Kaby znala ja Op.47-1 7 Romansov |
もし私が知っていたなら 7つのロマンス |
Kaby znala ja,kaby vedala, Ne smogrela by iz okoshechka Ja na molodtsa razudalogo, Kak on ekhal po nashej ulitse. Nabekren’ zalomivshi murmolku, Kak likhogo konja bulanogo, Zvonko nogogo,dolgo grivogo Suprotiv okon na dyby vzdymal! Kaby znala ja,kaby vedala, Dlja nego by ja ne rjadilasja, S zolotoj kajmoj lentu aluju V kosu dlinnuju ne v pletala by, Rano do svetu ne vstavala by, Za okolitsu ne speshila by, V rose nozhen’ki ne mochila by, Na proselok tot ne gljadela by, Ne proedet li tem proselkom on, Na ruke derzha pestra sokola? Kaby znala ja,kaby vedala, Ne sidela by pozdnim vecherom, Prigorju nivshis’ na zavaline, Na zavaline,bliz kolodezja, Podzhidajuchi,da gadajuchi, Ne pridet li on,nenagljadnyj moj! Napoit’ konja studenoj vodoj! |
もし私が知っていたなら、もしわかっていたのなら 私は窓から見ることなどなかったでしょう あの陽気な若者のことなんかを 彼は私の家の通りの前を駆け抜けた 帽子をちょいと横向きにして 栗毛の荒馬に乗って 足音高らかに、たてがみをなびかせ 窓の前で馬を棒立ちさせたの もし私が知っていたなら、もしわかっていたのなら 彼のために 私は飾らなかったでしょう 金のひだのついた赤いリボンを 長いお下げ髪に付けたりは 夜明けと共に起きたり 村はずれに走っていったり 足を露で濡らしたり あの田舎道を眺めたりはしなかったでしょう 彼がやってこないかと 手には美しい鷹を携えて もし私が知っていたなら、もしわかっていたのなら 私は夜遅くまで座っていたりしなかったのに あの小さな丘の上 古い井戸のすぐそばで 待ち焦がれ 希望をもちながら 彼はこないのかと あたしの愛しい人は 彼はこないのかと 馬に水をやりに... |
前奏と後奏にまるでマンドリンのつま弾きのようにピアノで奏でられるイタリア風のメロディの間に挟まれて、ロシア調というしかないねっとりとした歌が歌われています。この詩で繰り返される「もし私が知っていたなら、もしわかっていたのなら」というのは17世紀頃から流行っていた民謡の有名なフレーズなのだそうで、
そのギャップがなかなかに印象的ではありますが、けっこう歌手の表現力を試される歌だからでしょうか、取り上げる人が多い人気作品です。
ロシアの表現力が濃厚なソプラノ歌手が歌うと実に映える歌でもあり、ヴィシネフスカヤが夫ロストロポーヴィチのピアノ伴奏で歌っているEMI録音など見事というしかない歌唱です。
歌曲集Op.47は1880年の作品。これもOp.38と並んでチャイコフスキーの代表的歌曲の宝庫です。
( 2008.08.01 藤井宏行 )