そんなお方があつたなら |
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風は柳に鳥は木に その日その夜の出来心 浮いて浮れた人の世に 色も常磐の男松 そんなお方があつたなら 櫻ばかりが花ぢやない お顏ばかりが人ぢやない 秘めた女の純情を たづねたづねて旅枕 そんなお方があつたなら 星の空月の夜は 泣いて笑つて慰めて 昔語りもしみじみと 明けりや振分け共苦勞 そんなお方があつたなら |
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( 2021.06.06 藤井宏行 )