TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


In van preghi    
  Quattro Canzoni d'Amaranta
むなしく祈り  
     アマランタの4つの歌

詩: ダンヌンツィオ (Gabriele d'Annunzio,1863-1938) イタリア
      In van preghi

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: イタリア語


In van preghi,in vano aneli,
in van mostri il cuore infranto.
Sono forse umidi i cieli
perché noi abbiamo pianto?

Il dolor nostro è senz'ala.
Non ha volo il grido imbelle.
Piangi e prega! Qual dio cala
pel cammino delle stelle?

Abbandónati alla polve
e su lei prono ti giaci.
La supina madre assolve
d'ogni colpa chi la baci.
In un Ade senza dio
dormi quanto puoi profondo.
Tutto è sogno,tutto è oblìo:
l'asfodèlo è il fior del Mondo.

むなしく祈り、むなしく喘ぎ
むなしく傷ついた心をさらけ出すがいい
天が濡れているのは
私たちが泣いているからなのか?

私たちの苦しみに翼はない
力なく泣いても飛べはしない
すすり泣け、祈れ!いったいどんな神なのだ
星たちの通い路へと降りて来るというのは?

土埃へと屈服せよ
この大地へと身を投げ出すのだ
母なる大地は許してくれるだろう
彼女にくちづけをする者はだれでも
神のおられない冥界の中で
深い眠りに落ちるが良い
すべては夢、すべては忘却
アスフォデルの花はこの世で最も美しきものなのだ


しみじみと絶望を歌う歌とでも申しましょうか。夢見るように美しい伴奏に乗せて穏やかに淡々とご覧頂いたような詞が語られて行きます。死ぬことが永遠の安息であるかのように。最後に出てきますアスフォデルというのが、その根から永遠の眠りをもたらす強力な眠り薬が得られるのだそうで、花としても天国では永遠に凋むことのないユリのような花なのだそうですので、一層永遠の安息のイメージが強まります。

( 2008.09.14 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ