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Co sem to udělal ?    
  Zápisník Zmizelého
俺は何をしでかしたのか?  
     消えた男の日記

詩: カルダ (Ozef Kalda,1871-1921) チェコ
      

曲: ヤナーチェク (Leoš Janáček,1854-1928) チェコ   歌詞言語: チェコ語


Co sem to udělal ? 
Jaká to vzpomněnka !
Gdyž bych já měl pravit
cigánce maměnka.

Cigánce maměnka,
cigánu tatíček,
rači bych si ut’al
od ruky malíček !

Vyletěl skřivánek,
vyletěl z ořeší,
moje truchlé srdce
nigdo nepotěší.

俺は何をしでかしたのか?
この記憶は何なんだ!
この俺が呼ばなくてはならないとは
ジプシー女を母さんと。

ジプシー女を母さんと,
ジプシー男を父さんと,
だったら切り落とす方がずっとましだ
この手の小指を

ヒバリが飛び立った,
ハンノキの森から
俺のみじめな心は
誰も慰めてはくれない


後悔3部作、これにて打ち止めですが3曲3様で興味深いです。ここでクローズアップされているのは差別の問題ですね。ただ一夜の過ちをしてしまったというだけではなく、ヤンは村の掟で禁じられた被差別者との交わりをし、しかも深く愛してしまう。「ジプシー女を母さんと」以下のくだりはヤンの心の中にも深く刷り込まれている差別者の意識と、そしてにも関わらずあの娘を愛してしまった葛藤を強烈に表しています。そしてこの曲を皮切りとしてこの歌曲集後半のクライマックスが作られることを考えると、この曲と次の曲は非常に重要だと思います。音楽もそれもあってでしょうか、非常に力の籠ったものになっています。訥々と語っていくスタイルが印象的。

( 2008.10.10 藤井宏行 )


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