得ません。最後の我に返ったところの情けない声などはただただ笑ってしまうしかありません。
フィッシャー=ディースカウのあまりに巧すぎる一人芝居もありますが、私は個人的にはハンス・ホッターの飄々としたバスの歌により惹かれるものを感じます。
( 2008.10.01 藤井宏行 )