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Letí straka letí    
  Zápisník Zmizelého
どろぼうかささぎが飛んでいく  
     消えた男の日記

詩: カルダ (Ozef Kalda,1871-1921) チェコ
      

曲: ヤナーチェク (Leoš Janáček,1854-1928) チェコ   歌詞言語: チェコ語


Letí straka letí
křídlama chlopotá,
ztratila sa setře
košulenka z plota.

Gdo jí ju ukradl, 
aj,gdyby věděla,
věckrát by se mnú  
řečňovat nechtěla. 

Oh,Bože,rozbože, 
jak sem sa proměnil,
jak jsem své myšlenky 
ve svém srdci změnil. 

Co sem sa modlíval, 
už sa hlava zbyla, 
jak gdyby sa pískem  
zhlybeň zařútila !  

どろぼうかささぎが飛んでいく
羽をはばたかせて
消えたのは俺の妹の
下着だ フェンスのところから

誰がそれを盗んだのか
本当のことをもし知ったなら
妹は俺と二度と
口をきかなくなるだろう

おお、神様、
俺はどうなっちまったんだ
考えることだけでなく
心の中まで変わっちまった

ここで祈ってきたことで何が
今俺の頭の中に残ってるていうのか
たぶんそんなのは砂の中に
埋もれちまったんだ


鳥の羽ばたくような流麗な冒頭の旋律は、ここでふっと今までのヘヴィな展開を安らげるような効果を示します。がヤンの心は安らぐことはありません。彼の家から盗まれた下着は、やがて来る夜の逢瀬の中で彼が愛する娘が着ていることが分かってしまう。一瞬の間をおいてから急に速くなって歌われるこの歌の後半はおそらく教会での礼拝のシーンでしょう。家族だけでなく、神様さえも裏切ってしまったのではないかという悩み。ここで悩みもクライマックスを迎えています。

( 2008.10.10 藤井宏行 )


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